獄中への手紙:07 一九四〇年(昭和十五年) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「唯の浪人、土岐亥太郎殿なら、喜んで不束な娘を差上げましょうが、——」
奇談クラブ〔戦後版〕:09 大名の倅 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
おはずかしい次第でございますが、わたくしが不束なばっかりに、主人の心を
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
小桜姫物語:03 小桜姫物語 (新字新仮名) / 浅野和三郎(著)
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すりよりながら身をひきしめて自分の生れながらの不束さをきまりわるく思いながら、やはり傍からどけない(くことは出来ない)というような思いになります。
獄中への手紙:10 一九四三年(昭和十八年) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
自体それがしは今天が下に並びない大剛の者を尋ね出いて、その身内に仕へようずる志がおぢやるによつて、何とぞこれより後は不束ながら、御主『えす・きりしと』の下部の数へ御加へ下されい。