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ふりがな文庫
“
飜
(
かへ
)” の例文
新字:
翻
雀の子が遽しく羽を
飜
(
かへ
)
して飛び廻った。柘榴の樹の立ってるあたりに黄ろい蜻蛉がいくつとなく群を成して、風に吹き流されて居た。
奥間巡査
(新字旧仮名)
/
池宮城積宝
(著)
女は身を
飜
(
かへ
)
すと、掛け
香
(
かう
)
を三十もブラ下げたやうな
妖
(
あや
)
しく、艶めかしい香氣を發散させて、八五郎の膝へ存分に身を技げかけるのでした。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ニヤ/\と
両
(
りやう
)
の
頬
(
ほゝ
)
を
暗
(
くら
)
くして、あの
三日月形
(
みかづきなり
)
の
大口
(
おほぐち
)
を、
食反
(
くひそ
)
らして
結
(
むす
)
んだまゝ、
口元
(
くちもと
)
をひく/\と
舌
(
した
)
の
赤
(
あか
)
う
飜
(
かへ
)
るまで、
蠢
(
うご
)
めかせた
笑
(
わら
)
ひ
方
(
かた
)
で
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
珍しい発見をしたやうに、彼は馬から身を
飜
(
かへ
)
しておりた。二人の資人はすぐ馳け寄つて手綱を控へた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
青年も、美奈子が、——一度あんなに彼に親しくした美奈子が、又掌を
飜
(
かへ
)
すやうに、急に再び
疎々
(
うと/\
)
しくなつたことが、彼の責任であることに、彼も気が付いてゐなかつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
蕪
(
かぶ
)
の葉に濡れし
投網
(
とあみ
)
をかいたぐり飛び
飜
(
かへ
)
る
河豚
(
ふぐ
)
を抑へたりけり
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
また
尾羽
(
をは
)
飜
(
かへ
)
す
朝
(
あした
)
もあらず。
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
虹をば
飜
(
かへ
)
すあの
上衣
(
ロオヴ
)
。
“MONICO”
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
ひく手に
飜
(
かへ
)
る秋の波
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
と言つた調子、荒い浴衣の袖を
飜
(
かへ
)
して、ニツコリすると、其
邊中
(
へんぢう
)
桃色の
媚
(
こび
)
が撒き散らされて、何も彼も匂ひさうです。
銭形平次捕物控:030 くるひ咲
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
根
(
ね
)
を
拔
(
ぬ
)
いてストンと
貴女
(
あなた
)
、
靴
(
くつ
)
の
裏
(
うら
)
を
飜
(
かへ
)
して
遁
(
に
)
げた、
遁
(
に
)
げると
成
(
な
)
ると
疾
(
はや
)
い
事
(
こと
)
!……
卷狩
(
まきがり
)
へ
出
(
で
)
る
猪
(
ゐのしゝ
)
ですな、
踏留
(
ふみと
)
まつた
學生
(
がくせい
)
を
突退
(
つきの
)
けて、
眞暗
(
まつくら
)
三寶
(
さんばう
)
に
眞先
(
まつさき
)
へ
素飛
(
すつと
)
びました。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
巻き
飜
(
かへ
)
る波のなだりに飛ぶ珠のとどろきの泡ぞ白く競へる
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
しろがね衣
飜
(
かへ
)
して
『二十五絃』を読む
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
眼を
飜
(
かへ
)
すと喜太郎が草鞋を作つて居た
筵
(
むしろ
)
の座と、その前に据ゑた藁打臺と
藁打槌
(
わらうちづち
)
と、小さい
鉈
(
なた
)
が一梃と、それから藁の
服
(
ふく
)
を取るのに使ふ、鐵の小さい熊手
銭形平次捕物控:198 狼の牙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私
(
わたし
)
は
身
(
み
)
を
飜
(
かへ
)
して、
裏窓
(
うらまど
)
の
障子
(
しやうじ
)
を
開
(
あ
)
けた。こゝで、
一寸
(
ちよつと
)
恥
(
はぢ
)
を
言
(
い
)
はねば
理
(
り
)
の
聞
(
きこ
)
えない
迷信
(
めいしん
)
がある。
私
(
わたし
)
は
表二階
(
おもてにかい
)
の
空
(
そら
)
を
眺
(
なが
)
めて、その
足
(
あし
)
で
直
(
すぐ
)
に
裏窓
(
うらまど
)
を
覗
(
のぞ
)
くのを
不斷
(
ふだん
)
から
憚
(
はゞか
)
るのである。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
風波の穂立の迅さ
浅々
(
あさあさ
)
に見えつつは走れ白く白く
飜
(
かへ
)
る
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
右手に閃めく龕燈、そのまゝ、後ろの焔硝樽へ投げ込まうとするのを平次は得意の投げ錢、
掌
(
て
)
を宙に
飜
(
かへ
)
すと、青錢が一枚飛んで、曲者の拳をハタと打ちます。
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
暑
(
あつ
)
さに一
枚
(
まい
)
しめ
殘
(
のこ
)
した
表二階
(
おもてにかい
)
の
雨戸
(
あまど
)
の
隙間
(
すきま
)
から
覗
(
のぞ
)
くと、
大空
(
おほぞら
)
ばかりは
雲
(
くも
)
が
走
(
はし
)
つて、
白々
(
しろ/″\
)
と、
音
(
おと
)
のない
波
(
なみ
)
かと
寄
(
よ
)
せて、
通
(
とほ
)
りを
一
(
ひと
)
ツ
隔
(
へだ
)
てた、
向
(
むか
)
うの
邸
(
やしき
)
の
板塀越
(
いたべいごし
)
に、
裏葉
(
うらは
)
の
飜
(
かへ
)
つて
早
(
は
)
や
秋
(
あき
)
の
見
(
み
)
ゆる
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
朴ならむ岩石層に吹きあつる風ことごとく
光葉
(
てりは
)
飜
(
かへ
)
せり
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
外から聲をかけて、障子へ寄り添ふやうに開けると、身を
飜
(
かへ
)
して、女はスルリと入つて來ました。お粂です。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
品
(
しな
)
は
受取
(
うけと
)
つて、
青
(
あを
)
い
状袋
(
じやうぶくろ
)
の
上書
(
うはがき
)
をじつと
見
(
み
)
ながら、
片手
(
かたて
)
を
垂
(
た
)
れて
前垂
(
まへだれ
)
のさきを
抓
(
つま
)
むで
上
(
あ
)
げつゝ、
素足
(
すあし
)
に
穿
(
は
)
いた
黒緒
(
くろを
)
の
下駄
(
げた
)
を
揃
(
そろ
)
へて
立
(
た
)
つてたが、
一寸
(
ちよつと
)
飜
(
かへ
)
して、
裏
(
うら
)
の
名
(
な
)
を
讀
(
よ
)
むと、
顏
(
かほ
)
の
色
(
いろ
)
が
動
(
うご
)
いて
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
鵲は雪ふり乱る空にして色まぎれなし
飜
(
かへ
)
り
羽
(
は
)
ばたく
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
身を
飜
(
かへ
)
すとお紋は、大きい
揚羽
(
あげは
)
の
蝶
(
てふ
)
のやうに、ヒラリと襖の蔭へ隱れました。多分お勝手の指圖でせう。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
木尻座
(
きじりざ
)
の
筵
(
むしろ
)
に、ゆたかに、
角
(
かど
)
のある
小判形
(
こばんがた
)
にこしらへて
積
(
つ
)
んであつた
餅
(
もち
)
を、
一枚
(
いちまい
)
、もろ
手
(
て
)
、
前脚
(
まへあし
)
で
抱込
(
かゝへこ
)
むと、ひよいと
飜
(
かへ
)
して、
頭
(
あたま
)
に
乘
(
の
)
せて、
一
(
ひと
)
つ
輕
(
かる
)
く
蜿
(
うね
)
つて、
伸
(
の
)
びざまにもとの
障子
(
しやうじ
)
の
穴
(
あな
)
へ
消
(
き
)
える。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さと
燃
(
も
)
えあがる
間
(
ま
)
こそあれ、
飜
(
かへ
)
ると見れば
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
八五郎が追つかける
隙
(
ひま
)
もありません。權八は身を
飜
(
かへ
)
すと宵闇の中に影を隱してしまつたのです。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一
(
いち
)
が
起
(
お
)
き、
六
(
ろく
)
が
出
(
い
)
で、
三
(
さん
)
に
変
(
かは
)
り、
二
(
に
)
に
飜
(
かへ
)
り、
五
(
ご
)
が
並
(
なら
)
ぶ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
サツと身を
飜
(
かへ
)
すと、眼にも止まらぬ早業で、早くも二三人の捕方は
淺傷
(
あさで
)
を負はされた樣子。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、曲者は早くも身を
飜
(
かへ
)
して、路地の向う側へ、眞の飛鳥の如き素早さです。
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
父親にさう言はれると、梯子段の下から平次に挨拶して、お初はそろりと身を
飜
(
かへ
)
しました。ドタバタと重量的なものを感じさせない、爽やかな身輕さは、踊りに堪能なたしなみのせゐでせうか。
銭形平次捕物控:316 正月の香り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
飜
漢検1級
部首:⾶
21画
“飜”を含む語句
飜々
飜然
飜弄
飜筋斗
飜案
飜斗
飜斗返
飜訳者
飜訳
翩飜
飜意
飜譯
飜刻
飜牌
飜訳方
飜訳局
飜訳大監
飜魚
飜覆
飜躍
...