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道連
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みちづれ
ふりがな文庫
“
道連
(
みちづれ
)” の例文
或
(
ある
)
龕
(
がん
)
の中へ身を片寄せて二三
間
(
げん
)
後
(
あと
)
に成つて居る和田さんと
良人
(
をつと
)
とを待ち合せた時、幼い時に聞いた
三途
(
さんづ
)
の河の
道連
(
みちづれ
)
の話を思ひ出すのであつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
旅は
道連
(
みちづれ
)
が、
立場
(
たてば
)
でも、また並木でも、
言
(
ことば
)
を掛合う
中
(
うち
)
には、きっとこの事がなければ納まらなかったほどであったのです。
雪霊記事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かれは盗賊に殺されたのか
道連
(
みちづれ
)
に殺されたのか、それらの事情も判然しなかつたが、
彼女
(
かれ
)
のふところには
路銀
(
ろぎん
)
らしいものを
貯
(
たくわ
)
へていゐなかつたので
小夜の中山夜啼石
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
また、銘々は、自分の二人の
道連
(
みちづれ
)
の肉眼に対してと同様に、彼等の心眼に対しても、ほとんど同じくらいたくさんのものを纒って自分を隠していた。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
いつの時代でも
富豪
(
かねもち
)
といふものは、土蔵へ入る時の
外
(
ほか
)
は、秀れた芸術家と
道連
(
みちづれ
)
になるのが好きなものだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
告
(
つげ
)
て江戸屋へ
歸
(
かへ
)
り頓て其年も
暮
(
くれ
)
正月にもなり家々の年禮も
濟
(
すみ
)
しかば半四郎は幸ひ
好
(
よき
)
道連
(
みちづれ
)
なれば
當春
(
たうはる
)
は江戸表へ
出
(
いで
)
て無刀流劔術の道場を
開
(
ひら
)
かんと思ひ立當地の道場を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
伯父
(
をぢ
)
さんに
附
(
つ
)
いて
東京
(
とうきやう
)
へ
行
(
ゆ
)
く
父
(
とう
)
さんの
道連
(
みちづれ
)
には、
吉
(
きち
)
さんといふ
少年
(
せうねん
)
もありました。
吉
(
きち
)
さんはお
隣
(
とな
)
りの
大黒屋
(
だいこくや
)
の
子息
(
むすこ
)
さんで、
鐵
(
てつ
)
さんやお
勇
(
ゆう
)
さんの
兄
(
にい
)
さんに
當
(
あた
)
る
人
(
ひと
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それじゃ一緒に来いと云て、
夫
(
そ
)
れから私の荷物は同藩の人に頼んで、
道連
(
みちづれ
)
は私と岡本、もう
一人
(
ひとり
)
備中の者で
原田磊蔵
(
はらだらいぞう
)
と云う
矢張
(
やは
)
り緒方の塾生、都合三人の道中で、
勿論
(
もちろん
)
歩く。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
伊豆は天産物の豊かな上によく細かな所にまで気をつけて人々がその徳を獲ようとする、と云った数年前天城を越す時
道連
(
みちづれ
)
になった年若い県技手の話を私は端なく思い出した。
みなかみ紀行
(新字新仮名)
/
若山牧水
(著)
青年は意識が帰つて来ると、此の
苟
(
かりそめ
)
の旅の
道連
(
みちづれ
)
の親切を、しみ/″\と感じたのだらう。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
そうして
酒徒
(
しゅと
)
としての私にはやや差し障りそうな
道連
(
みちづれ
)
ではあったが時とすると
侮
(
あなど
)
り難い小さな監督者であろうも知れぬが、だが、私自身にも
寧
(
むし
)
ろ
或
(
あるい
)
はそれを望んだ心もちもあった。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
しかし今私の
道連
(
みちづれ
)
の者どもの心を動かしたのは、その木の大きさではなかった。それは、その拡がった樹蔭の下のどこかに七十万ポンドの黄金が埋めてあるということであったのだ。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
旅
(
たび
)
は
道連
(
みちづれ
)
、
世
(
よ
)
は
情
(
なさけ
)
といふが、
世
(
よ
)
は
情
(
なさけ
)
であらうと
無
(
な
)
からうと
別問題
(
べつもんだい
)
として
旅
(
たび
)
の
道連
(
みちづれ
)
は
難有
(
ありが
)
たい、マサカ
獨
(
ひと
)
りでは
喋舌
(
しやべ
)
れないが
二人
(
ふたり
)
なら
對手
(
あひて
)
が
泥棒
(
どろぼう
)
であつても
喋舌
(
しやべ
)
りながら
歩
(
ある
)
くことが
出來
(
でき
)
る。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
このズク・ニョンがある時新教派のラマと
道連
(
みちづれ
)
になったことがある。その時にズク・ニョンは
途
(
みち
)
に小さな石があるのを見て、その石をばわざわざ
避
(
よ
)
けて遠くを廻って向うの方に行ったです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「おれを引き渡すなら引渡せ。そうなりゃあ貴様も地獄の
道連
(
みちづれ
)
だぞ」
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
同じ役所に勤めているので、三度に一度位は
道連
(
みちづれ
)
になる。
あそび
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
己に
道連
(
みちづれ
)
をくれた。それがもう手放されぬ
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
旅
(
たび
)
は
道連
(
みちづれ
)
が、
立場
(
たてば
)
でも、
又
(
また
)
並木
(
なみき
)
でも、
言
(
ことば
)
を
掛合
(
かけあ
)
ふ
中
(
うち
)
には、
屹
(
きつ
)
と
此
(
こ
)
の
事
(
こと
)
がなければ
納
(
をさ
)
まらなかつたほどであつたのです。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
捨
(
すて
)
ていまだ一
面識
(
めんしき
)
ならぬ他の女と
道連
(
みちづれ
)
になり人の爲に
殺
(
ころ
)
さるゝ者が有べきやシテ梅は
如何
(
いかゞ
)
せしぞ汝公儀の役人を
僞
(
いつは
)
る
重惡者
(
ぢうあくもの
)
めと
叱
(
しか
)
られしにぞ憑司は今更
大息
(
おほいき
)
を
吐
(
つき
)
頭を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
初めて
欧羅巴
(
ヨーロッパ
)
の土を踏んだ岸本は、上陸した翌日、マルセエユの港にあるノオトル・ダムの
寺院
(
おてら
)
を指して
崖
(
がけ
)
の間の
路
(
みち
)
を上って行った。その時は一人の旅の
道連
(
みちづれ
)
があった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
青年は意識が帰って来ると、
此
(
こ
)
の
苟
(
かりそめ
)
の旅の
道連
(
みちづれ
)
の親切を、しみ/″\と感じたのだろう。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
女は教会へ
往
(
ゆ
)
くにも、地獄へ落ちるにも
好
(
い
)
い
道連
(
みちづれ
)
たるを失はない。
真実
(
ほんと
)
の事をいふと、
始終
(
しよつちゆう
)
一緒に居ても厄介なものだが、さうかと言つて、離れても居られないのが女の取柄である。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
見なさる通り、
行脚
(
あんぎゃ
)
とは言いながら、気散じの旅の面白さ。蝶々
蜻蛉
(
とんぼ
)
の
道連
(
みちづれ
)
には墨染の
法衣
(
ころも
)
の袖の、発心の涙が乾いて、おのずから
果敢
(
はか
)
ない浮世の露も忘れる。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大切に失ひ給ふなと
櫛
(
くし
)
を傳吉に
渡
(
わた
)
しお身金子なく共彼の惡者と明日一所に
道連
(
みちづれ
)
にならんこと危し今夜の八ツの
鐘
(
かね
)
を
相※
(
あひづ
)
に立ち給へとて間道を
教
(
をし
)
へて一人立せける彼金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
道連
(
みちづれ
)
は
可笑
(
をか
)
しな事を言ふとは思つたが、相手があの通りの巧者人の事なので
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
眼鏡を懸けて刀を
選出
(
えりだ
)
し、座を構え、諸肌脱ぎ、
皺腹
(
しわばら
)
に
唾
(
つば
)
をなすり、
白刃
(
しらは
)
を
逆手
(
さかて
)
に大音声、「腹を切る、止めまいぞ、邪魔する奴は
冥土
(
めいど
)
の
道連
(
みちづれ
)
、差違えるぞ、さよう心得ろ。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
破毛布
(
やぶれげっと
)
を
纏
(
まと
)
ったり、
頬被
(
ほおかぶり
)
で顔を隠したり、中には汚れた洋服を着たのなどがあった、四五人と
道連
(
みちづれ
)
になって、笑いさざめき興ずる
体
(
てい
)
で、高岡を指して峠を下りたとのことである。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
道連
(
みちづれ
)
になつた
上人
(
しやうにん
)
は、
名古屋
(
なごや
)
から
此
(
こ
)
の
越前
(
えちぜん
)
敦賀
(
つるが
)
の
旅籠屋
(
はたごや
)
に
来
(
き
)
て、
今
(
いま
)
しがた
枕
(
まくら
)
に
就
(
つ
)
いた
時
(
とき
)
まで、
私
(
わたし
)
が
知
(
し
)
つてる
限
(
かぎ
)
り
余
(
あま
)
り
仰向
(
あふむ
)
けになつたことのない、
詰
(
つま
)
り
傲然
(
がうぜん
)
として
物
(
もの
)
を
見
(
み
)
ない
質
(
たち
)
の
人物
(
じんぶつ
)
である。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
道連
(
みちづれ
)
になった
上人
(
しょうにん
)
は、名古屋からこの
越前敦賀
(
えちぜんつるが
)
の
旅籠屋
(
はたごや
)
に来て、今しがた枕に就いた時まで、
私
(
わたし
)
が知ってる限り余り
仰向
(
あおむ
)
けになったことのない、つまり
傲然
(
ごうぜん
)
として物を見ない
質
(
たち
)
の人物である。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と友達も、
吃驚
(
びっくり
)
したような顔で
眗
(
みまわ
)
すと、出口に一人、
駒下駄
(
こまげた
)
を揃えて一人、一人は日傘を開け掛けて、その辺の辻まで一所に帰る、お定まりの
道連
(
みちづれ
)
が、
斉
(
ひと
)
しく三方からお妙の顔を
瞻
(
みまも
)
って黙った。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
道
常用漢字
小2
部首:⾡
12画
連
常用漢字
小4
部首:⾡
10画
“道”で始まる語句
道
道理
道程
道化
道傍
道具
道行
道路
道中
道端