農夫のうふ)” の例文
むかしひとは、今日こんにち田舍ゐなかきこり農夫のうふやまときに、かまをのこしけてゐるように、きっとなに刃物はものつてゐたものとおもひます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
○こゝに我が魚沼郡うをぬまごほり藪上やぶかみの庄の村より農夫のうふ一人柏崎かしはざきえきにいたる、此路程みちのり五里ばかりなり。途中にて一人の苧纑商人をがせあきびとひ、路伴みちづれになりてゆきけり。
赤シャツの農夫のうふはだまって針をにらみつけました。二人のばたの百姓ひゃくしょうたちは、それを見てまた面白おもしろそうにわらったのです。
耕耘部の時計 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
学者という者は、こんなにごうまんなものであって、農夫のうふ炭焼すみやきなどを相手にしないものだと、昔からのいいつたえで、そう思っていたのだ。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
其後そのあと自轉車隊じてんしやたいて、居合ゐあはせた農夫のうふに、二人連ふたりづれの、人相にんさうわる男子をとこが、此邊このへんをうろ/\してなかつたかとうてると、農夫のうふすこぶふるつたこたへをした。
デミトリチのひだりほうとなりは、猶太人ジウのモイセイカであるが、みぎほうにいるものは、まるきり意味いみかおをしている、油切あぶらぎって、真円まんまる農夫のうふうから、思慮しりょも、感覚かんかく皆無かいむになって
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
農夫のうふはたけにきてみたら、おほきな土鼠もぐらがまんまと捕鼠器ほそきかゝつてゐました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
じつは、少年せうねんともに、たゞ一口ひとくちに、堪難たえがた空腹くうふく滿みたしたきは山々やま/\だが、てよ、いまこのちいさいうをを、周章あはてゝたいらげたとてなにになる、農夫のうふ如何いかうゑても、一合いちごうむぎはずにいて一年いちねんはかりごとをする
それから歩を返えして、利別としべつ川辺かわべ模範もはん農夫のうふの宮崎君を訪う。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
○こゝに我が魚沼郡うをぬまごほり藪上やぶかみの庄の村より農夫のうふ一人柏崎かしはざきえきにいたる、此路程みちのり五里ばかりなり。途中にて一人の苧纑商人をがせあきびとひ、路伴みちづれになりてゆきけり。
今朝けさ来たばかりの赤シャツの農夫のうふは、シャベルで落ちて来る穀粒をしゃくってむこうにげ出していました。それはもう黄いろの小山を作っていたのです。
耕耘部の時計 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ふとつた農夫のうふと、郵便局員いうびんきよくゐんとはねむつてゐて、六號室がうしつうちげきとしてしづかであつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
はたなかで一農夫のうふつた。
ここすむ近在きんざい后谷村ごやむらといふあり。此村の弥左ヱ門といふ農夫のうふおいたる双親ふたおや年頃としごろのねがひにまかせ、秋のはじめ信州善光寺へ参詣さんけいさせけり。
ふとった農夫のうふと、郵便局員ゆうびんきょくいんとはねむっていて、六号室ごうしつうちげきとしてしずかであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
赤シャツの農夫のうふは馬に近よってくび平手ひらてたたこうとしました。
耕耘部の時計 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ここすむ近在きんざい后谷村ごやむらといふあり。此村の弥左ヱ門といふ農夫のうふおいたる双親ふたおや年頃としごろのねがひにまかせ、秋のはじめ信州善光寺へ参詣さんけいさせけり。
ぴきいぬえながらかれふ。うしろはうでは農夫のうふさけぶ。イワン、デミトリチは兩耳りやうみゝがガンとして、世界中せかいぢゆうあらゆる壓制あつせいが、いまかれ背後うしろせまつて、自分じぶん追駈おひかけてたかのやうにおもはれた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
その色青みありて黒く甚だなめらかなり、農夫のうふこれをもつてわらをうつばんとなす、其夜妻にはいでしに燦然さんぜんとして光る物あり、妻妖怪ばけものなりとしておどろきさけぶ
あさには患者等くわんじやらは、中風患者ちゆうぶくわんじやと、油切あぶらぎつた農夫のうふとのほかみんな玄關げんくわんつて、一つ大盥おほだらひかほあらひ、病院服びやうゐんふくすそき、ニキタが本院ほんゐんからはこんでる、一ぱいさだめられたるちやすゞうつはすゝるのである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
その色青みありて黒く甚だなめらかなり、農夫のうふこれをもつてわらをうつばんとなす、其夜妻にはいでしに燦然さんぜんとして光る物あり、妻妖怪ばけものなりとしておどろきさけぶ
ぴきいぬえながらかれう。うしろほうでは農夫のうふさけぶ。イワン、デミトリチは両耳りょうみみがガンとして、世界中せかいじゅうのあらゆる圧制あっせいが、いまかれ背後うしろせまって、自分じぶん追駈おいかけてたかのようにおもわれた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)