“日々(ひゞ)” の例文
次(つぎ)に著意(ちやくい)して道(みち)を求(もと)める人(ひと)がある。專念(せんねん)に道(みち)を求(もと)めて、萬事(ばんじ)を抛(なげう)つこともあれば、日々(ひゞ)の務(つとめ)は怠(おこた)らずに、斷(た)えず道(みち)に志(こゝろざ)してゐることもある。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
これは吾人(ごじん)が日々(ひゞ)の會話(くわいわ)や新聞(しんぶん)などにも無數(むすう)に發見(はつけん)するが、例(たと)へば、近(ちか)ごろ何々日といふ代(か)はりに何々デーといふ惡習(あくしふ)が一部(ぶ)に行(おこな)はれてゐる。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
事ともせず日々(ひゞ)加古川の渡守(わたしもり)して貧(まづ)しき中にも母に孝養怠らざりし其内老母は風の心地とて臥(ふし)ければ兵助は家業(かげふ)を休(やす)み母の傍(かたは)らを離(はなれ)ず藥用も手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すゝめもなさず去(さ)るものは日々(ひゞ)に疎(うと)しの俚諺(ことわざ)もあり日(ひ)をだに經(ふ)れば芳之助(よしのすけ)を追慕(つゐぼ)の念(ねん)も薄(うす)らぐは必定(ひつぢやう)なるべし心(こゝろ)ながく時(とき)を
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
千九百六年(せんくひやくろくねん)のヴェスヴィオ噴火(ふんか)については、初日(しよにち)から八日目(やうかめ)に至(いた)るまでに噴出(ふんしゆつ)した火山灰(かざんばひ)を日々(ひゞ)の順序(じゆんじよ)に竝(なら)べ、これを硝子管(がらすくだ)につめて發賣(はつばい)してゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
子(こ)ども達(たち)をおもひ且(か)つ愛(あい)することに依(よつ)て、わたしはわたしの此(こ)の苦惱(くるしみ)にみちみてる生涯(しやうがい)を純(きよ)く、そして美(うつく)しい日々(ひゞ)として過(すご)すでせう。これは大(おほ)きな感謝(かんしや)であります。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
そこで彼(か)の權官(けんくわん)は首尾(しゆび)よく天下(てんか)の名石(めいせき)を奪(うば)ひ得(え)てこれを案頭(あんとう)に置(おい)て日々(ひゞ)眺(なが)めて居たけれども、噂(うはさ)に聞(き)きし靈妙(れいめう)の働(はたらき)は少しも見せず、雲の湧(わく)などいふ不思議(ふしぎ)を示(しめ)さないので、何時(いつ)しか石のことは打忘(うちわす)れ
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
總(すべ)て肌着(はだぎ)は日々(ひゞ)洗(あら)ひ、夜着(よぎ)は六七日(にち)毎(ごと)に干(ほ)すべき事(こと)。
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
勿論(もちろん)書(しよ)を讀(よ)んで深(ふか)く考(かんが)へたら、道(みち)に到達(たうたつ)せずにはゐられまい。しかしさうまで考(かんが)へないでも、日々(ひゞ)の務(つとめ)だけは辨(べん)じて行(ゆ)かれよう。これは全(まつた)く無頓著(むとんちやく)な人(ひと)である。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
お町(まち)は高笑(たかわら)ひするやうに成(な)りて、時(とき)は新玉(あらたま)の春(はる)に成(な)りぬ、お美尾(みを)は日々(ひゞ)に安(やす)からぬ面(おも)もち、折(をり)には涕(なみだ)にくるゝ事(こと)もあるを、血(ち)の道(みち)の故(せい)と自身(みづから)いへば、與(よ)四郎(らう)は左(さ)のみに物(もの)も疑(うたが)はず
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
持(もち)呉服物(ごふくもの)を商(あきな)ひ日々(ひゞ)繁昌(はんじやう)なすに近頃(ちかごろ)其向(そのむかう)へ見世開(みせびら)きをなして小切(こぎれ)太物(ふともの)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
儒學(じゆがく)に入(い)つても、道教(だうけう)に入(い)つても、佛法(ぶつぱふ)に入(い)つても基督教(クリストけう)に入(い)つても同(おな)じ事(こと)である。かう云(い)ふ人(ひと)が深(ふか)く這入(はひ)り込(こ)むと日々(ひゞ)の務(つとめ)が即(すなは)ち道(みち)そのものになつてしまふ。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
懸(かけ)其日は入牢とぞ相なりける其後松坂町郡代の牢屋敷(らうやしき)に於て無殘(むざん)成かな富右衞門は日々(ひゞ)手強(てづよ)き拷問に掛り今は五體(たい)悉々(こと/″\)く弱(よわ)り果(はて)物も咽(のんど)を下(くだ)すこと能はず一命既に朝夕(てうせき)に迫(せま)るに付富右衞門倩々(つく/″\)來方(こしかた)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
踊(おど)りに妙(みやう)を得(ゑ)し雪(ゆき)といふ美形(びけい)、唯今(たゞいま)のお座敷(ざしき)にてお米(こめ)のなります木(き)はと至極(しごく)あどけなき事(こと)は申(まをす)とも、もとは此所(こゝ)の卷帶黨(まきおびづれ)にて花(はな)がるたの内職(ないしよく)せしものなり、評判(ひやうばん)は其頃(そのころ)に高(たか)く去(さ)るもの日々(ひゞ)に踈(うと)ければ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)