御案内ごあんない)” の例文
えゝ、一寸ちよいと引合ひきあはせまをしまする。このをとこの、明日みやうにち双六谷すごろくだに途中とちゆうまで御案内ごあんないしまするで。さあ、ぬし、お知己ちかづきつてけや。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「はゝあ。寒山かんざんてをられますか。それはねがつてもことです。どうぞ御苦勞ごくらうついでくりや御案内ごあんないねがひませう。」
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
さあ、これからわたくしどもがこの山の御案内ごあんないをいたしますから、どうぞあのおに退治たいじして、わたくしどものかたきをいっしょにっていただきとうございます。
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そのたまのように、かゞやいていらつしやるうつくしいお客樣きやくさまを、どうぞうちらへ、と御案内ごあんないまをげてくれ。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
これ皆様みなさま御案内ごあんないのことでござりますが、其時そのとき豊公ほうこう御寵愛ごちようあいかうむりました、鞘師さやし曾呂利新左衛門そろりしんざゑもんといふ人が、此事このこといて、わたくしも一つやつて見たうござる、とふので
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
『サア、これから獅子狩しゝがりだ/\。』といさみすゝめるのを、わたくしやうやくこと押止おしとめたが、しからばこのしま御案内ごあんないをといふので、それから、やまだの、かはだの、たにそこだの、深林しんりんなかだの
使者の間へ通すべしと申渡せば戸村とむらは中の口へ來り平石に向ひいざ御案内ごあんない申すべしと先にたち使者の間の次へ來る時戸村は御使者には御帶劔ごたいけんを御預り申さんといふ平石次右衞門脇差わきざし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とらへて引立ひきたつるにらばまゐるべしおはなしなされ大方おほかた人違ひとちがひとおもへどおにかゝりしうへならではおうたががたからん御案内ごあんないたのまをすと明瞭めいれうこたへながらこゝろうち依然いぜん濛々漠々まう/\ばく/\
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
御室おへや御案内ごあんないしませう」とつてがつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これから 市街しがい御案内ごあんないいたしませう
したがつて、洲崎すさきだの、仲町なかちやうだの、諸入費しよにふひかる場所ばしよへは、ひて御案内ごあんないまをさないから、讀者どくしや安心あんしんをなすつてよい。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「では御案内ごあんないをいたしましょう。どうかごくろうでも、みずうみそこわたくしまいまでおくださいまし。」
田原藤太 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「そんなら御苦勞ごくらうながら、そこへ御案内ごあんないねがひませう。」かうつて、りよつた。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
此処こゝ御案内ごあんないとほ古器物こきぶつ骨董こつとう書画類しよぐわるゐあきなかた中々なか/\面白おもしろい人でございます。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
かけ貴殿きでんには何人にていづれへ通り給ふや當時たうじ本堂は將軍しやうぐん若君わかぎみ天一坊樣の御座所ござしよと相成り我々晝夜相詰まかりありととがむれば浪人は拙者せつしやは當院の住職ぢうしよく天忠和尚の許へ相通る者なりと答ふ然ば暫時ざんじ此處に御休息ごきうそくあるべし其段そのだん拙者共より方丈はうぢやうへ申通じうかゞひし上にて御案内ごあんないせんといふに彼浪人も夫はもつともの事なりと自分じぶんも番所へ上れば番人は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さがすとります。……昨日きのふ鐵砲打てつぱううち旦那だんなに、わしがへい、おともで、御案内ごあんないでへい、立派りつぱたせましたので。」
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
エヽいてります…おくの二番へ御案内ごあんないまうしなよ。客「エヽ此莨入このたばこいれ他人ひとからの預物あづかりものですから其方そつちへおあづかりなすつて、それから懐中ふところちつとばかり金子かねがありますが、これも一しよにおあづかりなすつて。 ...
(和)茗荷 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
(さあ、それでは御案内ごあんないまをしませう、どれ、丁度ちやうどわたしこめぎにまゐります。)とくだんをけ小脇こわきかゝへて、椽側えんがはから、藁草履わらぞうり穿いてたが、かゞんで板椽いたえんしたのぞいて、引出ひきだしたのは一そく古下駄ふるげた
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一所いつしよにおいでなさい、御案内ごあんないまをしませうから。」
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)