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張
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ぱり
ふりがな文庫
“
張
(
ぱり
)” の例文
そう幾つも手が有りませんと、強情ッ
張
(
ぱり
)
の
婆
(
ばゝあ
)
だ……さ此方へ………お変りもございませんで……御難渋の事で、
予
(
かね
)
て承わって居りますが
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おい
昨夜
(
ゆうべ
)
枕元
(
まくらもと
)
で
大
(
おほ
)
きな
音
(
おと
)
がしたのは
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱり
)
夢
(
ゆめ
)
ぢやなかつたんだ。
泥棒
(
どろぼう
)
だよ。
泥棒
(
どろぼう
)
が
坂井
(
さかゐ
)
さんの
崖
(
がけ
)
の
上
(
うへ
)
から
宅
(
うち
)
の
庭
(
には
)
へ
飛
(
と
)
び
下
(
お
)
りた
音
(
おと
)
だ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
矢
(
や
)
っ
張
(
ぱり
)
お玉の方が別品だなと思うと同時に、心に愉快と満足とを覚えて、暫く足を橋の上に
駐
(
と
)
めて、芸者の
後影
(
うしろかげ
)
を見送った。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
紳士が
稍
(
やゝ
)
反身
(
そりみ
)
になつて
卓子
(
テーブル
)
の前の椅子に腰をおろすと、鵞鳥のやうに白い
上
(
うは
)
つ
張
(
ぱり
)
を着た給仕人がやつて来て註文を聞いた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其
(
そ
)
れの
徳義
(
とくぎ
)
は——「
廋
(
かく
)
すより
露
(
あら
)
はるゝはなし」——
尚
(
な
)
ほ
言
(
い
)
ひ
換
(
か
)
へれば——「
外見
(
ぐわいけん
)
を
飾
(
かざ
)
るな、
幾
(
いく
)
ら
體裁
(
ていさい
)
ばかり
繕
(
つくろ
)
つても
駄目
(
だめ
)
だ、
蛙
(
かはづ
)
の
子
(
こ
)
は
矢
(
や
)
ツ
張
(
ぱり
)
蛙
(
かはづ
)
さ」
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
『はてさて、
妙
(
めう
)
だぞ、あれは
矢
(
や
)
ツ
張
(
ぱり
)
滊船
(
きせん
)
だわい、して
見
(
み
)
ると
今月
(
こんげつ
)
の
航海表
(
かうかいへう
)
に
錯誤
(
まちがい
)
があつたのかしらん。』と
言
(
い
)
ひつゝ、
仰
(
あほ
)
いで
星影
(
ほしかげ
)
淡
(
あは
)
き
大空
(
おほぞら
)
を
眺
(
なが
)
めたが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼は瑠璃子が準備をし始めると、自分も一緒に行くのだと云つて、父の大きいトランクを引つ
張
(
ぱり
)
出して来て、自分の着物や持物を目茶苦茶に詰め込んだ。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
この辺の、のでん賭博というのは、数人寄って
賽
(
さい
)
を転がしている
鼻
(
はな
)
ッ
張
(
ぱり
)
が、田舎者を釣りよせては巻き上げるのですが、賭博場の景物には、皆春画を並べてある。
江戸か東京か
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
負け嫌いの
意地
(
いじ
)
ッ
張
(
ぱり
)
がこんな処に現われるので、心からの頭の低い如才ない人では決してなかった。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
周三が思つてゐたよりも
無邪氣
(
むじやき
)
で、また思ツたよりも淺い女らしい。たゞ些と輕い熱情のあるのが取得と謂えば取得だが、それとても
所謂
(
いわゆる
)
鼻
(
はな
)
ツ
張
(
ぱり
)
が強いといふ意味に過ぎぬ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
彼等はどうかすると、
鼻
(
はな
)
ッ
張
(
ぱり
)
の強い女主人から頭ごなしに
呶鳴
(
どな
)
りつけられて、ちりちりするような事があったが、思いがけない気前を見せられることも、
希
(
めず
)
らしくなかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
あれも
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱり
)
いたづら
者
(
もの
)
と
烟管
(
きせる
)
を
置
(
お
)
いて
立
(
たち
)
あがる、
女猫
(
めねこ
)
よびにと
雪灯
(
ぼんぼり
)
に
火
(
ひ
)
を
移
(
うつ
)
し
平常着
(
ふだんぎ
)
の八
丈
(
ぢよう
)
の
書生羽織
(
しよせいばをり
)
しどけなく
引
(
ひき
)
かけて、
腰引
(
こしひき
)
ゆへる
縮緬
(
ちりめん
)
の、
淺黄
(
あさぎ
)
はことに
美
(
うつ
)
くしく
見
(
み
)
えぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
女房はもう黒いうわっ
張
(
ぱり
)
を着て、
長火鉢
(
ながひばち
)
には
鉄瓶
(
てつびん
)
をたぎらしてあった。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「おや、相手が行ってしまってから、とんでもない鼻ッ
張
(
ぱり
)
だ」
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
灯
(
あかり
)
を見せてあげようね、宵ッ
張
(
ぱり
)
たらないのだもの。」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
でも、
矢
(
や
)
っ
張
(
ぱり
)
、わたしにはその町々がなつかしい……
雷門以北
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
彼は瑠璃子が準備をし始めると、自分も一緒に行くのだと云って、父の大きいトランクを引っ
張
(
ぱり
)
出して来て、自分の着物や持物を
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
に詰め込んだ。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
けれども僕位世の
中
(
なか
)
に
住
(
す
)
み
古
(
ふ
)
るした年配の人間なら、あの記事を見て、すぐ事実だと思ひ込む
人許
(
ひとばかり
)
もないから、
矢
(
や
)
っ
張
(
ぱり
)
若い人程正直に迷惑とは感じない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
で、白い切り立ての
紗
(
しや
)
で特別仕立の
上
(
うは
)
つ
張
(
ぱり
)
のやうなものを
拵
(
こしら
)
へ、それを着込んでにこにこもので王献之の
許
(
とこ
)
へ着て往つた。王献之は
熟々
(
つく/″\
)
それを見てゐたが
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
こうしてゆっくり考えて見てさえ、なんと云って
好
(
い
)
いか分からないのだもの。いやいや。こんな事を思うのは
矢
(
や
)
っ
張
(
ぱり
)
わたしが馬鹿なのだ。声なんぞを掛けるには及ばない。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
本當
(
ほんとう
)
に
身體
(
からだ
)
を
厭
(
いと
)
はねばいけませぬぞえ、
此前
(
このまへ
)
に
居
(
ゐ
)
た
原田
(
はらだ
)
といふ
勉強
(
べんきよう
)
ものが
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱり
)
お
前
(
まへ
)
の
通
(
とほ
)
り
明
(
あ
)
けても
暮
(
く
)
れても
紙魚
(
しみ
)
のやうで、
遊
(
あそ
)
びにも
行
(
ゆ
)
かなければ、
寄席
(
よせ
)
一つ
聞
(
き
)
かうでもなしに
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これでは
全
(
まつた
)
く
證人
(
しようにん
)
の
元氣
(
げんき
)
づかう
筈
(
はづ
)
がありませんでした、
矢
(
や
)
ッ
張
(
ぱり
)
ぶる/\
顫
(
ふる
)
へながら、
氣遣
(
きづか
)
はしげに
女王樣
(
ぢよわうさま
)
の
方
(
はう
)
を
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
ましたが、やがて
無我夢中
(
むがむちゆう
)
で、
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
た
茶腕
(
ちやわん
)
を
牛酪麭麺
(
バターぱん
)
と
間違
(
まちが
)
へて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
よく云えば執着がなくて、
心機
(
しんき
)
がむやみに転ずるのだろうが、これを俗語に翻訳してやさしく云えば奥行のない、
薄
(
うす
)
っ
片
(
ぺら
)
の、
鼻
(
はな
)
っ
張
(
ぱり
)
だけ強いだだっ子である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蕪村の
画
(
ゑ
)
の門人に
田原
(
たはら
)
慶作といふ男がある。ある日日の
暮
(
く
)
れ
方
(
がた
)
に師匠を訪ねると、蕪村の
家
(
うち
)
では戸を締め切つてゐる。
宵
(
よひ
)
つ
張
(
ぱり
)
の師匠だのに、今日に限つて早寝だなと慶作は思つた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
こっちもぼんやりしていたが、岡田も
矢
(
や
)
っ
張
(
ぱり
)
ぼんやりしていたようだ。何か考え込んでいたのではあるまいか。こう思うと同時に、岡田がどんな顔をしているか見たいような気がした。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
是は
屹度
(
きつと
)
別の音が
大根卸
(
だいこおろし
)
の樣に自分に聞えるのに極つてゐると、すぐ心の
裡
(
うち
)
で覺つたやうなものゝ、
偖
(
さて
)
それなら果して何處から何うして出るのだらうと考へると
矢
(
や
)
ツ
張
(
ぱり
)
分らない。
変な音
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、
擬
(
じつ
)
と
横
(
よこ
)
つ
腹
(
ぱら
)
を押へてみたが、
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱり
)
可笑しくて堪らなかつた。新聞で見ると、国民党の犬養さんも吹き出したさうだし、京都大学の織田博士も笑つてゐる。真面目な
仁保
(
にほ
)
博士などは
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
こゝ五六年も経つと、山は
悉皆
(
しつかい
)
がらん堂になつてしまふかも知れない、それには今迄のやうに宝物を物の判らない、
慾
(
よく
)
つ
張
(
ぱり
)
の
僧侶
(
ばうず
)
に
委
(
まか
)
せて置いては安心が出来ない、
何
(
なん
)
でも博物館を一つ拵へて
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱり
)
果樹園の方が
好
(
い
)
いやうだ、
妓
(
をんな
)
は
喧
(
やかま
)
しくつてね……
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“張(張(姓))”の解説
張(ちょう)は、漢姓の一つ。中華圏で多い姓の1つである。
(出典:Wikipedia)
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“張”を含む語句
矢張
引張
緊張
出張
突張
威張
誇張
見張
硝子張
鯱張
頬張
張合
薩張
葭簀張
大威張
縄張
主張
高張提灯
弓張提灯
繩張
...