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工夫
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こうふ
ふりがな文庫
“
工夫
(
こうふ
)” の例文
彼はいきなり、電燈
工夫
(
こうふ
)
の様に、その幹へ這い上った。全身汗びっしょりになって、やっと、窓と同じ高さの枝に達することが出来た。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「
伊佐戸
(
いさど
)
の町の、電気
工夫
(
こうふ
)
の
童
(
わらす
)
ぁ、山男に手足ぃ
縛
(
しば
)
らえてたふうだ。」といつか
誰
(
だれ
)
かの話した語が、はっきり耳に聞えて来ます。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
現にバッグの話によれば、ある若い道路
工夫
(
こうふ
)
などはやはり偶然この国へ来た
後
(
のち
)
、
雌
(
めす
)
の河童を妻にめとり、死ぬまで住んでいたということです。
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
工夫
(
こうふ
)
の一人が、
博士
(
はくし
)
の上になっている透明人間のせなかを、シャベルでなぐりつけた。手ごたえがあった。また、なぐった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
道
(
みち
)
のかたわらに、
小学生
(
しょうがくせい
)
のかぶる
帽子
(
ぼうし
)
が、
捨
(
す
)
てられて
落
(
お
)
ちていました。そこへ、
帽子
(
ぼうし
)
を
持
(
も
)
たない
工夫
(
こうふ
)
が
通
(
とお
)
りかかって、その
帽子
(
ぼうし
)
を
見
(
み
)
つけました。
頭をはなれた帽子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
鉄道
工廠
(
こうしよう
)
の住宅地域! 二階建ての長屋の窓から、
工夫
(
こうふ
)
のおかみさんが怒鳴つてゐる。
亭主
(
ていしゆ
)
は駅の構内で働らいてゐて、真黒の石炭がらを積みあげてゐる。
田舎の時計他十二篇
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
岩と岩との間は飛んで渡るより他はない、二人は蛇のような
山蔦
(
やまづた
)
の太い
蔓
(
つる
)
に
縋
(
すが
)
って、
宛
(
さなが
)
ら架空線を
修繕
(
しゅぜん
)
する
工夫
(
こうふ
)
のように、宙にぶら
下
(
さが
)
りながら通り越した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
こんな時こそ三十六計の奥の手を出して一散に駆け出し、危うく吾妻川の
河底
(
かてい
)
へ生埋めになる急場を辛くも通り過ぎ、四人相顧みて
工夫
(
こうふ
)
の猛悪なるに驚ろく。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
工夫
(
こうふ
)
が夜、道具を入れて保管しておく縦六フィート横三フィートばかりの大きな箱をよく見かけた。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
嘗
(
かつ
)
て
此
(
こ
)
の
隧道
(
トンネル
)
を
穿
(
うが
)
ちし
時
(
とき
)
、
工夫
(
こうふ
)
が
鶴觜
(
つるはし
)
、
爆裂彈
(
ばくれつだん
)
の
殘虐
(
ざんぎやく
)
に
掛
(
かゝ
)
つた、
弱
(
よわ
)
き
棲主
(
ぬし
)
たちの
幻
(
まぼろし
)
ならずや。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その
外
(
はず
)
れの一軒に電力会社
工夫
(
こうふ
)
詰所
(
つめしょ
)
と書いた札が出ていた。森君はその中にはいって行った。中には恐い顔をした工夫が二三人いたが、森君は平気だった。森君は全く勇敢だ。
贋紙幣事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
深夜一時、かすかに
工夫
(
こうふ
)
の夜業の音が聞える。雨中、無言の労働である。シャベルと砂利の音だけが、規則正しく聞えて来るのだ。かけ声ひとつ聞えない。あすは、姉さんの結婚式だ。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
わたしたちはどの
坑道
(
こうどう
)
から
工夫
(
こうふ
)
たちが出て来るか教えてもらった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
イギリスの
工夫
(
こうふ
)
が歌ふ
唄
(
うた
)
は物哀れに此の神秘の空に消えて行く。
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
風
(
かぜ
)
がないせいか、
高
(
たか
)
く
上
(
あ
)
がっているたこがありません。そして、
工夫
(
こうふ
)
たちも、
今日
(
きょう
)
は
仕事
(
しごと
)
が
休
(
やす
)
みなのか、
地平機
(
じならしき
)
が
投
(
な
)
げ
出
(
だ
)
されたままになっています。
とびよ鳴け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
僕は半裸体の
工夫
(
こうふ
)
が
一人
(
ひとり
)
、汗に体を輝かせながら、シヤベルを動かしてゐるのを見、本所全体もこの工夫のやうに烈しい生活をしてゐることを感じた。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さけびながら博士は、町の大通りを、
鉄道馬車
(
てつどうばしゃ
)
の
駅
(
えき
)
のほうへ走った。駅の前に広場がある。その広場には砂利の山があり、シャベルを持った
工夫
(
こうふ
)
がはたらいていた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
「この屋根じゃ、どうも逃げられ相もないな。それに、すぐ下の線路に、多勢
工夫
(
こうふ
)
がいるんだし」
鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
外では、
工夫
(
こうふ
)
の夜業がはじまった。考えてみれば、夜の十時から朝の六時頃まで、毎日のようにやっている。約八時間の激しい労働である。エッサエッサと掛け声をかけてやっている。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
大原という処は
鬼怒
(
きぬ
)
水電工事の中心である。ために
入込
(
はいりこ
)
んでいる
工夫
(
こうふ
)
の数は三千人程あるという話だ。山間の
僻地
(
へきち
)
の割には景気がいいらしい。
商賈
(
しょうこ
)
もドシドシ建つようだし、人間の往来も多い。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
人は漠然と、もしかれらがこの株式組織と
工夫
(
こうふ
)
の鋤との活動を長くつづけてさえいけば、いつかは誰も彼も、またたくまに、無料で、どこかに乗って往けるようになるだろう、などと考えている。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
そこには
幾
(
いく
)
百
人
(
にん
)
の
土方
(
どかた
)
や
工夫
(
こうふ
)
が
入
(
はい
)
っていて、
昔
(
むかし
)
からの
大木
(
たいぼく
)
をきり
倒
(
たお
)
し、みごとな
石
(
いし
)
をダイナマイトで
打
(
う
)
ち
砕
(
くだ
)
いて、その
後
(
あと
)
から
鉄道
(
てつどう
)
を
敷
(
し
)
いておりました。
眠い町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こちら側のシグナルの柱の下には鉄道
工夫
(
こうふ
)
が二三人、小さい
焚火
(
たきび
)
を
囲
(
かこ
)
んでいた。黄いろい
炎
(
ほのお
)
をあげた焚火は光も煙も放たなかった。それだけにいかにも寒そうだった。
寒さ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▲薄気味悪き
工夫
(
こうふ
)
殿
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
子供
(
こども
)
は、さっそく、その
長
(
なが
)
ぐつを
拾
(
ひろ
)
ってはいたのであります。それは、
多分
(
たぶん
)
、
工夫
(
こうふ
)
かだれかがはいて、もう
古
(
ふる
)
くなって
破
(
やぶ
)
れたので
捨
(
す
)
てたものと
思
(
おも
)
われます。
長ぐつの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
工夫
(
こうふ
)
は、
野原
(
のはら
)
の
中
(
なか
)
に
立
(
た
)
っている、
電信柱
(
でんしんばしら
)
の
上
(
うえ
)
で
仕事
(
しごと
)
をしていました。
故障
(
こしょう
)
のある
箇所
(
かしょ
)
を
修繕
(
しゅうぜん
)
したのです。
頭をはなれた帽子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
たとえ、
気味
(
きみ
)
の
悪
(
わる
)
い、
冷
(
つめ
)
たい
風
(
かぜ
)
が、いつか
彼
(
かれ
)
に
対
(
たい
)
しても、すべてのものの
終滅
(
しゅうめつ
)
を
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
させるように、
顔
(
かお
)
をなでていったけれど、
工夫
(
こうふ
)
には、
気
(
き
)
づかないことでした。
老工夫と電灯:――大人の童話――
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
山
(
やま
)
を一つ
越
(
こ
)
すと、すでに
桜
(
さくら
)
の
花
(
はな
)
は
満開
(
まんかい
)
でした。ある
小
(
ちい
)
さな
駅
(
えき
)
にさしかかる
前
(
まえ
)
、
桜
(
さくら
)
の
木
(
き
)
のある
土手
(
どて
)
で四、五
人
(
にん
)
の
工夫
(
こうふ
)
が、
並
(
なら
)
んでつるはしを
振
(
ふ
)
り
上
(
あ
)
げて
線路
(
せんろ
)
を
直
(
なお
)
していました。
汽車は走る
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
後
(
ご
)
、
三郎
(
さぶろう
)
も、
犬
(
いぬ
)
も、
工夫
(
こうふ
)
も、そして、
電信柱
(
でんしんばしら
)
も、この
帽子
(
ぼうし
)
の
行方
(
ゆくえ
)
について
知
(
し
)
ることができなかった。ただひとり、
月
(
つき
)
だけは、
世界
(
せかい
)
じゅうを
旅
(
たび
)
しますので、それを
知
(
し
)
りました。
頭をはなれた帽子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
年
(
とし
)
とった
工夫
(
こうふ
)
が、うつむきながら、
線路
(
せんろ
)
に
添
(
そ
)
うて
歩
(
ある
)
いていました。
若
(
わか
)
い
時分
(
じぶん
)
から、
今日
(
こんにち
)
にいたるまで
働
(
はたら
)
きつづけたのです。
元気
(
げんき
)
で、よく
肥
(
ふと
)
っていた
体
(
からだ
)
は、だんだんやせてきました。
老工夫と電灯:――大人の童話――
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ひじょうに
長
(
なが
)
くもなかったから、
彼
(
かれ
)
は、このトンネルを、あちらに
抜
(
ぬ
)
けようとしていたのであります。
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
を
歩
(
ある
)
いてきた
工夫
(
こうふ
)
は、一つの
電燈
(
でんとう
)
の
下
(
した
)
にくると、
歩
(
あゆ
)
みを
止
(
と
)
めたのでした。
老工夫と電灯:――大人の童話――
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
西山
(
にしやま
)
は、一
同
(
どう
)
を
野中
(
のなか
)
の
河普請場
(
かわぶしんば
)
へ
案内
(
あんない
)
しました。
工事
(
こうじ
)
はなかなかの
大仕掛
(
おおじか
)
けでした。
河水
(
かすい
)
をふさいで、
工夫
(
こうふ
)
たちは、
河底
(
かわぞこ
)
をさらっていました。
細
(
ほそ
)
いレールが、
岸
(
きし
)
に
添
(
そ
)
って、
長
(
なが
)
く、
長
(
なが
)
くつづいています。
白い雲
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
行方
(
ゆくえ
)
は
光
(
ひか
)
った
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
の
中
(
なか
)
に
没
(
ぼっ
)
していました。
工事場
(
こうじば
)
の
付近
(
ふきん
)
には、
石
(
いし
)
の
破片
(
はへん
)
や、
小砂利
(
こじゃり
)
や、
材木
(
ざいもく
)
などが
積
(
つ
)
んでありました。また、ほかの
工夫
(
こうふ
)
たちは、
重
(
おも
)
い
鉄槌
(
てっつい
)
で、
材木
(
ざいもく
)
を
川
(
かわ
)
の
中
(
なか
)
へ
打
(
う
)
ち
込
(
こ
)
んでいます。
白い雲
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
工
常用漢字
小2
部首:⼯
3画
夫
常用漢字
小4
部首:⼤
4画
“工夫”で始まる語句
工夫体
工夫等
工夫坐禅
工夫に富める紳士
工夫に富んだ紳士