天使てんし)” の例文
その人は天使てんしにちがいないと思いましたので、わたくしはおそろしくなって、たずねもいたさず、人もよばなかったのでございます。
こうなると、図にのった悪魔のでしどもは、天までものぼっていって、天使てんしたちや神さままで、わらいぐさにしようとおもいました。
「どうぞ、おかあさま、わたしを一下界げかいへやってくださいまし。」と、幾度いくたびとなく、そのちいさな天使てんし一人ひとりは、おかあさまにたのみました。
海からきた使い (新字新仮名) / 小川未明(著)
バル すれば、何事なにごと大事だいじござりませぬ、ひいさまは御安穩ごあんのんにカピューレット代々だい/\のお墓所はかどころにおやすみ、ちぬ靈魂みたま天使てんしがたと一しょにござります。
この街中まちなかにある藤井病院の産室で、死んだようにぐったりと眠っているお母さんの横に小さい蒲団ふとんが敷いてあって、そこに天使てんしのような小さな赤ん坊が
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
無意むい無心むしんなる幼童えうどう天使てんしなりとかや。げにもさきに童謠どうえうありてより(おう)のきたるに一月ひとつきかざりし。しかるにいま此歌このうた稀々まれ/\になりて、さらにまた奇異きいなるうた
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それが今、のこらずここに集まって、みんな天使てんしのように、エスさまのところであそんでいる。
西洋せいようひともう天使てんし——あれにはいろいろ等差とうさがあり、たまには高級こうきゅう自然霊しぜんれいしている場合ばあいもありますが、しかしちょいちょい病床びょうしょうあらわれたとか、画家えかきうつったとかいうのは
西洋の文学にも女といえばただちに天使てんしと同一視する例も少なしとせぬ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
悪魔あくま天使てんし
そして、その天使てんしあおそらとをむすびつけてかんがえると、うつくしい、また愉快ゆかいないろいろな空想くうそうが、ひとりでに、わいてきたからであります。
町の天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ですから、天国てんごくのたのしかったことや、かわいらしい天使てんしたちとあそんだことを思いだしますと、そのたびに、女の子はさめざめとくのでした。
はなかほひそまむしこゝろ! あんな奇麗きれい洞穴ほらあなにも毒龍どくりうすまふものか? かほ天使てんし
「さあ、しっかりとわたし脊中せなかにおさりなさい。」と、天使てんしはいいました。少年しょうねんは、天使てんししろ脊中せなかにしっかりときつきました。
町の天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこで、むすめはひざまずいて、神さまのみをよび、おいのりをしました。すると、とつぜん、天使てんしがあらわれて、おほり水門すいもんをとじてくれました。
なぜなら、その天使てんしは、あちらの雲切くもぎれのした、きたほうあおそらからんできて、ここにとまったようにもおもわれたからでした。
町の天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
むすめはおにわにはいりました。天使てんしもいっしょについていきました。むすめはくだもののなっている木を見ました。そのくだものというのは、ナシでした。
天使てんしでありますから、たとえやぶられても、かれても、またかれても、るわけではなし、またいたいということもなかったのです。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かわいい天使てんしたちも、いつも女の子のあとについていって、女の子といっしょに、うれしがっていました。
なぜなら、人間にんげんは、天使てんしより野蛮やばんであったからです。そして、うえに、どんなあやまちがないともかぎらないからでありました。
海からきた使い (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、きん着物きものをきて、かわいい天使てんしたちといっしょにあそびました。
うつくしいつばさがある天使てんしが、まずしげないえまえって、心配しんぱいそうなかおつきをして、しきりとうちのようすをろうとしていました。
いいおじいさんの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あめチョコの天使てんしは、このはなしによって、このへんには、まだところどころや、はたけに、ゆきのこっているということをりました。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まして、自分じぶんが、つばさのある天使てんしたなどといっても、大工だいく夫婦ふうふはじめ、それをほんとうにしてはくれないとおもいました。
いいおじいさんの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
天使てんし自分じぶんさむいことなどはわすれて、ただこのまずしげないえのようすがどんなであろうということを、りたいとおもっているふうにえました。
いいおじいさんの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうど、あちらから、二人ふたりのようすを見守みまもっている天使てんしのように、少年しょうねんには、なつかしく、とうとく、おもわれたのでした。
街の幸福 (新字新仮名) / 小川未明(著)
人間にんげんは、天国てんごくへいってみることはできませんが、天使てんしは、人間にんげん世界せかいへ、りてくることはできるのでありました。
海からきた使い (新字新仮名) / 小川未明(著)
あめチョコのはこには、かわいらしい天使てんしえがいてありました。この天使てんし運命うんめいは、ほんとうにいろいろでありました。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なんで、この三にん天使てんしは、いままでのように、いっしょにいてたのしくらすようにかんがえなかったでしょうか?
王さまの感心された話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いく年前ねんぜんに、三にんあねいもうとおとうとなかのいい天使てんしがありました。この世界せかいつくられた時分じぶんに、三にんは、おもおもいの姿すがたわるようにかみさまからめいぜられたのであります。
王さまの感心された話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
石竹色せきちくいろくもが、かがみのようなきたそらに、あらわれたかとおもうと、それが天使てんしっている姿すがたとなり、やがて、ちいさくなって、とりのようになり、そして、えてしまった。
高い木と子供の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
よくかんがえて、自分じぶんのなりたいとおもうものになるがいい。けれど、一姿すがたえてしまったなら、永久えいきゅうに、ふたたびもとのような天使てんしにはなれないのだから、よくかんがえてなるがいい。
王さまの感心された話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
また幸福こうふくしまおんなは、天使てんしのようにうつくしいということだ。
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)