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君
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くん
ふりがな文庫
“
君
(
くん
)” の例文
僕
(
ぼく
)
はその
顔
(
かお
)
を
眺
(
なが
)
めた時、
思
(
おも
)
わず「ずいぶんやせましたね」といった。この
言葉
(
ことば
)
はもちろん滝田
君
(
くん
)
に
不快
(
ふかい
)
を
与
(
あた
)
えたのに
違
(
ちが
)
いなかった。
滝田哲太郎君
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
蝉取りの妙味はじっと忍んで行っておしい
君
(
くん
)
が一生懸命に
尻尾
(
しっぽ
)
を延ばしたり
縮
(
ちぢ
)
ましたりしているところを、わっと前足で
抑
(
おさ
)
える時にある。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「よう、虫めがね
君
(
くん
)
、お早う」と
言
(
い
)
いますと、近くの四、五人の人たちが声もたてずこっちも
向
(
む
)
かずに
冷
(
つめ
)
たくわらいました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「もうこれからは君をわが子と見て、他の子供たちと一切区別はしない。したがつて呼び棄てにする」(それまで父は
君
(
くん
)
をつけて私を呼んでゐた)
母たち
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
何か改つてものをいふ時には
君
(
くん
)
づけにし、標準語でものをいふのがかつて巡査であつたことのあるこの男の癖である。
一過程
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
▼ もっと見る
その遊戯を知らない何とか
君
(
くん
)
という、ひどく太い眉毛の若者が傍のソファで仮睡をし、夢で女賊マジャーンに出会するという筋なのだが——マジャーンが
茶色っぽい町
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「アア、ま、もる、
君
(
くん
)
か。わしは、ひ、ひどい、めに遭った」と、もつれる舌で、やっとそれだけ云うと、ガッカリと疲れた様に、目を
閉
(
ふさ
)
いで、又
幽
(
かすか
)
に唸り始めた。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
山田
(
やまだ
)
とも
付
(
つ
)
かず
石橋
(
いしばし
)
とも付かずでお茶を
濁
(
にご
)
して
居
(
ゐ
)
たのです、
其頃
(
そのころ
)
世間
(
せけん
)
に
持囃
(
もてはや
)
された
読物
(
よみもの
)
は、
春
(
はる
)
のや
君
(
くん
)
の
書生気質
(
しよせいかたぎ
)
、
南翠
(
なんすゐ
)
君
(
くん
)
の
何
(
なん
)
で有つたか、
社会小説
(
しやくわいせうせつ
)
でした、それから
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「それは
普通
(
ふつう
)
無智
(
むち
)
な
女
(
おんな
)
に
対
(
たい
)
してのことさ。I
子
(
こ
)
ならS、H
君
(
くん
)
でもきつとおとなしくするよ。」
私
(
わたし
)
は
自家
(
じか
)
謙
(
けん
)
遜の
意味
(
いみ
)
で
言
(
い
)
つたが、いくらかの
皮肉
(
ひにく
)
もないとは
言
(
い
)
へなかつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
曾
(
かつ
)
て
寺内内閣
(
てらうちないかく
)
の
議會
(
ぎくわい
)
で、
藏原代議士
(
くらはらだいぎし
)
が
總理大臣
(
そうりだいじん
)
から「ゾーバラ
君
(
くん
)
」と
呼
(
よ
)
ばれて
承知
(
しやうち
)
せず、「これ
猶
(
な
)
ほ
寺内
(
てらうち
)
をジナイと
呼
(
よ
)
ぶが
如
(
ごと
)
し」と
抗辯
(
かうべん
)
して一
場
(
ぜう
)
の
紛議
(
ふんぎ
)
を
釀
(
かも
)
したことがあつた。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
とまた三人
君
(
くん
)
づけで、以下呼びずてにもどる。若殿様が教室にいると、先生はやりにくい。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
M君は
綱島
(
つなしま
)
梁川
(
りょうせん
)
君
(
くん
)
の言として、先ず神を見なければ一切の事悉く無意義だ、神を見ずして筆を執るなぞ無用である、との説に関し、自身の
懊悩
(
おうのう
)
を述べ、自分の様な鈍根の者は
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
また仏国の
君
(
くん
)
に土国人の宗教に
与
(
あず
)
かるの権利ありとは、土国の君も
絶
(
たえ
)
て想像せざりしところなり。わが先官「レ、マルキス、デ、ボンネ」氏、このことの建言中に云えることあり。
「ヒリモア」万国公法の内宗教を論ずる章(撮要)
(新字新仮名)
/
ロバート・フィリモア
(著)
御存生
(
ごぞんじやう
)
なら
川田
(
かはだ
)
小
(
こ
)
一
郎
(
らう
)
君
(
くん
)
だね、
腹
(
はら
)
の
膨
(
ふく
)
れてゐる
処
(
ところ
)
から
体格
(
かつぷく
)
と云ひ、ニコヤカなお
容貌
(
かほつき
)
と云ひ、
頸
(
えり
)
が
二重
(
ふタヘ
)
に
成
(
な
)
つてゐる
様子
(
やうす
)
はそつくりだね、
何
(
なに
)
しろもう
神
(
かみ
)
になつちまつて
仕
(
し
)
やうがない
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
君
(
くん
)
夫人は正弘の第六女にして正桓の初の室
寿子
(
ひさこ
)
か。寿子は当時二十一歳であつた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
之
(
これ
)
にはクック
社
(
しや
)
の
桑港支社長
(
さうかうししやちやう
)
ストークス
君
(
くん
)
やら、
朝日新聞社
(
あさひしんぶんしや
)
桑港特派員
(
さうかうとくはゐん
)
清瀬規矩雄君
(
きよせきくをくん
)
などが
便乗
(
びんじよう
)
して
来
(
き
)
たので、
陸上
(
りくじやう
)
の
模様
(
もやう
)
明日
(
あす
)
の
見物
(
けんぶつ
)
の
次第
(
しだい
)
などを
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
つて、
大方
(
だいぶ
)
賑
(
にぎ
)
やかになつて
来
(
き
)
た。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
友人なれば入口の
障子
(
しょうじ
)
をがたぴしあけて——
君
(
くん
)
はいますかと大きな声を立ててからあがって来るはずであった。下の主人夫婦にしてもすこし荒い跫音であった。彼はふときき耳をたてた。
雀が森の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
さちよ
君
(
くん
)
はね、いつでも、こんなこと、平気でやらかすものだから、弱るです。
火の鳥
(新字旧仮名)
/
太宰治
(著)
「——
君
(
くん
)
に聞きますと、大層私のものがお好きださうで、大きに有難う。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
佐山——
君
(
くん
)
?……どうしたんだ、? おい君? なぜ
胎内
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
ロミオ マーキューシオー
君
(
くん
)
、まア/\、
劍
(
けん
)
を。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
並木 ……
君
(
くん
)
はよさうぢやないか。
屋上庭園
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
ニャン
君
(
くん
)
になんか負けるもんか
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
滝田
君
(
くん
)
の
初
(
はじ
)
めて
僕
(
ぼく
)
の家へ来たのは
僕
(
ぼく
)
の大学を出た年の
秋
(
あき
)
、——
僕
(
ぼく
)
の
初
(
はじ
)
めて「
中央公論
(
ちゅうおうこうろん
)
」へ「
手巾
(
はんけち
)
」という
小説
(
しょうせつ
)
を書いた時である。
滝田哲太郎君
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この時つくつく
君
(
くん
)
は悲鳴を揚げて、薄い透明な羽根を縦横無尽に振う。その早い事、美事なる事は言語道断、実に蝉世界の一偉観である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此
(
こ
)
の
写本
(
しやほん
)
の
挿絵
(
さしゑ
)
を
担当
(
たんたう
)
した
画家
(
ぐわか
)
は
二人
(
ふたり
)
で、
一人
(
ひとり
)
は
積翠
(
せきすゐ
)
(
工学士
(
こうがくし
)
大沢三之介
(
おほさはさんのすけ
)
君
(
くん
)
)
一人
(
ひとり
)
は
緑芽
(
りよくが
)
(
法学士
(
はうがくし
)
松岡鉦吉
(
まつをかしやうきち
)
君
(
くん
)
)
積翠
(
せきすゐ
)
は
鉛筆画
(
えんぴつぐわ
)
が
得意
(
とくい
)
で、
水彩風
(
すゐさいふう
)
のも
画
(
か
)
き、
器用
(
きよう
)
で
日本画
(
にほんぐわ
)
も
遣
(
や
)
つた
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
さちよ
君
(
くん
)
はね、いつでも、こんなこと、平気でやらかすものだから、弱るです。
火の鳥
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「山下君、これは、
長船
(
おさふね
)
三
郎
(
ろう
)
君
(
くん
)
といって、○○高等学校の先生です」
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
ニヤン
君
(
くん
)
よくしつてゐるね
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
目下
(
もくか
)
では
大倉
(
おほくら
)
喜
(
き
)
八
郎
(
らう
)
君
(
くん
)
さ。
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「あゝM
君
(
くん
)
ですか」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
滝田
君
(
くん
)
についてはこの
外
(
ほか
)
に
語
(
かた
)
りたいこともない
訳
(
わけ
)
ではない。しかし
匆卒
(
そうそつ
)
の
間
(
あいだ
)
にも
語
(
かた
)
ることの出来るのはこれだけである。
滝田哲太郎君
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
抑
(
そもそ
)
も
硯友社
(
けんいうしや
)
の
起
(
おこ
)
つたに
就
(
つい
)
ては、
私
(
わたし
)
が
山田美妙
(
やまだびめう
)
君
(
くん
)
(
其頃
(
そのころ
)
別号
(
べつがう
)
を
樵耕蛙船
(
せうかうあせん
)
と
云
(
い
)
ひました)と
懇意
(
こんい
)
に
成
(
な
)
つたのが、
其
(
そ
)
の
動機
(
どうき
)
でありますから、
一寸
(
ちよつと
)
其
(
そ
)
の
交際
(
かうさい
)
の
大要
(
たいえう
)
を
申上
(
まをしあ
)
げて置く必要が有る
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
“君”の意味
《名詞》
(きみ)同輩又は目下の者に対する二人称。主に男性が会話において用いる。「あなた」よりぞんざいだが、「おまえ」より丁寧。
古典日本語
(出典:Wiktionary)
“君”の解説
君(きみ、クン)は、主に東アジアの漢字文化圏の王朝でみられた君主の称号(君主号)または皇族・王族、貴族(特に外戚・功臣)の称号。
(出典:Wikipedia)
君
常用漢字
小3
部首:⼝
7画
“君”を含む語句
細君
大君
諸君
主君
母君
遊君
某君
妻君
父君
妹君
夫君
聞得大君
内君
吾君
貴君
君達
女君
兄君
舅君
役君小角
...