もんめ)” の例文
平次は鸚鵡おうむ返しに言いました。千両箱というと、一両小判で千枚、一枚四もんめとしても四貫目、風袋ふうたいを加えると一つ五貫目は下りません。
野菜を主にして脂肪分の濃厚なものは控えるように云われているのだが、夫は私との対抗上毎日かさず牛肉の何もんめかを摂取している。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「今日は石を運ばせてやろうか。おい。みんな今日は石を一人で九十もんめずつ運んで来い。いや、九十匁じゃあまり少いかな。」
カイロ団長 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
手には空鑵あきかんをさげて、黒い土をほじくっていた。みみずは百もんめ掘れば、いくらになるとか、またどこかで聞いて来たのだろう。
魚の序文 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
それには先ず薬種屋からサフランを買ってその一もんめを器へ入れて上から熱湯にえゆいで暫く浸しておきますときいろい汁が出ます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
一グラムとは一もんめまうして三ゲレンとは三わりにして硝盃コツプに三十てきはんゲレンぢやが、見てういふ工合ぐあいにするのだ。
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
御坊一人十もんめならばと云う、その時の相場に、辟易へきえきして、一晩泊る事にきめると、居心のいい大きな旅籠はたごを世話しました。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
たいについて申しましても、四、五百もんめのところがちょうど美味本位に当たるので、一貫目から一貫目以上になると、非常に味が大味おおあじになります。
日本料理の基礎観念 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
それからといふものは、いままで、毎朝食べてゐた、おいしい卵を食べることが出来ないので、小ぐまさんは、一日五十もんめづゝ、やせてゆきました。
泣き虫の小ぐまさん (新字旧仮名) / 村山籌子(著)
「そんだらさつせえそれ、十五もんめだんべ、おらがな他人たにんのがよりやけえんだかんな」商人あきんど目笊めざるけてせて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その間に大分食物を喰いましたから荷物は一貫五百もんめばかり減って八貫匁位になりました。それを今度は自分で背負って行かねばならぬ。で、いよいよ
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
ある西洋の学者の説によると、人間一生の間に食べるものは、七千二百九十一貫六百四十八もんめ食物しよくもつと六千六百四貫六百四十匁の飲料とが要るさうだ。
忽ち十数人の友達が集つて、肉を刻みおよそ百もんめ位づゝ竹の皮包に分けて、各々わが家庭へ持ち帰つたのである。
たぬき汁 (新字旧仮名) / 佐藤垢石(著)
また目方めかたにしてもそのとおり此処ここで十もんめあるものを赤道直下ではかったらきっと目方めかたが減る、らに太陽や惑星の力を受けない世界に行って目方めかたはかるとしたら
大きな怪物 (新字新仮名) / 平井金三(著)
金が簡単に出来るようになったら、今日一もんめ十何円なりという金が、一匁一銭也位になるでしょうから、いくら金がドンドン手に入っても仕方がないでしょう。
科学が臍を曲げた話 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
B だつて、さういてよこしたのだもの。あすのあさ葉書はがきにはキツトまたもんめぐらゐふえてゐるだらう。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
この書は、技法そのものについて、例えば新らしき芸術を作るには砂糖幾グラム、メリケン粉、塩何もんめ、フライパンに入れて、といった風の調理法を説かなかった。
油絵新技法 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
いかんとなれば、普通にいう全力をつくせ、あらんかぎりの力を出せということは、実際十貫目の力のあるものを、一もんめも残らぬほどに十貫目出せということではない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
るとき私が鍛冶橋かじばしそとの金物屋にいっ台火斗だいじゅうのうかって、価が十二もんめと云うその時、どう云うけだか供の者に銭を持たせて、十二匁なればおよそ一貫二、三百文になるから
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
白金は一もんめ二十六円で、一万個から多くて二匁八分見当とれる。「市電もの」というのがある。
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
獣の中には色々変な心性の奴もあって大食獣グラットンとていたちと熊の類の間にあるものは、両半球の北極地に住み幽囚中でも肉十三ポンドすなわち一貫五百七十二もんめ余ずつ毎日食う
もんめ分銅ふんどうを一分間吊した後と、一時間あるいは一昼夜吊しておいた後とは幾分の差がある。
方則について (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
銭札で大きなのは百もんめ、五十匁、それから十匁、五匁、一匁、五分、三分、二分までがあって、その銭の額やその他の文字の外、七福神とか、鯉の滝登りとかが描いてあった。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
五十もんめぐらいはあるだろう。たった一枚で三千円だ。それがみんなで三十枚あるんだ。佐伯の物だ、大詐欺師のな。最初に俺が借りたんだ。そいつをあいつが取っちゃったんだ。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「そうね。そりゃ売ってもいいけれど、重松さん、今一もんめいくらで買って行くの。」
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「なるほど、おもみがありますね、これは、一もんめ以下いかということはありません。」
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
長府小倉こくらあたりの米を買取らせ、二割か三割の手付金を売っておけば、よし不要になったところで米価は必定あがるのだから、俵当り十もんめ二十匁の徳になっても万々損にはならぬであろうこと。
志士と経済 (新字新仮名) / 服部之総(著)
麻の繊維は非常に立派なもので、麻屑二十五グラム(六もんめ三分)で、約三マイル(一里八町)の長さの糸が出来る。リンネルの織物の細かさに比べる事の出来るのは、たゞ蜘蛛の巣があるだけだ。
弟子入り志望に一もんめ分倹約するとは思われないが、長文の手紙となると、目測が狂うらしい。ところが、共産党の長文の手紙(十五通はもらった)はコンリンザイ不足税をとられたことがない。
巷談師 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
きょう体重をはかったら、四百もんめちかく太っていた。断然、好調である。
パンドラの匣 (新字新仮名) / 太宰治(著)
仮に人身は甲元素何もんめ、乙元素何匁、丙丁各何匁ずつ集まりてできるものと定むるに、無限の歳月、無窮の時間の間には、これと同一の割合をもって、各元素の結合することなしとは申されまい。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
私はこれまで師匠の宅へ通っている間、日給二十もんめずつを貰っていたから、これまで通り、二十匁(この二十匁は三日で六十匁一両に当る)でよろしいのだが、まず一二朱も頂けば結構というと
こりゃ此處こゝに四十りゃうある、わし毒藥どくやくを一もんめほどってくりゃれ、すぐ血管けっくわん行渡ゆきわたって饜果あきはてた飮主のみぬし立地たちどころなすやうな、また射出うちだされた焔硝えんせうおそろしい大砲たいはう胴中どうなかからはげしうきふはしるやうに
そこでドノバンは重さ三がん五六百もんめの野がんをとった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
目方めかた 四百九十五もんめ 二百八十一匁 二百十四匁
禾花媒助法之説 (新字新仮名) / 津田仙(著)
「君、盗まれた金製品の内で一番大きいのは何だと思う。恐らくあの置時計だね。どの位の寸法だったかしら、縦が三寸、幅と奥行が二寸、大体そんなものだね。それから目方だ。三百もんめ、そんなものじゃなかろうか」
何者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
味噌二百もんめ
落穂拾い (新字新仮名) / 小山清(著)
「三千両といや大金だ。持ってみた事はねえが、一両四もんめずつとして、風袋ふうたい抜きでも十二貫、生優しい人間じゃ持運びの出来る荷物じゃねえ」
先ず朝の八時がレグミーゼココア百五十ぐらむにクリーム五十瓦と、一瓦は日本の二分六厘ばかりだからココア三十七もんめにクリーム十二匁ばかりだ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
料理を教えるのに、塩何グラム、砂糖何もんめなどと、正確に出すなら、ねぎを適宜てきぎきざみ、塩胡椒しおこしょう少々などというな。
味覚馬鹿 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
主人方へ雇人請状やといにんうけじょうを出しますので、若い方が機に光沢つやが有ってよいと云うので、十四五か十七八あたりの処が中々上手に織りますもので、六百三十五もんめ
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
風袋ふうたいくと四百八もんめか、どうしたいくつだ廿六かな、さうするとひとつが」商人あきんどのいひをはらぬうちにおしな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
カンカン寅の奴、後でそれを分析してみて、一もんめ黄金きんも出てこないときには、どんな顔をすることだろうか。失望と憤怒ふんぬに燃える彼奴あいつの顔が見えるようだ。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
B あゝ、おほきにごろはいゝさうだ。最近さいきん報告はうこくれば、體量たいりやうが十二くわん三百五十もんめになつたさうだ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
で、たゞもんめ連出つれだ算段さんだん。あゝ、紳士しんし客人きやくじんには、あるまじき不料簡ふれうけんを、うまれながらにして喜多八きたはちしやうをうけたしがなさに、かたじけねえと、安敵やすがたきのやうなゑみらした。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おれは人並みよりも大食であるといったからとて、一人前として五十もんめなり六十匁なりを持っては来ない、私は小食ですと遠慮したとしても、一人前の注文すれば牛肉はやはり三十もんめである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
もんめの群青を買うにしても私にはかなりこたえました。
二条 トン税——トン(六石四斗)銀五もんめ
空罎 (新字新仮名) / 服部之総(著)
もんめ四百円の名香みやうかう10・27(夕)
若「へい/\大概五拾ぴきでございますが、あのおさんは只今売出しで、拾もんめで、お高いようでございますが、のくらいな子供しゅ沢山たんとはございませんな、へい」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)