トップ
>
飯
>
まんま
ふりがな文庫
“
飯
(
まんま
)” の例文
彦「御隠居さま、長らく御不快で
嘸
(
さぞ
)
お困りでしょう、今お
飯
(
まんま
)
を炊いた処が、
焦
(
こげ
)
が出来たから
塩握飯
(
しおむすび
)
にして来ましたからお
食
(
あが
)
んなさい」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「こっちのお乳をお
菜
(
かず
)
にして、こっちの
大
(
おおき
)
い方をお
飯
(
まんま
)
にして食べるんだって、」とぐッと
緊
(
し
)
め附けて肩を
窄
(
すぼ
)
め、笑顔で
身顫
(
みぶるい
)
をして
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
【パッポ、ディンディ】papro(=pane), dindi(=denari)小兒の語、邦語にて
飯
(
まんま
)
、
錢
(
ぜぜ
)
といふにあたる。
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「なあ、お松ッ子。帰りにゃ
簪
(
かんざし
)
を買って来てやらあ。いい子だから、お
飯
(
まんま
)
が
炊
(
た
)
けたら、一人で喰べて、先に寝ていな、いいだろ」
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さりとてうっちゃって置けもせず、干乾しにしちゃア可哀そうだと、お
飯
(
まんま
)
だけはお
斎
(
とき
)
のつもりで、三度三度供えてやってるのさ
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
「俺ら一生、人の頭をいじって、お
飯
(
まんま
)
を頂戴しなくっちゃならんし、人間さまざまだ。寺坂なんて人あ、百年に一人だ、羨むにゃあ当らねえ」
寺坂吉右衛門の逃亡
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
そうすると後で叔父さんに
対
(
むか
)
って、源三はほんとに
可愛
(
かわい
)
い児ですよ、わたしが血の道で口が
不味
(
まず
)
くってお
飯
(
まんま
)
が食べられないって云いましたらネ
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
べらぼうめえ、そんなお
銭
(
あし
)
がころがってたらば、だなあ——こちとら親子がな、おい、先生! 三日がところお
飯
(
まんま
)
にありつけようというもんだ。
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
お
飯
(
まんま
)
も洗濯も、私がする方が早いのだけれど、めんどうを見てお前にさせてやるのは、みんなお前の為を思ふから※だ。
小むすめ
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「たいそう立派な口をお利きだねえ正さん。
労咳
(
ろうがい
)
病みの薬料から其の日其の日のお
飯
(
まんま
)
、いったい誰のお蔭で口へ入るのかおまえ知っておいでかえ」
お美津簪
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「糞ッ止めて止まらぬぞ」ト
独言
(
ひとりごと
)
を言いながら再び
将
(
まさ
)
に
取旁付
(
とりかたづけ
)
に懸らんとすると、二階の上り口で「お
飯
(
まんま
)
で御座いますヨ」ト下女の呼ぶ声がする。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
でもね、人間てものは、どうやらこうやらお
飯
(
まんま
)
がいただけて、それできょう
日
(
び
)
がすごしていけりゃあア、それでいいってもんじゃありませんからね。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
明かしてやるんだ。おっかあ、おめえ達もその時にゃ赤の
飯
(
まんま
)
でも炊いて祝いねえ。鯛は商売物だから、世話はねえ。
鷲
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
爺
(
ぢい
)
、
今朝
(
けさ
)
のお
飯
(
まんま
)
冷
(
つめ
)
たく
成
(
な
)
つたつけべ
俺
(
お
)
ら
忘
(
わす
)
れて
喚
(
よ
)
ばりに
行
(
え
)
つたのがよ、さうしたら
爺
(
ぢい
)
は
疾
(
とつく
)
に
居
(
え
)
ねえのがんだもの
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
月々八九円はいるそうですが。それをへらしてはならないとって。なんでも毛糸編みをして。それで姉さんがお
飯
(
まんま
)
まで炊いて。その上この子の学資を……。
藪の鶯
(新字新仮名)
/
三宅花圃
(著)
それから、その
綺麗
(
きれい
)
な若いお月様の小母さまに、みんながお
飯
(
まんま
)
を見せびらかしたり、またいろんなものをせびつたりします。やはり子供の小母さまですから。
お月さまいくつ
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
冷
(
つめ
)
てえ、井戸水で
面
(
つら
)
洗って。もうお
飯
(
まんま
)
はあ出来でっし、おつけも、この茄子せえ入れればいいのだから、早く食ってはあ。——片岡さ行ぐのに遅ぐなんべ。」
駈落
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
お
飯
(
まんま
)
の茶碗へ一人前なら八分目位前の晩から水へ漬けておいて朝起きると鍋へ入れて火にかけて食塩を
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「
彼奴
(
あいつ
)
らア人間はお
飯
(
まんま
)
喰わねえでも生きてるもんだと思っていやがらア。
昼鳶
(
ひるとんび
)
の
持逃
(
もちにげ
)
野郎奴。」
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
われは年来
如意
(
にょい
)
と申す物を造るため牛角を伸ぶるにかかる小蛇の油を取ってするなり、若き男その如意は何にすると問うた、知れた事だお
飯
(
まんま
)
と衣のために売るのだと答う
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
四十ちかいガチャ鉄と仇名される赤ら顔で大男のそこの主人は、三度の飯より喧嘩が好きで、一日にいっぺん往来で撲り合いをしないとお
飯
(
まんま
)
が美味しくたべられない男だった。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
「いえ、もうお
飯
(
まんま
)
も何もたくさん。さっきから遠慮なしに戴いて、お腹が一杯だから」
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
「平田さんもまだおいでなさらないんですね」と、お梅は仲どんが置いて行ッた台の物を上の間へ運び、「お
飯
(
まんま
)
になすッちゃアいかがでございます。皆さんをお呼び申しましょうか」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
其樣な處へ歸るに當るものか
少
(
ちつ
)
とも
怕
(
おつ
)
かない事は無いから私が家に居なさい、皆も心配する事は無い何の此子位のもの二人や三人、臺所へ板を並べてお
飯
(
まんま
)
を喰べさせるに文句が入る物か
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「今まで一人で、こんな処で何をしておった、お
飯
(
まんま
)
が出来たから
喫
(
く
)
わそうと思うて
尋
(
と
)
めよった、お
母
(
かあ
)
も手伝いに往っておっても、お前のことばかり心配しよる、早う
帰
(
い
)
んでお
飯
(
まんま
)
にしよう」
放生津物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
賢一郎 (やや不快な表情をして)おたあさんお
飯
(
まんま
)
を食べましょう。
父帰る
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「せえじゃ、話が済んだら、お
飯
(
まんま
)
にしようじゃなえの」
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
ずいぶん、お
飯
(
まんま
)
を喰ふぢやないか
殴る
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
三両にまけた、なんで
飯
(
まんま
)
くわす?
旧聞日本橋:02 町の構成
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
鼬が お
飯
(
まんま
)
炊くだとさ。
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
「さあ、お
飯
(
まんま
)
が出来たよ」
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
飯
(
まんま
)
の茶あ沸かしてくんな
禰宜様宮田
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
お前さんの
家
(
うち
)
に一年でも半年でも置いて、お
飯
(
まんま
)
も炊かせ、徳利を提げて買物に
往
(
ゆ
)
かれるようにして、多助さんの所へ嫁にやって下さいな
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一軒
殖
(
ふ
)
えりゃそいつが食って
行
(
ゆ
)
くだけ、
皆
(
みんな
)
が一杯ずつお
飯
(
まんま
)
の食分が減るように
周章
(
あわ
)
てやあがって、時々なんです、いさくさは絶えやせん。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
清盛という豪傑さん、頼朝という豪傑さん、義時という英雄さん、尊氏という英雄さん、ろくろく人にお
飯
(
まんま
)
も食わせず、叱ってばかりいるようだなあ。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
爺
(
ぢい
)
はどうしたつぺ、お
飯
(
まんま
)
たべたんべか」おつぎは
敢
(
あへ
)
ていひ
掛
(
か
)
けるといふ
態度
(
たいど
)
でもなく
勘次
(
かんじ
)
に
向
(
むか
)
つていつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それあひょんなことからこうしてお前さんの厄介になって、まだほんとの名前も明かさないあたしだけれど、一日だって一つ釜のお
飯
(
まんま
)
を食べれあまんざら他人でもないはず。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
三度のお
飯
(
まんま
)
をいただいている仕事道具をこんなにされ、親方が
精進潔斎
(
しょうじんけっさい
)
して彫った碑銘まで、あんなに土足で踏みにじられているのに……べら棒め、だまっていられるかってんだ。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そんな処へ帰るに当るものか
少
(
ちつ
)
とも
怕
(
おつ
)
かない事は無いから
私
(
わたし
)
が
家
(
うち
)
に居なさい、
皆
(
みんな
)
も心配する事は無い何のこの子位のもの二人や三人、台所へ板を並べてお
飯
(
まんま
)
を喰べさせるに文句が入る物か
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
落語家が誤魔化してやる講談ゆゑ「定めしお聴きにくからうが、あなた方にアクビなんかされた日にはそれこそお
飯
(
まんま
)
の喰上げですから、どうか人助けとおもつて耳をふさいで聴いてて下さい」
落語家温泉録
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
「
父
(
おど
)
!
俺
(
おら
)
、
家
(
うち
)
さ行ぐでは。お
飯
(
まんま
)
炊
(
た
)
く時分だからは……」
土竜
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
ずいぶん、お
飯
(
まんま
)
を喰ふぢやないか
小熊秀雄全集-15:小説
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
喉に
飯
(
まんま
)
がとほらない
十五夜お月さん
(旧字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
赤
(
あか
)
い
飯
(
まんま
)
いやいや。
お月さまいくつ
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
自分でお
飯
(
まんま
)
を焚いたり何か
為
(
し
)
ますそれで綺麗好だから毎朝表の格子を拭きますよ、其の時其の前を
私
(
わっち
)
が通り掛ったら、
何
(
ど
)
うだろう
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私はお米ばかりのお
飯
(
まんま
)
を
磨
(
と
)
いだり、
炊
(
た
)
いたりしたの。おじいさんは、甘鯛と、
鮪
(
まぐろ
)
と買って、お酒を提げて戻ったんです。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さあ、お
飯
(
まんま
)
だえ」
唄
(
うた
)
も
騷
(
さわ
)
ぎも
止
(
や
)
んで一
同
(
どう
)
の
口
(
くち
)
から
俄
(
にはか
)
に
催促
(
さいそく
)
が
出
(
で
)
た。
女房等
(
にようばうら
)
は
皆
(
みな
)
で
給仕
(
きふじ
)
をした。
内
(
うち
)
の
女房
(
にようばう
)
は
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
其樣
(
そん
)
な
處
(
ところ
)
へ
歸
(
かへ
)
るに
當
(
あた
)
るものか
些
(
ちつ
)
とも
怕
(
おつ
)
かない
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
いから
私
(
わたし
)
が
家
(
うち
)
に
居
(
ゐ
)
なさい、みんなも
心配
(
しんぱい
)
する
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
い
何
(
なん
)
の
此子
(
このこ
)
位
(
ぐらゐ
)
のもの
二人
(
ふたり
)
や
三人
(
さんにん
)
や
臺所
(
だいどころ
)
へ
板
(
いた
)
を
並
(
なら
)
べてお
飯
(
まんま
)
を
喰
(
た
)
べさせるに
文句
(
もんく
)
が
入
(
い
)
るものか
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「お金にお
飯
(
まんま
)
にお酒を戴き、今朝方は有難うございました」
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
飯
(
まんま
)
はいやいや。
お月さまいくつ
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“飯”の意味
《名詞》
(めし)米を炊くなど原形を残して調理したもの。
(めし)食事。
(めし)食事をとること。
(出典:Wiktionary)
“飯”の解説
飯(めし)は、イネ科の穀物全般、とくに米へ水を加えて煮たり蒸したりして炊(焚)いた食品。
(出典:Wikipedia)
飯
常用漢字
小4
部首:⾷
12画
“飯”を含む語句
夕飯
朝飯
御飯
昼飯
飯櫃
強飯
午飯
赤飯
握飯
飯炊
晝飯
噴飯
飯粒
家常茶飯
乾飯
朝飯前
茶飯
白飯
飯事
冷飯
...