長々なが/\)” の例文
何故に殺すべき長々なが/\の御病氣なれば我がいのちかへてでも御全快ぜんくわいあるやうにと神に祈り佛を念じ永の年月及ぶだけ看病みとりに心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あの水松いちゐしたで、長々なが/\よこになって、このほらめいたうへひたみゝけてゐい、あなるので、つちゆるんで、やはらいでゐるによって、めばすぐ足音あしあときこえう。
列車れつしやは、おやとおもふほど何処どこまでも長々なが/\つらなつたが、これ後半部こうはんぶ桐生行きりふゆきてられたものであつた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此處こゝあるじ多辨はなしずきにやしわぶき勿躰もつたいらしくして長々なが/\物語ものがたいでぬ、祖父そふなりしひと將軍家しやうぐんけおぼあさからざりしこと、いまあしにて諸侯しよかうれつにもくわたまふべかりしを不幸ふかう短命たんめいにして病沒びやうぼつせしとか
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
貸方かしかたからやかましく云われ、抵当物は取られ、おふくろ両人ふたり手振編笠てぶりあみがさで仕方がねえから、千住せんじへまいって小商こあきないを始めましたが、お母が長々なが/\の眼病で、とうとう眼がつぶれ、生計くらしに困り
伯父をぢは母親のやうに正面からはげしく反対をとなへはしなかつたけれど、聞いて極楽ごくらく見て地獄ぢごくたとへを引き、劇道げきだうの成功の困難、舞台の生活の苦痛、芸人社会の交際の煩瑣はんさな事なぞを長々なが/\と語つたのち
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
切首きりくびと人々申候と少しく自慢じまんがてらに長々なが/\と申ければ大岡殿成程其遺恨ゐこんもある故陸尺の七右衞門は今度このたびの一件に世話を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
うしろいた腰掛臺こしかけだいうへに、一人ひとり匍匐はらばひになつて、ひぢつて長々なが/\び、一人ひとりよこざまに手枕てまくらして股引もゝひき穿いたあしかゞめて、天窓あたまをくツつけつて大工だいくそべつてる。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
うしてもおまへにははないよ、長々なが/\御世話おせわさま此處こゝからおれいまをします、ひとをつけ、もうだれことてにするものか、左樣さやうなら、とつてたちあがりくつぬぎの草履ざうり下駄げたあしひきかくるを
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
長々なが/\留守になりますから、お前さんも身をおいといなすって御大切ごたいせつ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
歩行程に成ければ最早もはや大丈夫なり此處こゝよりとほ駕籠かごにせば日着ひづけに江戸へ着すべしと友次郎は其日亭主をび明朝出立の事をはなし是迄長々なが/\あつ世話せわに成し事をお花とともに禮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はやく、さみしいことは、室内しつないは、一人ひとりのこらず長々なが/\つて、毛布まうふつゝまつて、みなる。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……朝餉あさげますと、立處たちどころとこ取直とりなほして、勿體もつたいない小春こはるのお天氣てんきに、みづ二階にかいまでかゞやかす日當ひあたりのまぶしさに、硝子戸がらすど障子しやうじをしめて、長々なが/\掻卷かいまきした、これ安湯治客やすたうぢきやく得意とくいところ
鳥影 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
場所ばしよところへつゝ、守宮やもりかたちで、天窓あたまにすぽりとなにかぶつた、あだじろい、どうながい、四足よつあしうねるものが、ぴつたりと附着くツついたり、ことりとまるくなつたり、長々なが/\ふのがえたり……やがて
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
透通すきとほるやうに長々なが/\ちてるんです。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)