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辱
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かたじ
ふりがな文庫
“
辱
(
かたじ
)” の例文
文「フーム、この十四日に蟠龍軒が權三郎方へ来るとな、
辱
(
かたじ
)
けない、その大伴は十四日の
何時
(
なんどき
)
頃来ますか、定めし御存じでしょうな」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「かくなる上は仰せに従い、いかにも駕籠にも乗りましょう。木曽までお送り願いましょう、
辱
(
かたじ
)
けのうござるぞ、如来衛門殿!」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「平次とやら、お前の言うことはよく判った。母上や妻のために、それほどまでに骨を折ってくれて、
辱
(
かたじ
)
けない。礼を言うぞ」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
就
(
つ
)
きましては、彼の道場の近所に、新しく武道指南の標札が掲げたく、
御持
(
おもち
)
地所を賜わらば
辱
(
かたじ
)
けない仕合せでござりまする
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
ともかくも触らば散ろうという下心の
自
(
おのずか
)
ら素振りに現われるに「ハハア」と気が附て見れば嬉しく
難有
(
ありがた
)
く
辱
(
かたじ
)
けなく、罪も
報
(
むくい
)
も忘れ果てて命もトントいらぬ顔付。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
手
(
て
)
にとりつ
淺
(
あさ
)
からぬお
心
(
こゝろ
)
辱
(
かたじ
)
けなしとて三
郎
(
らう
)
喜
(
よろ
)
こびしと
傳
(
つ
)
たへ
給
(
たま
)
へ
外
(
ほか
)
ならぬ
人
(
ひと
)
の
取次
(
とりつぎ
)
こと
更
(
さら
)
に
嬉
(
うれ
)
しければ
此文
(
このふみ
)
は
賜
(
たま
)
はりて
歸宅
(
きたく
)
すべしとて
懷中
(
ふところ
)
に
押
(
おし
)
いれつゝ
又
(
また
)
こそと
坐
(
ざ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『お計らい、
辱
(
かたじ
)
けない。はや見えている岡崎の城下、問屋場まで、
徒歩
(
かち
)
で駈けても、仔細はござらぬ』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
出すにぞ友次郎は大いに悦び是は/\
辱
(
かたじ
)
けなし然らば遠慮なく戴き申さんとて
飢
(
うゑ
)
たる腹へ五六椀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「いや、客人、ありがたう。林をきたなくせまいとの、そのおこゝろざしはじつに
辱
(
かたじ
)
けない。」
かしはばやしの夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
辱
(
かたじ
)
けなくも学問最高の府を第一位に卒業して
毫
(
ごう
)
も
倦怠
(
けんたい
)
の念なく長州征伐時代の羽織の紐をぶら下げて、日夜
団栗
(
どんぐり
)
のスタビリチーを研究し、それでもなお満足する様子もなく
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「伊三松は鼻の先を摺り剥いて大むくれさ。石原の兄哥も言っていたよ、——御親切は
辱
(
かたじ
)
けないが、同志討は困るって——」
銭形平次捕物控:046 双生児の呪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
藤「成程、それは御親切な、千万
辱
(
かたじ
)
けない、
私
(
わし
)
も心掛けて
居
(
お
)
るが、
大概
(
たいがい
)
の婦人が来ても気に入らぬ、能く心掛けてくれました、どういう女で」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
辱
(
かたじ
)
けのう存じます。いずれ近日
暇
(
いとま
)
を得まして、御高教を
煩
(
わずら
)
わしたく、かたがた御機嫌伺いに上るでございましょう」
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「いや、客人、ありがとう。林をきたなくせまいとの、そのおこころざしはじつに
辱
(
かたじ
)
けない。」
かしわばやしの夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
お
縫
(
ぬい
)
とてもまだ年わかなる身の桂次が親切はうれしからぬに
非
(
あら
)
ず、親にすら捨てられたらんやうな我が
如
(
ごと
)
きものを、心にかけて
可愛
(
かわい
)
がりて下さるは
辱
(
かたじ
)
けなき事と思へども
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
みなの衆、ちと待ってくだされ、お心のほどは
辱
(
かたじ
)
けないが、親鸞は
勅勘
(
ちょっかん
)
の
流人
(
るにん
)
、この家は罪を慎む配所でござる。されば、冬は寒いがよく、夏は暑くてこそ、流人の
糾明
(
きゅうめい
)
になりまする。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
久八
敏
(
はや
)
くも
悟
(
さと
)
り得て又改めて申すやう其長庵とかに
騙
(
かた
)
られし五十兩の
金子
(
きんす
)
の
穴
(
あな
)
其外
是迄
(
これまで
)
遣
(
つか
)
はれし金の
仕埋
(
しうめ
)
は私しが御
引受
(
ひきうけ
)
申ます必ず/\御
心配遊
(
しんぱいあそば
)
されなと何事も
忠義
(
ちうぎ
)
面
(
おもて
)
に
顯
(
あらは
)
れたる久八が意見に千太郎は
伏拜
(
ふしおが
)
み
返
(
かへ
)
す/″\も
辱
(
かたじ
)
けなし此恩必ず
忘却
(
わすれ
)
はせじと
主從
(
しうじう
)
兩人
(
ふたり
)
寄擧
(
よりこぞ
)
り
暫
(
しば
)
し涙に
沈
(
しづ
)
みけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
思召
(
おぼしめし
)
は
辱
(
かたじ
)
けねえが、何んとか因縁をつけて、獨り者のあつしの部屋へ潜り込む女ですから、嬉しい相手ぢやありませんよ。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
瀧「はい左様でございますか、始めて拝顔を得まして
辱
(
かたじ
)
けのう存じます、
私
(
わたくし
)
は瀧村と申します
不束者
(
ふつゝかもの
)
、
何
(
ど
)
うか
宜
(
よろ
)
しゅう」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お
縫
(
ぬい
)
とてもまだ
年
(
とし
)
わかなる
身
(
み
)
の
桂次
(
けいじ
)
が
親切
(
しんせつ
)
はうれしからぬに
非
(
あら
)
ず、
親
(
おや
)
にすら
捨
(
す
)
てられたらんやうな
我
(
わ
)
が
如
(
ごと
)
きものを、
心
(
こゝろ
)
にかけて
可愛
(
かわい
)
がりて
下
(
くだ
)
さるは
辱
(
かたじ
)
けなき
事
(
こと
)
と
思
(
おも
)
へども
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「いや、わかった、わかった。いや、今晩は実に
酩
(
めい
)
ていした。
辱
(
かたじ
)
けない。」
税務署長の冒険
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
御鴻恩
(
ごこうおん
)
にて、御地を賜り、道場一軒なりと、開かせいただかば
辱
(
かたじ
)
けなく——
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
『御好意
辱
(
かたじ
)
けない。それぞれへ、先程から一筆ずついたして置きました』
夏虫行燈
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秋「
然
(
そ
)
うしてくれゝば千万
辱
(
かたじ
)
けないが、事に寄ると
私
(
わし
)
一人
(
ひとり
)
で
往
(
ゆ
)
くがな、飴屋の亭主に知れちゃアならんのだが、
何時
(
なんどき
)
ぐらいに飴屋の亭主は来るな」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
不憫
(
ふびん
)
ではあるが、生きて恥辱を
蒙
(
こうむ
)
るより、この私にとっても、どれほど嬉しいことか判らない、——
辱
(
かたじ
)
けないぞ
銭形平次捕物控:078 十手の道
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
殿
(
との
)
、
今
(
いま
)
もし
此處
(
こゝ
)
におはしまして、
例
(
れい
)
の
辱
(
かたじ
)
けなき
御詞
(
おことば
)
の
數々
(
かず/\
)
、さては
恨
(
うら
)
みに
憎
(
にく
)
みのそひて
御聲
(
おんこゑ
)
あらく、さては
勿躰
(
もつたい
)
なき
御命
(
おいのち
)
いまを
限
(
かぎ
)
りとの
給
(
たま
)
ふとも、
我
(
わ
)
れは
此眼
(
このめ
)
の
動
(
うご
)
かんものか、
此胸
(
このむね
)
の
騷
(
さわ
)
がんものか
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『
辱
(
かたじ
)
けない』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「正直の
頭
(
こうべ
)
に神宿るとは
宜
(
よ
)
く申した、我は生れて此の方、不正不義の振舞をした
例
(
ためし
)
はない、天我を憐みたまいてお救い下さるか、あゝ有難し
辱
(
かたじ
)
けなし」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
不憫
(
ふびん
)
ではあるが、生きて
耻辱
(
ちじよく
)
を
蒙
(
かうむ
)
るより、この私に取つても、どれほど嬉しいことか判らない、——
辱
(
かたじ
)
けないぞ
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今もし
此処
(
こゝ
)
におはしまして、
例
(
れい
)
の
辱
(
かたじ
)
けなき
御詞
(
おことば
)
の数々、さては恨みに憎くみのそひて
御声
(
おんこゑ
)
あらく、さては
勿躰
(
もつたい
)
なき
御命
(
おいのち
)
いまを限りとの給ふとも、我れはこの
眼
(
め
)
の動かん物か、この胸の騒がんものか。
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それと申すも拙者は何事も御家風を心得ません
不慣
(
ふなれ
)
の身の上にて、斯様な
役向
(
やくむき
)
を仰付けられ、身に余りて
辱
(
かたじ
)
けない事と存じながら、慾には限りのないもので
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「それは
辱
(
かたじ
)
けない、さすがは義に勇む平次殿、世上の噂に偽りはない」
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それじゃア何うだえ己は
親戚
(
みより
)
頼り兄弟も何も無い、誠に心細い身の上だが、まア幸い重役の引立を以て、不相応な大禄を取るようになって、誠に
辱
(
かたじ
)
けないが
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「御親切は
辱
(
かたじ
)
けない、が、見ず知らずの方から、そうまでは——」
江戸の火術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
いえ何うも御真実
辱
(
かたじ
)
けない、成程浮気稼業の
芸妓
(
げいしゃ
)
だからちっとは
為
(
し
)
ましょうけれども、
私
(
わし
)
が大金を出して、多分の金も有る身の上では無いが、
彼
(
あれ
)
の借財を返して遣り
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
辱
(
かたじ
)
けない、——そればかりが気がかりであった」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは
辱
(
かたじ
)
けない、それでは申し聞けるが、文治郎今晩これから直ぐに出て
行
(
ゆ
)
きます、今晩はお前が嫁に来たばかりだから
留
(
とゞま
)
りたいが、出て
行
(
ゆ
)
かなければならぬ、
私
(
わし
)
が出て往った
後
(
あと
)
で
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
辱
(
かたじ
)
けない、——そればかりが氣がかりであつた」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
君
(
きみ
)
はあれから
奥州
(
あうしう
)
の
塩竈
(
しほがま
)
まで
行
(
い
)
つたか、
相変
(
あひかは
)
らず心に
懸
(
か
)
けられて
書面
(
しよめん
)
を
贈
(
おく
)
られて誠に
辱
(
かたじ
)
けない、
丁度
(
ちやうど
)
宴会
(
えんくわい
)
の
折
(
をり
)
君
(
きみ
)
の
書状
(
しよじやう
)
が
届
(
とゞ
)
いたから、
披
(
ひら
)
く
間
(
ま
)
遅
(
おそ
)
しと
開封
(
かいふう
)
して
読上
(
よみあ
)
げた所が、
皆
(
みんな
)
感服
(
かんぷく
)
をしたよ
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「早速のお許しで
辱
(
かたじ
)
けない、御免下さい」
百唇の譜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
辱
(
かたじ
)
けない、それでは借りて行くぞ」
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それは
辱
(
かたじ
)
けない」
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それは
辱
(
かたじ
)
けない」
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
辱
(
かたじ
)
けない」
奇談クラブ〔戦後版〕:12 乞食志願
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
辱
常用漢字
中学
部首:⾠
10画
“辱”を含む語句
恥辱
侮辱
凌辱
屈辱
耻辱
醜辱
忍辱
汚辱
辱知
侮辱的
穢辱
屈辱的
御恥辱
栄辱
雪辱
国辱
寵辱
慈悲忍辱
柔和忍辱
國辱
...