かひ)” の例文
此家こゝ世辞せじかひる者はいづれも無人相ぶにんさうなイヤアな顔のやつばかり這入はいつてます。これ其訳そのわけ無人相ぶにんさうだから世辞せじかひに来るので婦人
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
引連ひきつれ深川萬年町に賣家うりいへかひ中島なかじま立石りふせきと改名して醫業をいとなみとせしにことほか繁昌はんじやう致し下男下女を置き妻と娘一人を相手に暫時しばし無事に消光くらしけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それもひとつだが、當時たうじは、いま大錢たいせんあつかひのかたはよく御存ごぞんじ、諸國しよこく小貨こまかいのがもつてのほか拂底ふつていで、かひものに難澁なんじふ一方ひとかたならず。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
太七のかひつけの薬舗くすりやに行つて薬を調べたりして腐心するのであつたが、一向その秘法も埒明かず、果ては病人のやうに幼な心を痛めるのを
名工出世譚 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「ぢや、君が菓子をかひけばいのに」と代助は勝手かつてながら、門野かどのあたつた。門野かどのはそれでも、まだ、返事をした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
まくにてかへらんとせしに守る者木戸をいださず、便所べんじよは寺のうしろにあり、空腹くうふくならば弁当べんたうかひ玉へ、取次とりつぎ申さんといふ。我のみにあらず、人も又いださず。
もなく邸宅ていたくにいよいよかひ手がついたといふはなしつたはつて、ラアネフスカヤがかなしみにたれて卒倒そつとうする塲面ばめんとなつてくるのであるがそのあひだうら手からカチン
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
左様ですとも、モウいまにどん/\かひにおいでなさい升。見るうちになくなつてしまひ升。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
新聞の読者は藤原氏の予報を見て吃驚びつくりした。山へ登らうとする人、支那へ旅立しようとする人は、急に旅を思ひとまつた。相場師はかひにかゝつた。鴉は食べ物の用意をし出した。
同級どうきう女生徒ぢよせいと二十にんそろひのごむまりあたへしはおろかのこと馴染なじみふでやにたなざらしの手遊てあそびかひしめて、よろこばせしこともあり、さりとは日々にち/\夜々や/\散財さんざい此歳このとしこの身分みぶんにてかなふべきにあらず
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
香水かひに来た少女せうぢょ工女こうぢょです
鶴彬全川柳 (新字旧仮名) / 鶴彬(著)
買ひて歸りがけすぐ笠原粂之進かさはらくめのしんかたへ行き夜前やぜんの火付は原町の煙草屋喜八と云ふ者なり今朝こんてう私し煙草をかひ候時かれが布子のしまたれば心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
むかし唐土もろこし長安ちやうあんのハイカラ、あたらしいかひたてのくつで、キユツ/\などとやり、うれしさうに、爪先つまさきて、ニヤ/\とまちとほる。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「なに菓子のほかにも、まだ色々いろ/\かひ物があるつて云ふもんですからな。あしわるし天気はくないし、せばいんですのに」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
エヘヽヽおもてとほ女子達をなごたちみな立留たちどまくらゐのもんで、ういふ珠揃たまぞろひのお方々かた/″\世辞せじあきなひしてらつしやるところかひましたのは手前共てまいども仕合しあはせ
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
まくにてかへらんとせしに守る者木戸をいださず、便所べんじよは寺のうしろにあり、空腹くうふくならば弁当べんたうかひ玉へ、取次とりつぎ申さんといふ。我のみにあらず、人も又いださず。
四十もんにてかひ炮烙はうろくにて是をいり金紙きんがみに包み鄭重たいそうらしくしておつねに密とわたしければお常はよろこ金子きんすを玄柳につかはしおくま倶々とも/″\あつく禮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これ/\早く箱を片附かたづけなよ。客「ナニ片附かたづけぬでもよろしい、手前てまい世辞せじかひたのです。主人「イヽエういたして手前共てまいどもでは仲間売なかまうりいたしませぬ。 ...
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
葛籠つゞらふたつたり、着換きがへほころびしらべたり、……あらつた足袋たび裏返うらがへしたり、女中ぢよちうかひものにしたり、なに小氣轉こぎてん立𢌞たちまはつてたとおもふと、晩酌ばんしやくもので一合いちがふつけたときはなは見事みごとでない
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
弁当べんたう面桶めんつうに入れて持かへりしを人ありてかはを金一両きもを九両にかひけり。
弁当べんたう面桶めんつうに入れて持かへりしを人ありてかはを金一両きもを九両にかひけり。