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親仁
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おやじ
ふりがな文庫
“
親仁
(
おやじ
)” の例文
おまけに一人の
親仁
(
おやじ
)
なぞは、
媽々衆
(
かかしゅう
)
が
行水
(
ぎょうずい
)
の間、
引渡
(
ひきわた
)
されたものと見えて、
小児
(
こども
)
を一人
胡坐
(
あぐら
)
の上へ抱いて、
雁首
(
がんくび
)
を
俯向
(
うつむ
)
けに
銜
(
くわ
)
え
煙管
(
ぎせる
)
。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
又右衛門は
濁酒
(
どぶろく
)
の燗を熱く熱くと幾度も云ったそうである。茶屋の
親仁
(
おやじ
)
だから燗の事だけは確かに
明瞭
(
はっきり
)
と覚えていたにちがいない。
鍵屋の辻
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
案内はガラッ八、何となくそぐわない空気の中にも、商売柄の
愛嬌
(
あいきょう
)
で、茶店の
親仁
(
おやじ
)
の善六と、看板娘のお常が機嫌よく迎えてくれます。
銭形平次捕物控:013 美女を洗い出す
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
僕の
親仁
(
おやじ
)
は日本橋
檜物
(
ひもの
)
町に開業して
居
(
お
)
るから、手紙を書いて
遣
(
や
)
ろうと
云
(
いっ
)
て、親仁
名当
(
なあて
)
の一封を呉れたから私は喜んで
之
(
これ
)
を
請取
(
うけと
)
り
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「どうせおれは薄情だ、こんな薄情者にいつまでもくっついてないで、
佳
(
い
)
い男でも持って、
親仁
(
おやじ
)
の讐を打ってもらうがいいよ」
南北の東海道四谷怪談
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
警察に駈け込んで来た質屋の
親仁
(
おやじ
)
の禿頭は娘の顔を見ると泣いて喜んだ。手錠をかけられた男を見ると掴みかかろうとした。
黒白ストーリー
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
船頭と
親仁
(
おやじ
)
は声を
嗄
(
か
)
らして乗客を一人一人、船の底へ移します。船の底の真暗な中へ移された二十三人の乗合は、そこで見えない
面
(
かお
)
をつき合せて
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
親仁
(
おやじ
)
は郵便局の配達か何かで、大酒呑で、
阿母
(
おふくろ
)
はお
引摺
(
ひきずり
)
と来ているから、
常
(
いつ
)
も
鍵裂
(
かぎざき
)
だらけの着物を着て、
踵
(
かかと
)
の切れた
冷飯草履
(
ひやめしぞうり
)
を突掛け、片手に貧乏徳利を提げ
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
伊右衛門 昔気質の偏屈
親仁
(
おやじ
)
。勘当されたも、やっぱりこれもお岩の死霊か。イヤ、
呆
(
あき
)
れたものだ。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
花咲爺の
咄
(
はなし
)
は誰も知る通り、犬に情け厚かった老爺はその犬の灰で枯木に花を咲かせて重賞され、犬に辛かった
親仁
(
おやじ
)
はそれを羨んで灰を君公の眼に入れて厳罰された次第を述べたのだが
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
師走
(
しわす
)
も押し詰まったころになると、中津川の
備前屋
(
びぜんや
)
の
親仁
(
おやじ
)
が十日あまりも馬籠へ来て泊まっていて、町中へ
小貸
(
こが
)
しなどした。その金でようやく村のものが年を越したくらいの土地
柄
(
がら
)
であった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
扨
(
さて
)
雑誌は
益〻
(
ます/\
)
売れるのであつたが、
会計
(
くわいけい
)
の
不取締
(
ふとりしまり
)
と
一
(
ひと
)
つには
卸売
(
おろしうり
)
に
行
(
ある
)
かせた
親仁
(
おやじ
)
が
篤実
(
とくじつ
)
さうに見えて、実は
甚
(
はなは
)
だ
太
(
ふと
)
い
奴
(
やつ
)
であつたのを知らずに
居
(
ゐ
)
た
為
(
ため
)
に、
此奴
(
こいつ
)
に
余程
(
よほど
)
好
(
よ
)
いやうな事を
為
(
さ
)
れたのです
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
釜屋の
親仁
(
おやじ
)
さんは子供をつれてきて
妹の死
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
と低い
四目垣
(
よつめがき
)
へ
一足
(
ひとあし
)
寄ると、ゆっくりと腰をのして、
背後
(
うしろ
)
へよいとこさと
反
(
そ
)
るように伸びた。
親仁
(
おやじ
)
との間は、隔てる草も別になかった。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その晩
親仁
(
おやじ
)
の松蔵が
練馬
(
ねりま
)
へ行くはずだから、疑いは万に一つも親仁へ懸るはずはないと思い込み、犬まで殺して仕事に取りかかったが
銭形平次捕物控:121 土への愛着
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
おまけに今度は全体の
遣口
(
やりくち
)
が、以前よりもズット合理的になって来たらしく、友吉
親仁
(
おやじ
)
の千里眼、
順風耳
(
じゅんぷうじ
)
を以てしてもナカナカ見当が付けにくい。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そのとき私は同行少年の名を借りて
三輪光五郎
(
みわみつごろう
)
(今日は府下目黒のビール会社に居る)と
名乗
(
なのっ
)
て居たが、
一寸
(
ちょいと
)
上陸して
髪結床
(
かみゆいどこ
)
に
行
(
いっ
)
た所が、床の
親仁
(
おやじ
)
が
喋々
(
ちょうちょう
)
述べて居る
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
水手
(
かこ
)
の勝が威勢よく返事をしました。お松は伝馬に乗って岸へ行くために
通
(
かよ
)
い
口
(
ぐち
)
から出直して、伝馬に乗るべく
元船
(
もとふね
)
を下りて行きました。その後で船頭、
親仁
(
おやじ
)
、
水手
(
かこ
)
、
舵手
(
かじとり
)
らが
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
もう
鬢
(
びん
)
に大分
白髪
(
しらが
)
も見える、汚ない髭の
親仁
(
おやじ
)
の私が、親に継いでは犬の事を憶い出すなんぞと、
余
(
あんま
)
り馬鹿気ていてお話にならぬ——と、
被仰
(
おっしゃ
)
るお方が有るかも知れんが、私に取っては
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
が、その時の
大火傷
(
おおやけど
)
、享年六十有七歳にして、生まれもつかぬ
不具
(
かたわ
)
もの——
渾名
(
あだな
)
を、てんぼう
蟹
(
がに
)
の
宰八
(
さいはち
)
と云う、秋谷在の名物
親仁
(
おやじ
)
。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「親分も知っていなさるだろうが、田代屋の総領というのはあの水道端の又五郎って、
親仁
(
おやじ
)
にも弟にも似ぬ、恐ろしい道楽者だ」
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
早速横ッ飛びに本町の事務室に帰って来て、小使部屋を覗いてみると、友吉
親仁
(
おやじ
)
は忰と差向いでヘボ将棋を指している。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
主公が家に
遣
(
や
)
る手紙を出して、之を屋敷に届けて呉れ、
親仁
(
おやじ
)
に
斯
(
こ
)
う/\伝言をして呉れと云い、又別に私の母の
従弟
(
いとこ
)
の
大橋六助
(
おおはしろくすけ
)
と云う男に遣る手紙を渡して、これを六助の処に持て行け
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
何百年か
解
(
わか
)
らない
古襖
(
ふるぶすま
)
の正面、板の
間
(
ま
)
のような
床
(
ゆか
)
を
背負
(
しょ
)
って、
大胡坐
(
おおあぐら
)
で控えたのは、何と、
鳴子
(
なるこ
)
の
渡
(
わたし
)
を
仁王立
(
におうだち
)
で越した
抜群
(
ばつぐん
)
なその
親仁
(
おやじ
)
で。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
灯
(
あかり
)
を
背負
(
しょ
)
った五十年配の屈強な
親仁
(
おやじ
)
、左官の
彦兵衛
(
ひこべえ
)
といえば、仕事のうまいよりは、頑固一徹なので
界隈
(
かいわい
)
に知られた顔です。
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「アハハ」と今度は吾輩が頭を掻いたが、
親仁
(
おやじ
)
がちょっと両手を合わせて拝む真似をしたのを見ると可哀相になった。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
四十
親仁
(
おやじ
)
で、これの小僧の時は、まだ
微禄
(
びろく
)
をしません以前の……その婆のとこに下男奉公、
女房
(
かかあ
)
も女中奉公をしたものだそうで。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
親仁
(
おやじ
)
は
昔気質
(
むかしかたぎ
)
で、腕一本は惜しくないが、家の中の取締りがつかないから、縄付を出しても仕方がない、吹矢を飛ばした女を突き出せ——とこう申します。
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ところがこの友吉という
親仁
(
おやじ
)
が、持って生れた利かぬ気の上に、一種の鋭い直感力を持っていたらしいんだね。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と
親仁
(
おやじ
)
が
喚
(
わめ
)
くと、
婦人
(
おんな
)
はちょっと立って白い
爪
(
つま
)
さきをちょろちょろと
真黒
(
まっくろ
)
に
煤
(
すす
)
けた太い柱を
楯
(
たて
)
に取って、馬の目の届かぬほどに小隠れた。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
禿頭の丸柿
親仁
(
おやじ
)
は返事をしなかった。汗を掻いてペコペコしている万平の姿を見上げ見下した。いよいよ苦々しい顔になってギョロギョロと眼を光らし初めた。
芝居狂冒険
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
文次郎はひどく吾妻屋を怨み、「折があったら、あの
親仁
(
おやじ
)
を叩き殺す」とまで放言していたというのです。
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
靄
(
もや
)
が分れて、
海面
(
うなづら
)
に
兀
(
こつ
)
として
聳
(
そび
)
え立った、
巌
(
いわ
)
つづきの見上ぐる上。草蒸す頂に人ありて、目の下に声を懸けた、
樵夫
(
きこり
)
と覚しき
一個
(
ひとり
)
の
親仁
(
おやじ
)
。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
野次馬に覗かれないように表の板戸を
卸
(
おろ
)
しかけていた
博奕打
(
ばくちうち
)
の藤六という宿屋の
親仁
(
おやじ
)
がヒョコリと頭を下げて通してくれた。こっちも頭を下げながら出会い
頭
(
がしら
)
に問うた。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
死んだ者の悪口を言うようだが、あの喜平
親仁
(
おやじ
)
は、思いのほか判らねえ男さ。たった三十両ばかりの借りを、月に二度ずつ催促されちゃ、俺だって気が滅入るだろうじゃないか。
銭形平次捕物控:052 二服の薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私と
袖
(
そで
)
を合わせて立った、
橘
(
たちばな
)
八郎が、ついその番傘の下になる……
蜆
(
しじみ
)
の
剥身
(
むきみ
)
の
茹
(
ゆだ
)
ったのを笊に盛って
踞
(
つくば
)
っている
親仁
(
おやじ
)
に言った。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
親仁
(
おやじ
)
は妙に笑いながら表の戸をピッタリと閉め切った。上り框に腰をかけて声を潜めた。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一々お前に
逆
(
さか
)
らって済まねえが、——今朝っから
気色
(
きしょく
)
の悪いことが続くんだよ、
家主
(
おおや
)
の
親仁
(
おやじ
)
がやって来て、立退く約束で家賃を棒引にした
店子
(
たなこ
)
が、此方の足元を見て、
梃
(
てこ
)
でも動かねえから
銭形平次捕物控:241 人違い殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう一ツ小盥を
累
(
かさ
)
ねたのを両方振分にして
天秤
(
てんびん
)
で担いだ、六十ばかりの
親仁
(
おやじ
)
、
瘠
(
やせ
)
さらぼい、枯木に目と鼻とのついた姿で、さもさも寒そう。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
馬の熱が取れる位なら人間の熱にも利くだろうが……とその荒物屋の
親仁
(
おやじ
)
が云うので買って来た……しかし畜生は薬がよく利くから、分量が少くてよいという事を俺はきいている。
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
六十を越した重左衛門は、世馴れた物わかりのよい
親仁
(
おやじ
)
です。
銭形平次捕物控:044 お民の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
幕間
(
まくあい
)
を
売歩行
(
うりある
)
く、売子の数の多き中に、物語の銀六とて
痴
(
たわ
)
けたる
親仁
(
おやじ
)
交りたり。茶の運びもし、火鉢も持て来、下足の手伝もする事あり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
米相場が名人で
親仁
(
おやじ
)
にしかられしかられ語学をやっているのが居る。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
山は
御祭礼
(
おまつり
)
で、お迎いだ——とよう。……
此奴
(
こやつ
)
はよ、
大
(
でか
)
い
蕈
(
きのこ
)
で、
釣鐘蕈
(
つりがねだけ
)
と言うて、叩くとガーンと音のする、
劫羅
(
こうら
)
経た
親仁
(
おやじ
)
よ。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
親仁
(
おやじ
)
はどうして僕を信用してくれないんだろう」
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
可惜
(
あたら
)
、鼓のしらべの緒にでも干す事か、縄をもって一方から引窓の紐にかけ渡したのは
無慙
(
むざん
)
であるが、
親仁
(
おやじ
)
が心は優しかった。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これが
親仁
(
おやじ
)
とは大違いの不肖の子で
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
あの、樹の下の、暗え中へ頭
突込
(
つッこ
)
んだと思わっせえまし、お前様、苦虫の
親仁
(
おやじ
)
が
年効
(
としがい
)
もねえ、
新造子
(
しんぞっこ
)
が抱着かれたように、キャアと云うだ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
凄
(
すさま
)
じく
嘶
(
いなな
)
いて前足を両方
中空
(
なかぞら
)
へ
翻
(
ひるがえ
)
したから、小さな
親仁
(
おやじ
)
は仰向けに
引
(
ひっ
)
くりかえった、ずどんどう、月夜に砂煙がぱっと立つ。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……あまつさえ、目の赤い
親仁
(
おやじ
)
や、
襤褸半纏
(
ぼろばんてん
)
の
漢等
(
おのこら
)
、俗に——云う
腸
(
わた
)
拾いが、出刃庖丁を斜に構えて、この
腸
(
はらわた
)
を切売する。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“親仁(後冷泉天皇)”の解説
後冷泉天皇(ごれいぜいてんのう、1025年8月28日〈万寿2年8月3日〉- 1068年5月22日〈治暦4年4月19日〉)は、日本の第70代天皇(在位:1045年2月5日〈寛徳2年1月16日〉- 1068年5月22日〈治暦4年4月19日〉)。諱は親仁(ちかひと)。
後朱雀天皇の第一皇子。母は藤原道長の女の藤原嬉子(贈皇太后)。紫式部の娘大弐三位が乳母である。
(出典:Wikipedia)
親
常用漢字
小2
部首:⾒
16画
仁
常用漢字
小6
部首:⼈
4画
“親仁”で始まる語句
親仁様
親仁殿
親仁形
親仁御