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表向
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おもてむ
ふりがな文庫
“
表向
(
おもてむ
)” の例文
何
(
なに
)
も
表向
(
おもてむ
)
き
實家
(
ぢつか
)
の
惡
(
わ
)
るいを
風聽
(
ふうちやう
)
なされて、
召使
(
めしつか
)
ひの
婢女
(
をんな
)
どもに
顏
(
かほ
)
の
見
(
み
)
られるやうな
事
(
こと
)
なさらずとも
宜
(
よ
)
かりさうなもの
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
場所
(
ばしょ
)
は、
岡山市
(
おかやまし
)
の
郊外
(
こうがい
)
に
近
(
ちか
)
いM
町
(
まち
)
で、
被害者
(
ひがいしゃ
)
は、四
年
(
ねん
)
ほど
前
(
まえ
)
まで
質屋
(
しちや
)
をやつていて、かたわら
高利貸
(
こうりか
)
しでもあつたそうだが、
目下
(
もっか
)
は
表向
(
おもてむ
)
き
無職
(
むしょく
)
であつて
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
うさぎが、あちらへ
頭
(
あたま
)
を
出
(
だ
)
したのが
悪
(
わる
)
いから、
表向
(
おもてむ
)
きに、どうこういうことはできなかったけれど、おじいさんは、このことでぷんぷん、
怒
(
おこ
)
っていました。
うさぎと二人のおじいさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「俺はちゃんと知っているんだ。今度の探検は、
表向
(
おもてむ
)
きは南海の
孤島
(
ことう
)
の調査ということになっているが、本当はキッドの宝物をさがすのが目的だったんだ」
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その
頃
(
ころ
)
半年
(
はんとし
)
あまり
足繁
(
あししげ
)
く
通
(
かよ
)
つてくるお
客
(
きやく
)
の
中
(
なか
)
で、
電話
(
でんわ
)
の
周旋屋
(
しうせんや
)
をしてゐる
田中
(
たなか
)
と
云
(
い
)
ふ
男
(
をとこ
)
が、
行末
(
ゆくすゑ
)
は
表向
(
おもてむ
)
き
正妻
(
せいさい
)
にすると
云
(
い
)
ふはなしに、
初
(
はじ
)
めはその
男
(
をとこ
)
のアパートに
行
(
ゆ
)
き
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
▼ もっと見る
「君にはほんとうに気の毒でした。実はまだ
手筈
(
てはず
)
だけで、
表向
(
おもてむ
)
きにしなかったものだからねえ……」
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ただいまのところ、
表向
(
おもてむ
)
き
大講会奉行所
(
だいこうえぶぎょうしょ
)
まで
参加
(
さんか
)
を申しだしてあるものはこれだけであるが、
当日
(
とうじつ
)
にいたって、かくれた
麒麟
(
きりん
)
、
蛟龍
(
こうりゅう
)
のたぐいが、ぞくぞくとあらわれる見こみです
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし倉地がほんとうに葉子を安心させるためには、しなければならない大事な事が少なくとも一つ残っている。それは倉地が葉子と
表向
(
おもてむ
)
き結婚のできるだけの始末をして見せる事だ。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
人間
(
にんげん
)
恁
(
か
)
うまでに
成
(
な
)
りませずば、
表向
(
おもてむ
)
き
貴下
(
あなた
)
のお
供
(
とも
)
をいたしまして、
今夜
(
こんや
)
なんぞ、たとひ
對手
(
あひて
)
は
藝者
(
げいしや
)
でも、
御新姐樣
(
ごしんぞさま
)
には
齋檀那
(
ときだんな
)
、
施主方
(
せしゆがた
)
の
下足番
(
げそくばん
)
でもしませうものを、
早
(
は
)
や
全
(
まつた
)
く
腑甲斐
(
ふがひ
)
ない
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その夜、源助町乱闘の注進を受けた大岡様は、直ちに金山寺屋の音松を呼んで何事か
含
(
ふく
)
め、至急に黒門町の壁辰の許へ走らせた。
表向
(
おもてむ
)
きは、この喬之助召し捕りを壁辰に命じたのである。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
この時の私の
表向
(
おもてむ
)
きの用事は、靴を
誂
(
あつら
)
へる爲めに寸法をとらせることだつた。で、私は、最初にその用を
濟
(
すま
)
してしまつてから、
清潔
(
せいけつ
)
で靜かな小さい通りを、靴屋から郵便局へと歩いて行つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
制
(
せい
)
し惣右衞門
事
(
こと
)
舊
(
もと
)
は御家來に候とも當時は御
暇
(
いとま
)
の出でたる者ゆゑ是非は
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も彼の方へ
連退
(
つれのき
)
匿
(
かくま
)
ふと申す程のことなれば
渠等
(
かれら
)
も
根深
(
ねぶか
)
く
巧
(
たく
)
みたると相見え候へば
勿々
(
なか/\
)
以て容易の儀には參るまじ
然
(
さ
)
れば何事も此方にて
後手
(
ごて
)
に
成
(
なら
)
ざる樣に
表向
(
おもてむ
)
き御吟味
御請
(
おうけ
)
成
(
なさ
)
るべしと申しければ主税之助は是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
檀家
(
だんか
)
の
中
(
なか
)
にも
世話好
(
せわず
)
きの
名
(
な
)
ある
坂本
(
さかもと
)
の
油屋
(
あぶらや
)
が
隱居
(
ゐんきよ
)
さま
仲人
(
なかうど
)
といふも
異
(
い
)
な
物
(
もの
)
なれど
進
(
すす
)
めたてゝ
表向
(
おもてむ
)
きのものにしける、
信如
(
しんによ
)
も
此人
(
このひと
)
の
腹
(
はら
)
より
生
(
うま
)
れて
男女
(
なんによ
)
二人
(
ふたり
)
の
同胞
(
きやうだい
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あいつは
税金
(
ぜいきん
)
がかかるから、
表向
(
おもてむ
)
きの
金貸
(
かねか
)
しをやめたが、
相変
(
あいかわ
)
らずもぐりの
金貸
(
かねか
)
しでした。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
じつはお
討死
(
うちじに
)
とは
表向
(
おもてむ
)
きで、まことは、
天目山
(
てんもくざん
)
の
峰
(
みね
)
つづき、
裂石山
(
れっせきざん
)
雲峰寺
(
うんぽうじ
)
へいちじお落ちなされて、世間のしずまるころをお待ちなされたうえ、このほど身をいぶせき
旅僧
(
たびそう
)
にかえられ、ひそかに
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何
(
ど
)
うもしない、と
氣
(
き
)
の
無
(
な
)
い
返事
(
へんじ
)
をして、
上
(
うへ
)
へあがつて
細螺
(
きしやご
)
を
數
(
かぞ
)
へながら、
本當
(
ほんたう
)
に
嫌
(
い
)
やな
小僧
(
こぞう
)
とつては
無
(
な
)
い、
表向
(
おもてむ
)
きに
威張
(
ゐば
)
つた
喧嘩
(
けんくわ
)
は
出來
(
でき
)
もしないで、
温順
(
をとな
)
しさうな
顏
(
かほ
)
ばかりして
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
表向
(
おもてむ
)
きには
何
(
なん
)
とも
無
(
な
)
い
月日
(
つきひ
)
を
大凡
(
おほよそ
)
どの
位
(
くらい
)
送
(
おく
)
つた
物
(
もの
)
で
御座
(
ござ
)
んすか、
今
(
いま
)
の
千葉
(
ちば
)
が
樣子
(
やうす
)
を
御覽
(
ごらん
)
じても、
彼
(
あ
)
れの
子供
(
こども
)
の
時
(
とき
)
ならばと
大底
(
たいてい
)
にお
合點
(
がてん
)
が
行
(
ゆき
)
ましよ、
病氣
(
びやうき
)
して
煩
(
わづら
)
つて、お
寺
(
てら
)
の
物
(
もの
)
に
成
(
なり
)
ましたを
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
切
(
きつ
)
て
放
(
はな
)
して
急催促
(
きふさいそく
)
に
言譯
(
いひわけ
)
すべき
程
(
ほど
)
もなく
忽
(
たちま
)
ち
表向
(
おもてむ
)
きの
訴訟沙汰
(
そしようざた
)
とは
成
(
な
)
れりける
素
(
もと
)
松澤
(
まつざは
)
は
數代
(
すだい
)
の
家柄
(
いへがら
)
世
(
よ
)
の
信用
(
しんよう
)
も
厚
(
あつ
)
ければ
僅々
(
きん/\
)
千
(
せん
)
や
二千
(
にせん
)
の
金
(
かね
)
何方
(
いづかた
)
にても
調達
(
てうたつ
)
は
出來得
(
できう
)
べしと
世人
(
せじん
)
の
思
(
おも
)
ふは
反對
(
うらうへ
)
にて
玉子
(
たまご
)
の
四角
(
しかく
)
まだ
萬國博覽曾
(
ばんこくはくらんくわい
)
にも
陳列
(
ちんれつ
)
の
沙汰
(
さた
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
表
常用漢字
小3
部首:⾐
8画
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
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