“莫大:ばくだい” の例文
“莫大:ばくだい”を含む作品の著者(上位)作品数
海野十三13
寺田寅彦11
吉川英治7
夏目漱石7
ヴィクトル・ユゴー4
“莫大:ばくだい”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語19.2%
文学 > 英米文学 > 小説 物語10.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
しかしそれができるという信念のもとに努力して来た代々の学者の莫大ばくだいな努力の結果がすなわち現在の科学の塔である。
ルクレチウスと科学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
仲間の学生たちのなかの愚鈍な連中から金をまき上げて、そうでなくとも莫大ばくだいな収入をいやが上にも増す手段としていた
ヴァン・クルーツェ旅団の勇敢なベルギー兵は、ニヴェルの道に沿った麦畑のうちに莫大ばくだい死屍しかばねを横たえていた。
隅の食器棚はわざと開けてあるのか、古い銀の食器や、よく手入れのゆきとどいた陶器など、莫大ばくだいな宝物が見えていた。
人の話だと、あの子の母親がくなる前、莫大ばくだいな財産を一文のこらず、すっかりご主人の名義に書きかえたんですって。
南洋の方で鉱業関係で莫大ばくだいな金を儲けた実業家と、某官庁の部長の人とがこれに加わって、火の手は揚るばかりである。
千里眼その他 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
上野介は浅野家から自分に対して莫大ばくだいな賄賂の届けらるべきことを期待していたというのが巷間の流説として残されている。
本所松坂町 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
一度、商人の手に移ると、莫大ばくだいな値になって、とても自分の貧しい嚢中のうちゅうではあがなえなくなるからであった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夫人と潮との秘交ひこうを赤外線映画にうつしたのは、夫人にいどむことよりも莫大ばくだいな金にしたかったのだ。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すべてを念入りにり分けてみると、初めに想像していたよりももっと莫大ばくだいな富が手に入ったことがわかった。
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
それはいまの金に換算かんさんすると、れいという字を、いくつつけてよいかわからぬほど、莫大ばくだいなものになろうという。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
舞踏室や宴会の席を飾るために日々切り取られ、翌日は投げ捨てられる花の数はなかなか莫大ばくだいなものに違いない。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
閻魔王のひざに上り、短刀を抜いてその目をえぐり取り、莫大ばくだい分捕ぶんどり品でもしたつもりで、よろこんで持ち帰った。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こんな無理な軍役を起こし、戦意のない将卒を遠地に送り、莫大ばくだいな軍資を費やして、徳川家の前途はどうなろう。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「この莫大ばくだいな損害を、おぬしら、わが現地の役人はどう解決したと思う?——お思いになりますか、阿賀妻さん」
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
自費による移住の農夫には、家屋、農具は勿論もちろん、一段歩につき金十両の莫大ばくだいな開墾料をあたえたのだ。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
南アの辺境にいかに莫大ばくだいの金銀を蔵すればとて、大英国伝来のこの宝玉と交換せんとするは、無道の極であると。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
剣道の天才の力をりずとも……もっとも、我々の力で、甲府城を守り通すことが出来たら、莫大ばくだいな恩賞にあずかるという
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「うむ、ふんじばって織田家おだけへわたせば、莫大ばくだい恩賞おんしょうがある、うまいやつがひッかかった」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何か空中へ莫大ばくだい蜘蛛くもの網のようなものを張ってこの蛾を食い止めるくふうは無いものかと考えてみる。
からすうりの花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
なんでもそのくすりたてまつったものは、莫大ばくだいのおかねいただいて、どこへかいってしまったそうであります。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「軍曹どの。ここをかわってください。自分がうつと、味方にばかりあたって、損害莫大ばくだいです。たのみます。一つ、かわってください」
地底戦車の怪人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
莫大ばくだいな砲兵隊は、今日いわゆる「ワーテルローの博物館」があるあの場所に、土嚢どのうで隠されていた。
すると、一空さまは、その、おゆうの莫大ばくだいな財産のために、自分の一生が決定されたと妙な答えをするのだ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
チャップリンのごとき天才は大衆を引きつけ教育し訓練しながら、笑わせたり泣かせたりしてそうして莫大ばくだいな金をもうけているのである。
映画芸術 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
しかしキッドの蓄えた財宝が莫大ばくだいなものであることはよく知られている。だから、僕はそいつがまだ土のなかにあるのだと考えたんだよ。
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
しかしそれらの莫大ばくだいな財産はきわめて高尚に使用されて、芸術品の蒐集しゅうしゅうや、絵画の陳列や、社会事業などがなされていた。
自己の歓びと、彼等の安心へ誓うために、信長は二人の降将にむくゆるに、莫大ばくだいな金銀と恩賞を以てした。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
絵画、漆器に関しては彼らの尽くした莫大ばくだいの貢献についていうのはほとんど贅言ぜいげんと思われる。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
電子や陽子やあらゆるものの勢力が同じ一つの単位で測られるようになるまでに行なわれて来た実験の種類と数とは実に莫大ばくだいなものである。
科学と文学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
家柄は貴族に属していましたし、その上に父は商業を営んで莫大ばくだいな財産をもっていたので、何の不自由もなくゆたかに育ったのでした。
ラヴォアジエ (新字新仮名) / 石原純(著)
株式会社が日に三ツも四ツも出来た位なので以前から資本のしっかりしているヨウさんの会社なぞは利益も定めし莫大ばくだいであったに相違ない。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ジルノルマン氏の遺産は大したものではなかったが、姉のジルノルマン嬢の遺産は莫大ばくだいなものだった。
何万エーカーとか、何十万エーカーとかいいましたけれど、そんな莫大ばくだいな数量は忘れてしまいました。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
莫大ばくだいな量にのぼるものだったが、それをわずか一時間あまりで、全部艇内に取りこむことができた。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
多くの船隊は莫大ばくだいな費用をかけて、海燕やペンギンのふんを採りに、南極地方へ送り出される。
まん九百九十五おく二千一百六十二まん五千七百七十六にんだといふ莫大ばくだい數字すうじ發表はつぺうしたときには
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
——当時欧州大戦乱時代であって、石炭は水夫たちの寝るべき室にまで詰め込まれたほどであり、従って、汽船会社の利益は莫大ばくだいなものであった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
莫大ばくだいな(少くともポリネシアにしては)給料をむさぼりながら、何一つ——全く完全に何一つ——しないでノラクラしている役人共ばかりだ。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
水が水蒸気になる時には、一グラムについて、五百何十カロリーという莫大ばくだい潜熱せんねつを奪うことは、中学校や女学校で習った通りである。
「茶碗の湯」のことなど (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
柳生対馬守は、源三郎の兄だ。この愚楽の進言の結果、莫大ばくだいな費用を要する日光修復は、撃剣と貧乏で日本中に有名な、柳生へ落ちることになった。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
報酬はうしうりやう莫大ばくだいなるにくるしんで、生命いのちにもへて最惜いとをし恋人こひびとかりうばふて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「君は何しろ月給のほかに原稿料もはいるんだから、莫大ばくだいの収入を占めているんでしょう。」
十円札 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
○紛失、赤革トランク、特別美且大なる把柄あり、拾得届出者に莫大ばくだい謝礼、姓名在社三二六番
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
で、そこはまた拔目ぬけめのない所謂いはゆる政商せいしやうなどは莫大ばくだいもないかねけてちやう卓子たくしかこむ。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
莫大ばくだいな恩賞と加増かぞうと面目をほどこすのは分りきったこと、これもずいぶん悪くない。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……で、米価はね上がり、大坂城の粮米ろうまいは欠乏を極めておりますため、これに米を密売すれば、莫大ばくだいな利をえられるにきまっている。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
連年海陸軍の兵備を充実するために莫大ばくだいな入り用をかけて来た旧幕府では、彼らが知行ちぎょうの半高を前年中借り上げるほどの苦境にあったからで。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
山火事の場合は居合わす人数の少ないだけに、損害は大概莫大ばくだいではあるが、金だけですむ。
銀座アルプス (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
いつか夫が、莫大ばくだい紙幣さつの札を数えているところへ、入っていったことがあった。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
長崎屋さまに御不便だとお思いあそばしますと、あなたさま、見す見す莫大ばくだいな御利分があると御存じでありながら、お手をおゆるめになるとは、全く以って
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
それだのに体量だけはわずかの間に莫大ばくだいな増加を見せて、今では白の母鳥のほうがかえってひなの中の大柄なのよりはずっと小さく見えるくらいであった。
あひると猿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
今度は別な銀行が莫大ばくだいな犠牲を払ってもこの仕事を申込んでいる、と言い、最後に黙って
審判 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
さればいたるところ大入りかなわざるなきがゆえに、四方の金主きんすかれを争いて、ついにためしなき莫大ばくだいの給金を払うにいたれり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これに反して他の一方は、危険と徒労とにさらされてはいるけれども、時あって莫大ばくだいな利得を挙げ得たことは、昔は今よりもさらに著しい体験であった。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
という父の無事な顔をながめて、半蔵は尾州から来る荷物の莫大ばくだいなことを告げた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかれどもかの欧州諸国はいかにしてかくのごとく莫大ばくだいなる兵備を整うを得るか。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
莫大ばくだいな信徒と富力と、しかも兵力さえ持っている大坂石山いしやまの本願寺か。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のきならび素人しろうと手業てわざにて莫大ばくだいもうけとくに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
穴倉あなぐらに隠して置く金のかたまり莫大ばくだいなものだといううわさ
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
知らぬ間に川上の名義で借入れられた莫大ばくだいな借金が残っているばかり、約束になっているといった劇場へいって見れば釘附くぎづけになってとざされている。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
それで一八八八年には世界のあらゆる場所から莫大ばくだいな資金が集められ、彼の名をした立派なパストゥール研究所がパリに建設されて、その所長となりました。
ルイ・パストゥール (新字新仮名) / 石原純(著)
その鰹船が一つずつこの器械をそなえ付けるようになったら、莫大ばくだいな利益だって云うんで、この頃は夢中になってその方ばっかりにかかっているようですよ。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一千万を三乗した数とは一の下にれいを二十一付けた莫大ばくだいなものである。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
先生の哲学を鼻から煙にして吹き出す量は月に積もると、莫大ばくだいなものである。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その錯綜さくそうした美にたいする熱情的な献身にあらわれているし、また一方では、幾度もくりかえされた莫大ばくだいな、しかし人目にたたぬ慈善行為にあらわれている
此立退場をって居る人の喜怒哀楽と、有たない人の喜怒哀楽とは人から見たら一様かも知れないがこれを起す人之を受ける人から云うと莫大ばくだいな相違がある。
高浜虚子著『鶏頭』序 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
またある者はこうも叫んだ。「泥棒が盗んだに相違ない。黄金こがねで作られた鎧冑よろいかぶとには莫大ばくだいな値打ちがあるからな。——城下の泥棒が盗んだのだ」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そして悲しげな顔になって、「それは云うのをよしましょう。とにかく莫大ばくだいな金でした。大きな土地を買って、りっぱな邸宅をたてることができるくらいの金でした」
脳の中の麗人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それでも彼は、ごく短い生涯しょうがいのうちに莫大ばくだいな知力と精力とを使った彼の父より、生涯の初めにおいてしかも努力せずに、すでに数段高い所に立っていた。
世間にて楽を買うには莫大ばくだいの金がいるけれども、この拙者の楽だけは一文半銭もいらずして、しかもその楽は、金で買い入れたる楽に百倍も千倍もまさりております。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
脳髄の中にある原子の数はたぶん十の二十何乗という莫大ばくだいな数であろう。
蒸発皿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
丸利、丸上、山田屋等の袋物店に払う紙入、煙草入の代は莫大ばくだいであった。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「その佐太郎が、たつくちの金森屋敷を退轉してから三日目、——といふと丁度昨日のことだ。佐太郎の使と言つて、金森家重役に莫大ばくだいの金子を差出した者がある」
彼らは特殊の魔力を有し、所因の解らぬ莫大ばくだいの財産を隠している。
猫町:散文詩風な小説 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
生計の事ではその進は莫大ばくだいな収入がある身となっているし、老人の質素な生活は恩給だけでも有り余るほどなので、互に家事向の話のいずべき所がないわけであった。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
もっとも、兄が家督かとく相続者として莫大ばくだいな財産を受けついだのに反して、私の分け前がそれとは比較にならぬ程僅かであった事や、つて私の恋人だった女が、唯
彼等は、巧妙なる組織と、豊富なる情報と、莫大ばくだいなる資金と、しかもあくまで優秀なる頭脳と知識とをようして立っているのですから、これは容易なことではうち破れません。
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そして、その代りに莫大ばくだいな金が太郎右衛門夫婦に残されました。
三人の百姓 (新字新仮名) / 秋田雨雀(著)
その差紙には、海岸警衛のため公儀の物入りも莫大ばくだいだとある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こんな東征軍を動かすほどの莫大ばくだいな戦費を支弁するためからも、新政府の金札(新紙幣)が十円から一朱までの五種として発行されたのは、半蔵がこの旅に出てからのことであった。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
莫大ばくだいなる富だ。世界的の宝だ。いったいそれは何であろうか。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この方面の実験には厖大ぼうだいな設備と莫大ばくだいな費用とを要するのであるが、米国ではほとんどこの方面の研究を一手に引き受けた形で、どんどん施設をして行ったのである。
原子爆弾雑話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
軒ならび素人の手業てわざにて莫大ばくだいもうけと聞くに、この雑踏の中といひれも思ひ寄らぬ事なれば日暮れよりは目にも立つまじと思案して、昼間は花屋の女房に手伝はせ
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
就而は過分くわぶん之重任を受候も、畢竟亡父御こん情を以、莫大ばくだい之金子拜借を得、是が爲に多くの子供を生育いたし候故に而、全右之御かげを以活動くわつどうを得候次第
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
生れて始めて持つた莫大ばくだいの富を母に示しました。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
千駄というような莫大ばくだいな萱や木を、集めて焚いたのは遠い昔のことで、今ではただわら篠雑木しのぞうきなどの松明たいまつを多く背負って、山に登ってゆくのが通例のようになり
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
若い時分は上方から九州までも放浪して、身に餘る野心を抱いたこともありますが、今ではすつかり落着いて、兄の莫大ばくだいな身上を切り廻して、何から何まで指圖して居る四十男だつたのです。
しかし目見めみえに伴う飲醼贈遺いんえんぞうい一切の費は莫大ばくだいであったので、五百はつい豊芥子ほうかいしに託して、おもなる首飾しゅしょく類を売ってこれにてた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
宇宙航空船につまれてあった、莫大ばくだいな量のウラニウムは、すべて原子力工場のために使用され、原子爆弾は、あのサハラ沙漠の爆発を最後として、永久に使用されずに処分されてしまったのである。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
女性の影響というものは実に莫大ばくだいなものだ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
数からいえばおそらく莫大ばくだいなものであろう。
自画像 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
需用は莫大ばくだいなものであったでありましょう。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
莫大ばくだいな金額が彼の手を経るようになった。
け事をやって莫大ばくだいな金を失った。
モルガンは、父の莫大ばくだいな遺産を継いだ。
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
茶器は昔から古物を尊び、由緒ある品などは莫大ばくだいな価額のように聞きましたのに、氏は新品で低廉の器具ばかりをそろえて、あんの名もそれにちなんで半円とか附けられたとかいうことでした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
若い時分は上方から九州までも放浪して、身に余る野心を抱いたこともありますが、今ではすっかり落着いて、兄の莫大ばくだい身上しんしょうを切り廻して、何から何まで指図をしている四十男だったのです。
有名な女優があって、この女優がある英国の貴族と慇懃いんぎんを通じたままそれぎり幾年か音信不通の姿でおりましたところ、貴族の方では急に親が死んで、莫大ばくだいの遺産を相続するような都合になったので
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「何百万石という米を、実は妙なゆきがかりから、去年この方手に入れたところ、今年の東の凶作きょうさく——もうしばし持ちこたえていたら、莫大ばくだいな利得が生まれようとまずたのしみにしている次第だ」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)