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艶麗
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あでやか
ふりがな文庫
“
艶麗
(
あでやか
)” の例文
旧字:
艷麗
得も言われぬ
佳
(
い
)
い
匂
(
におい
)
がしました。はてな、あの一軒家の戸口を
覗
(
のぞ
)
くと、ちらりと見えた——や、その
艶麗
(
あでやか
)
なことと申すものは。——
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それ
等
(
ら
)
の
中
(
なか
)
には
橘姫
(
たちばなひめ
)
よりも
遥
(
はる
)
かに
家柄
(
いえがら
)
の
高
(
たか
)
いお
方
(
かた
)
もあり、
又
(
また
)
縹緻
(
きりょう
)
自慢
(
じまん
)
の、それはそれは
艶麗
(
あでやか
)
な
美女
(
びじょ
)
も
居
(
い
)
ないのではないのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
二人とも欲しい、いくら欲ばっていると考えてみても、
堪
(
たま
)
らなく二人とも欲しいのだから、仕方がありません。
艶麗
(
あでやか
)
は艶麗でいいし、
凜々
(
りり
)
しいのは凜々しいので、堪らない。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
障子の破れに、顔が
艶麗
(
あでやか
)
に口の
綻
(
ほころ
)
びた時に、さすがに
凄
(
すご
)
かつた。が、
寂
(
さみ
)
しいとも、
夜半
(
よなか
)
にとも、何とも
言訳
(
いいわけ
)
などするには及ばぬ。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
処
(
ところ
)
で
艶麗
(
あでやか
)
な、奥方とか、それ、人間界で言ふものが、
虹
(
にじ
)
の目だ、虹の目だ、と云ふものを(
嘴
(
くちばし
)
を
指
(
さ
)
す)此の黒い、鼻の先へひけらかした。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
これだけでは、よう御合点はなりますまいで、
私
(
てまえ
)
のその驚き方と申すものは、変った処に
艶麗
(
あでやか
)
な女中の姿とだけではござらぬ。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
や、素敵なものだと、のほうずな大声で、何か立派なのとそこいらの
艶麗
(
あでやか
)
さに
押魂消
(
おったまげ
)
ながら、
男気
(
おとこッけ
)
のない座敷だから、
私
(
わっし
)
だって遠慮をしました。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夜昼を分けるように、下の土は冷たく濡れて、黒くなって、裾が薄暗く見えたんで、いや、
串戯
(
じょうだん
)
はよして余り
艶麗
(
あでやか
)
過ぎる。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ああ、まぼろしのなつかしい、空蝉のかような風土は、
却
(
かえ
)
ってうつくしいものを産するのか、柳屋に
艶麗
(
あでやか
)
な姿が見える。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あゝ、まぼろしのなつかしい、
空蝉
(
うつせみ
)
のかやうな
風土
(
ふうど
)
は、
却
(
かへ
)
つてうつくしいものを
産
(
さん
)
するのか、
柳屋
(
やなぎや
)
に
艶麗
(
あでやか
)
な
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
える。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
けれどもな、
天守
(
てんしゆ
)
の
主人
(
あるじ
)
は、
最
(
も
)
う
手
(
て
)
の
内
(
うち
)
に、
活
(
い
)
きた、
生命
(
いのち
)
ある、ものを
言
(
い
)
ふ、
血
(
ち
)
の
通
(
かよ
)
ふ、
艶麗
(
あでやか
)
な
女
(
をんな
)
を
握
(
にぎ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのぢや。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
邪慳
(
じやけん
)
に、
胸先
(
むなさき
)
を
取
(
と
)
つて
片手
(
かたて
)
で
引立
(
ひつた
)
てざまに、
渠
(
かれ
)
は
棒立
(
ぼうだ
)
ちにぬつくり
立
(
た
)
つ。
可憐
(
あはれ
)
や
艶麗
(
あでやか
)
な
女
(
をんな
)
の
姿
(
すがた
)
は、
背筋
(
せすぢ
)
を
弓形
(
ゆみなり
)
、
裳
(
もすそ
)
を
宙
(
ちう
)
に、
縊
(
くび
)
られた
如
(
ごと
)
くぶらりと
成
(
な
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
美女
(
たをやめ
)
は
世
(
よ
)
にも
嬉
(
うれ
)
しげに……
早
(
は
)
や
頼
(
たの
)
まれて
人
(
ひと
)
を
救
(
すく
)
ふ、
善根
(
ぜんこん
)
功徳
(
くどく
)
を
仕遂
(
しと
)
げた
如
(
ごと
)
く
微笑
(
ほゝゑ
)
みながら、
左右
(
さいう
)
に、
雪枝
(
ゆきえ
)
と
老爺
(
ぢい
)
とを
艶麗
(
あでやか
)
に
見
(
み
)
て、
清
(
すゞ
)
しい
瞳
(
ひとみ
)
を
目配
(
めくば
)
せした。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
艶麗
(
あでやか
)
な
女俳優
(
おんなやくしゃ
)
が、子役を連れているような。
年齢
(
とし
)
は、されば、その
児
(
こ
)
の母親とすれば、少くとも四五であるが、姉とすれば、九でも
二十
(
はたち
)
でも差支えはない。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
豪
(
えら
)
いな! その
清浄
(
しょうじょう
)
な
膚
(
はだえ
)
をもって、
緋
(
ひ
)
の
紋綸子
(
もんりんず
)
の、
長襦袢
(
ながじゅばん
)
で、
高髷
(
たかまげ
)
という、その
艶麗
(
あでやか
)
な姿をもって、
行燈
(
あんどう
)
にかえに来た
雇
(
やとい
)
の女に目まじろがない、その
任侠
(
にんきょう
)
な気をもって
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、あ、と
押魂消
(
おったまげ
)
て、ばらりと
退
(
の
)
くと、そこの横手の
開戸口
(
ひらきどぐち
)
から、
艶麗
(
あでやか
)
なのが、すうと出た。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
トこの天窓の上へ、
艶麗
(
あでやか
)
に立たれた時は、余り美麗で、神々しくッて、そこいらのものの精霊が、
影向
(
ようごう
)
したかと思いましたて。桜の精、柳の精というようにでございますな。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私とは、ちょうど正面、かの男と隣合った、そこへ、
艶麗
(
あでやか
)
な女が一人腰を掛けたのである。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と斜めに警官を見て、
莞爾
(
にっこ
)
り笑う……
皓歯
(
しらは
)
も見えて、毛筋の通った、
潰
(
つぶし
)
島田は
艶麗
(
あでやか
)
である。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私はただその
気高
(
けだか
)
い
艶麗
(
あでやか
)
な人を、今でも神か仏かと、思うけれど、
後
(
あと
)
で考えると、先ずこうだろうと、思われるのは、
姥
(
うば
)
の娘で、
清水谷
(
しみずだに
)
の温泉へ、
奉公
(
ほうこう
)
に出ていたのを、祭に
就
(
つ
)
いて
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
緑蝶夫人
(
ろくてふふじん
)
といふ
艶麗
(
あでやか
)
なのが、
麹町通
(
かうじまちどほ
)
り
電車道
(
でんしやみち
)
を
向
(
むか
)
うへ、つい
近所
(
きんじよ
)
に、
家内
(
かない
)
の
友
(
とも
)
だちがあるのに——
開
(
あ
)
けないと
芬
(
ぷん
)
としないが、
香水
(
かうすゐ
)
の
薫
(
かを
)
りゆかしき
鬢
(
びん
)
の
毛
(
け
)
ならぬ、
衣裳鞄
(
いしやうかばん
)
を
借
(
か
)
りて
持
(
も
)
つた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
咄嗟
(
とっさ
)
の間の
艶麗
(
あでやか
)
な顔の働きは、たとえば口紅を
衝
(
つ
)
と
白粉
(
おしろい
)
に流して稲妻を描いたごとく、
媚
(
なまめ
)
かしく且つ鋭いもので、敵あり迫らば
翡翠
(
ひすい
)
に化して、窓から飛んで抜けそうに見えたのである。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二代以前の当城殿様、お鷹狩の馬上から——一人
町里
(
まちさと
)
には思いも寄らぬ、
都方
(
みやこがた
)
と見えて、世にも
艶麗
(
あでやか
)
な女の、一行を
颯
(
さっ
)
と避けて、その宮へかくれたのを——とろんこの目で
御覧
(
ごろう
)
じたわ。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
俺はただ屋の棟で、例の
夕飯
(
ゆうめし
)
を稼いでいたのだ。処で
艶麗
(
あでやか
)
な、奥方とか、それ、人間界で言うものが、虹の目だ、虹の目だ、と云うものを(
嘴
(
くちばし
)
を指す)この黒い、鼻の先へひけらかした。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
リボンも顔も
単
(
ひとえ
)
に白く、かすりの羽織が夜の
艶
(
つや
)
に、ちらちらと蝶が行交う
歩行
(
あるき
)
ぶり、
紅
(
くれない
)
ちらめく袖は長いが、不断着の姿は、年も二ツ三ツ
長
(
た
)
けて大人びて、愛らしいよりも
艶麗
(
あでやか
)
であった。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「む、これかえ。」と
俯向
(
うつむ
)
きて、胸を見て、小親は
艶麗
(
あでやか
)
に
微笑
(
えみ
)
を含みぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(あれ、嬢様ですって、)とやや調子を高めて、
艶麗
(
あでやか
)
に笑った。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(あれ、
嬢様
(
ぢやうさま
)
ですつて、)と
稍
(
やゝ
)
調子
(
てうし
)
を
高
(
たか
)
めて、
艶麗
(
あでやか
)
に
笑
(
わら
)
つた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と軽く云ったが、
艶麗
(
あでやか
)
に、しかも威儀ある座を正して
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
艶麗
(
あでやか
)
に座に着いたのは、令夫人才子である。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お
装
(
つ
)
け申しましょう、」と
艶麗
(
あでやか
)
に云う。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
身軽に
扮装
(
いでた
)
ったが、
艶麗
(
あでやか
)
な姿を眺めた。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
火箸に手を
載
(
の
)
せ、
艶麗
(
あでやか
)
に
打微笑
(
うちほほえ
)
み
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
露の垂りそうに
艶麗
(
あでやか
)
に
顕
(
あらわ
)
れた。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
艶麗
(
あでやか
)
に
打傾
(
うちかたむ
)
き
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“艶麗”の意味
《名詞》
容姿や表現が艶やかで美しいこと。
(出典:Wiktionary)
艶
常用漢字
中学
部首:⾊
19画
麗
常用漢字
中学
部首:⿅
19画
“艶”で始まる語句
艶
艶々
艶書
艶冶
艶姿
艶消
艶然
艶聞
艶種
艶色