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生涯
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しょうがい
ふりがな文庫
“
生涯
(
しょうがい
)” の例文
五十余年の
生涯
(
しょうがい
)
の中で、この吉左衛門らが記憶に残る大通行と言えば、尾張藩主の
遺骸
(
いがい
)
がこの街道を通った時のことにとどめをさす。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼らの残りの
生涯
(
しょうがい
)
は、自己
真似
(
まね
)
をすることのうちに過ぎてゆき、昔生存していたころに言い
為
(
な
)
し考えあるいは愛したところのことを
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
もとよりかかる変わった事件は彼の
生涯
(
しょうがい
)
においてきわめて
稀
(
まれ
)
であった。われわれはただわれわれの知るところだけを物語るのである。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
子供の時
聖堂
(
せいどう
)
の図書館へ通って、
徂徠
(
そらい
)
の
蘐園十筆
(
けんえんじっぴつ
)
をむやみに写し取った昔を、
生涯
(
しょうがい
)
にただ一度繰り返し得たような心持が起って来る。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蜉蝣
(
かげろう
)
の
生涯
(
しょうがい
)
も
永劫
(
えいごう
)
であり国民の歴史も
刹那
(
せつな
)
の現象であるとすれば、どうして私はこの活動映画からこんなに強い衝動を感じたのだろう。
春六題
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
「えらい。おまえさん、人相見かね。そのとおりだよ。おれは陛下の忠勇なる陸軍大尉だった。
生涯
(
しょうがい
)
、軍に身をささげるつもりだった」
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
つくづくあなたのご
生涯
(
しょうがい
)
を思えばただごとではない気がいたします。目に見えぬ
悪業
(
あくごう
)
があなたの
氏
(
うじ
)
につきまとっている気がいたします。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
この
高邁
(
こうまい
)
な精神にも
拘
(
かかわ
)
らず、薨去後に悲劇は起っている。憂悩を
裡
(
うち
)
に抱いたまま、太子の
生涯
(
しょうがい
)
は殉教の生涯だったと申してよい。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
たとえ
治
(
なお
)
っても、あるいは眼がつぶれたり、あるいはあばたが残って、一
生涯
(
しょうがい
)
、その人はいやな思いをしなければなりません。
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
ただ自分は普通の人の運命と違った運命を持っている人間であると自分を思って、
生涯
(
しょうがい
)
をここで果たす気になっているがいい。
源氏物語:48 椎が本
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
伊那丸
(
いなまる
)
は、遠くへ向かって
掌
(
て
)
を合わせた。空をやく焔は、かれのひとみに、
生涯
(
しょうがい
)
わすれぬものとなるまでやきついた。すると、不意だった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なに
面白
(
おもしろ
)
くねえことがあるもんか。二十五
両
(
りょう
)
といやァ、おいらのような
貧乏人
(
びんぼうにん
)
は、まごまごすると、
生涯
(
しょうがい
)
お
目
(
め
)
にゃぶら
下
(
さ
)
がれない
大金
(
たいきん
)
だぜ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
きんは、爪を染めると云う事も
生涯
(
しょうがい
)
した事がない。老年になってからの手はなおさら、そうした化粧はものほしげで貧弱でおかしいのである。
晩菊
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
おれの二十年の
生涯
(
しょうがい
)
は、沙金のあの目の中に宿っている。だから沙金を失うのは、今までのおれを失うのと、変わりはない。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それが出来ないなら、むしろ、「
褐
(
かつ
)
(
粗衣
(
そい
)
)を
被
(
き
)
て玉を
懐
(
いだ
)
く」という生き方が好ましい。
生涯
(
しょうがい
)
孔子の番犬に終ろうとも、いささかの
悔
(
くい
)
も無い。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
あなたの
生涯
(
しょうがい
)
も
随分
(
ずいぶん
)
つらい一
生
(
しょう
)
ではありましたが、それでも
私
(
わたくし
)
のにくらぶれば、まだ
遥
(
はる
)
かに
花
(
はな
)
も
実
(
み
)
もあって、どれ
丈
(
だけ
)
幸福
(
しあわせ
)
だったか
知
(
し
)
れませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
就中此の夫人の、
佗
(
わ
)
びしい、しょざいない、泣くにも泣かれない孤独な
生涯
(
しょうがい
)
を
想
(
おも
)
うと、事実こう云う顔つきをしていたらしい気もするのである。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
『
飛
(
とん
)
だことさ。』と、ミハイル、アウエリヤヌイチは
聴入
(
ききい
)
れぬ。『ワルシャワこそ
君
(
きみ
)
に
見
(
み
)
せにゃならん、
僕
(
ぼく
)
が五
年
(
ねん
)
の
幸福
(
こうふく
)
な
生涯
(
しょうがい
)
を
送
(
おく
)
った
所
(
ところ
)
だ。』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
いかに
繁劇
(
はんげき
)
な
生涯
(
しょうがい
)
を送る人でも、折々いわば人生より
退
(
しりぞ
)
いて黙想するの必要あることは、たがいの経験で明らかであろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
お銀を妻とするについても、女をよい方へ導こうとか、自分の
生涯
(
しょうがい
)
を
慮
(
おも
)
うとかいうような心持は、大して持たなかった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
大宗匠たちの臨終はその
生涯
(
しょうがい
)
と同様に絶妙都雅なものであった。彼らは常に宇宙の大調和と和しようと努め、いつでも
冥土
(
めいど
)
へ行くの覚悟をしていた。
茶の本:04 茶の本
(新字新仮名)
/
岡倉天心
、
岡倉覚三
(著)
娘艶儀、御前様へ
生涯
(
しょうがい
)
抱切
(
かかえき
)
りお妾に差上げ申し候ところ実証なり。婿栄三郎方は右金子をもって私引き受け毛頭
違背
(
いはい
)
無御座候。為後日証文
依而如件
(
よってくだんのごとし
)
。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そのとき、この勝利の感情は長い
生涯
(
しょうがい
)
のあいだ一つの拠りどころを与えてくれるように彼には思われたが、それもまったくばかげたことではなかった。
城
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
いよいよ自分の文学的
生涯
(
しょうがい
)
も、これで幕をとじたというかんじなのである。当時の私には、そういう
誇張
(
こちょう
)
した感情にも、ぬきさしならぬものがあった。
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
しかし
頑固
(
がんこ
)
な意見はそれに注意を配らずに、全作品について、全
生涯
(
しょうがい
)
について、同じ一つの批判——あるいは黒のあるいは白の批判——で満足している。
ジャン・クリストフ:13 後記
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
、
ロマン・ロラン
(著)
この古びた学校のがっしりした壁に取りまかれて、私は、それでも退屈もせず
厭
(
いや
)
にもならず、自分の
生涯
(
しょうがい
)
の十歳から十五歳までの年月を過したのである。
ウィリアム・ウィルスン
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
とにかくあすの会見の次第に依っては、僕の
生涯
(
しょうがい
)
の恩師が確定されるかも知れないのだ。実に、重大な日である。今夜は僕は、どうしたらいいのだろう。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その古い色を見ると、木村の父の
太
(
ふと
)
っ
腹
(
ぱら
)
な鋭い性格と、
波瀾
(
はらん
)
の多い
生涯
(
しょうがい
)
の
極印
(
ごくいん
)
がすわっているように見えた。木村はそれを葉子の用にと残して行ったのだった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
でも、その時わたしが味わったような至福の感じは、わたしの
生涯
(
しょうがい
)
にもはや二度と再び
繰返
(
くりかえ
)
されなかった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
離婚はミンナの意志でありその後ワグナーが別れた妻に対して経済的援助を続けたにしても、無知な病妻を
生涯
(
しょうがい
)
看通
(
みとお
)
さなかったことに対しての非難は免れない。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
『スウェーデンにて I Sverige』、『わが
生涯
(
しょうがい
)
の物語 Mit Livs Eventyr』
絵のない絵本:02 解説
(新字新仮名)
/
矢崎源九郎
(著)
この
二人
(
ふたり
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
は、それから
後
(
のち
)
、
長
(
なが
)
い
間
(
あいだ
)
、
子供
(
こども
)
というものがなく、さびしい
生涯
(
しょうがい
)
を
送
(
おく
)
ったのであります。
星の子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
『スウェーデンにて I Sverige』、『わが
生涯
(
しょうがい
)
の物語 Mit Livs Eventyr』
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ちょうど
私
(
わし
)
が修行に出るのを
止
(
よ
)
して
孤家
(
ひとつや
)
に引返して、
婦人
(
おんな
)
と
一所
(
いっしょ
)
に
生涯
(
しょうがい
)
を送ろうと思っていたところで。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
生涯
(
しょうがい
)
こまることのないくらいのお金もちでした。それですからね、わからずやは
碌
(
ろく
)
なものになれっこないなんて、決して、そんなことをいうものではありませんよ。
かわいそうな粉ひきの若いものと小猫
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
郷里の家を
生涯
(
しょうがい
)
の住家ときめて、ひとりぼっちはひとりぼっちなりの楽しみもあったというのである。
妻の座
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
道江
(
みちえ
)
の
生涯
(
しょうがい
)
の幸福のために?——なるほど、自分は心のどこかで、そんなことを考えていないのではない。だが、それがはたして自分の真実の願いだと言えるのか。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「けれども、だめだ、もうだめだ、もう
戦争
(
いくさ
)
はやんじゃった、古い号外を読むと、なんだか急に年をとってしまって、
生涯
(
しょうがい
)
がおしまいになったような気がする、……」
号外
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
僕に約束をして下さって、たゞ、時期を待てと仰しゃるのなら僕は
何時
(
いつ
)
までも待ちます。五年でも十年でも、二十年でも、
否
(
いな
)
生涯
(
しょうがい
)
待ち続けても僕は悔いないつもりです。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
無数に生まれて一人一人に
異
(
かわ
)
った無量の
生涯
(
しょうがい
)
を
遺
(
のこ
)
して
逝
(
い
)
った人のなかで、よい人とよくない人と、優れた人と劣った人と、満足した人としなかった人とをくらべてみたら
最も楽しい事業
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
神学的に言えば、イエスは創造の始めから神と
偕
(
とも
)
であったと言われますが、人としてのイエスの
生涯
(
しょうがい
)
にあっては、神の子たる自覚はヨハネの洗礼を受けた時に始まっています。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
お
前
(
まえ
)
さんは、
心
(
こころ
)
のええおひとじゃ、わしは
長
(
なが
)
い
生涯
(
しょうがい
)
じぶんの
慾
(
よく
)
ばかりで、ひとのことなどちっとも
思
(
おも
)
わずに
生
(
い
)
きて
来
(
き
)
たが、いまはじめてお
前
(
まえ
)
さんのりっぱな
心
(
こころ
)
にうごかされた。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
われわれ三人の
生涯
(
しょうがい
)
はあなたの犠牲とならねばならず、それも成功の後ならばともかく、それ、御存じの待合事件の後を受けて、またまた、そんな行跡が社会へ暴露した日には
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
稼いでも足りぬ時は手前を
打
(
ぶ
)
った印に
生涯
(
しょうがい
)
でも恵んでやるから、これを持って往って稼げ
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
親が満足に産みつけてくれた
身体
(
からだ
)
にもし
生涯
(
しょうがい
)
人前に出ることの出来ないような不具な顔にでもなったら、どうしよう。そのことを考えるとまた夜の眼も眠られないことがあった。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
一方は、燃ゆるがごとき新情想を多能多才の
器
(
うつわ
)
に包み、一生の寂しみをうち
籠
(
こ
)
めた恋をさえ言い現わし得ないで終ってしまった。その
生涯
(
しょうがい
)
はいかにも
高尚
(
こうしょう
)
である、典雅である、純潔である。
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
「まあまあ、裕助はおだまりなさい。けれどもあなた、これは正三の一
生涯
(
しょうがい
)
に関係することですから、一応正三の意向もたしかめ、私にも相談してくださるのがほんとうでございましょう?」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
生涯
(
しょうがい
)
いいすてし句、ことごとくみな辞世であるといった芭蕉の心境こそ、私どもの学ぶべき多くのものがあります。こうなるともはや改めて「遺言状」を
認
(
したた
)
めておく必要は少しもないわけです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
詩人がその空想の中で
画
(
えが
)
くような、ファンタスチックな夢の国は、現実の地球上にあるはずがない。しかも宿命的な詩人の悲願は、その有り得べからざる夢の国を、
生涯
(
しょうがい
)
夢見続けることの熱情にある。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
「あさはかなことを言うな、
生涯
(
しょうがい
)
あの邸には住まわれぬ」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“生涯(
人生
)”の解説
人生(じんせい)とは、人がこの世で生きていくこと。人の、この世に生きている間。あるいは、この世で生きている間に経験することなどである。「人の一生」「生涯」などとも言う。
(出典:Wikipedia)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
涯
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“生涯”で始まる語句
生涯唯一
生涯蟄居