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なまいき
ふりがな文庫
“
生意気
(
なまいき
)” の例文
旧字:
生意氣
燃えさかるストオヴの前へ立ったまま、精神的にも肉体的にも、
火炙
(
ひあぶ
)
りにされている先生へ、何度も
生意気
(
なまいき
)
な笑い声を浴びせかけた。
毛利先生
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一人の男がよろめきながら『腰の大小
伊達
(
だて
)
にゃあささぬ、
生意気
(
なまいき
)
なことをぬかすと首がないぞ!』と言って『あははははッ』と笑ッた。
まぼろし
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
彼は取るにも足らぬ
生意気
(
なまいき
)
書生を相手に
大人気
(
おとなげ
)
もない喧嘩を始めたのである。「もっと下がれ、おれの小桶に湯が
這入
(
はい
)
っていかん」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
生意気
(
なまいき
)
な、どうするかみておれ……。」といって、こんどは、かわいらしい
花
(
はな
)
の
頭
(
あたま
)
の
上
(
うえ
)
まですっかり
網
(
あみ
)
を
張
(
は
)
ってしまいました。
くもと草
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「へ、
生意気
(
なまいき
)
な、上段と来たな。今に見ていろひっくり返してやるから」じっと様子を窺った。相手の全身は隙だらけであった。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
すると、そこのうすぐらい
土間
(
どま
)
のすみに、
生意気
(
なまいき
)
なかっこうをした少年がひとり、
樽床几
(
たるしょうぎ
)
にこしかけ、
頬杖
(
ほおづえ
)
をつきながら
箸
(
はし
)
を持っていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
生意気
(
なまいき
)
をいうな。ちっぽけな
国
(
くに
)
に
生
(
う
)
まれた
小狐
(
こぎつね
)
のくせに。よし、そこにじっとしていろ。一つおれがうなってみせてやるから。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
物
(
もの
)
を
積
(
つも
)
つて考へて見ろ、それに
此頃
(
このごろ
)
は
生意気
(
なまいき
)
になつて
大分
(
だいぶ
)
大人
(
おとな
)
にからかふてえが、
宜
(
よ
)
くないぞ、
源蔵
(
げんぞう
)
見
(
み
)
たやうな
堅
(
かた
)
い人を
怒
(
おこ
)
らせるぢやアねえぞ。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
生意気
(
なまいき
)
おいいでないよ。なんにもわかりもしないくせに。そうそう安売りした日にゃあ商売になりゃあしないよ。」
水菓子屋の要吉
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
(お前達は
生意気
(
なまいき
)
だよ、)と激しくいいさま、腋の下から
覗
(
のぞ
)
こうとした
件
(
くだん
)
の動物の
天窓
(
あたま
)
を
振返
(
ふりかえ
)
りさまにくらわしたで。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一芸一能の人間に逢って見るのが楽しみだと、
生意気
(
なまいき
)
なことをいっていたが、三斎め、妙な道楽を持っていやがるな。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
何でも娘の時分は
我儘
(
わがまま
)
な心と
生意気
(
なまいき
)
な心を
慎
(
つつし
)
んで老功者の教えに
順
(
したが
)
うものと心掛けなければならん。老功者の唱える理想を実行するものと覚悟しなければならん。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
腰掛
(
こしかけ
)
食いが驚くほど増えて来て、男と同じように「わたしはトロがいい」「いや
赤貝
(
あかがい
)
だ」「うにだ」と
生意気
(
なまいき
)
をやって、
噴飯
(
ふんぱん
)
させられることしばしばという次第だ。
握り寿司の名人
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
「まあ、この鳥、たくさんですわねえ、あらまあそらのきれいなこと」女の子はジョバンニにはなしかけましたけれどもジョバンニは
生意気
(
なまいき
)
な、いやだいと思いながら
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「うん、
生意気
(
なまいき
)
なことをやり
居
(
お
)
った
哩
(
わい
)
」と大江山捜査課長は天の一角を
睨
(
にら
)
んでいたが「よオし、誰か
羽田航空港
(
はねだこうくうこう
)
に電話をして、すぐに飛行機であの気球を追駈けさせろッ」
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかし、皆は子供のくせにと思って、キーシュの
生意気
(
なまいき
)
なのにあきれかえりました。
負けない少年
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
「
生意気
(
なまいき
)
ナヿヲ云ウノハ止セ。親ニ対シテ云ッテヨイヿト悪イヿトアル。ソンナヿヲ云ウ貴様コソアプレダ。貴様コソ汚レタ奴ダ。用ハナイカラサッサト帰レ」「帰ルワ」ト云ウト
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
お父さんも開けて来たと言わないばかりの
生意気
(
なまいき
)
ざかりな年ごろになっていた。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
やや
堵
(
と
)
に安んぜんとするを、造化はなお
生意気
(
なまいき
)
なりと思いしか、
将
(
は
)
たまた
更
(
さら
)
に予を
試
(
こころ
)
みんとてか、今回は趣向を変えて、極めて陰険なる手段を用いジリジリ静かに攻め来りたり、そは他に
非
(
あら
)
ず
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
「をばさん。わたし、もう
煙草
(
たばこ
)
喫
(
の
)
むやうになつたのよ。
生意気
(
なまいき
)
でせう。」
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
生意気
(
なまいき
)
をしてみるがいい……葉子はいらだっていた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
御行 (興奮して、
大喝
(
だいかつ
)
する)
生意気
(
なまいき
)
を云うなッ!
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
「その花が
生意気
(
なまいき
)
だから枯らしてみましょうよ」
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
こいつ
生意気
(
なまいき
)
な!
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
「
生意気
(
なまいき
)
いえ!」
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
そんな
生意気
(
なまいき
)
な
口応
(
くちごた
)
えをするもんじゃありません。言葉だけで
他
(
ひと
)
をやり
込
(
こ
)
めればどこがどうしたというんです、馬鹿らしい。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
生意気
(
なまいき
)
な
鉦叩
(
かねたた
)
き
虫
(
むし
)
め! ぞうさはねえ、その女も一しょにつまみだして、二本松の枝へさかづるしにつるしてぶんなぐれ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
為朝
(
ためとも
)
は
総追捕使
(
そうついほし
)
だなんぞといって、いばっているが、いったいだれからゆるされたのだ。
生意気
(
なまいき
)
な
小僧
(
こぞう
)
じゃないか。」
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
(お
前達
(
まへだち
)
は
生意気
(
なまいき
)
だよ、)と
激
(
はげ
)
しくいひさま、
腋
(
わき
)
の
下
(
した
)
から
覗
(
のぞ
)
かうとした
件
(
くだん
)
の
動物
(
どうぶつ
)
の
天窓
(
あたま
)
を
振返
(
ふりかへ
)
りさまにくらはしたで。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
長命寺の桜餅を糞臭いとは、——僕は
未
(
いま
)
だに
生意気
(
なまいき
)
にもこの二人を
田舎者
(
ゐなかもの
)
めと軽蔑したことを覚えてゐる。長命寺にも震災以来一度も足を入れたことはない。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「なあんだ、
田舎
(
いなか
)
っぺの
女中
(
じょちゅう
)
か。」と、
孝二
(
こうじ
)
は
思
(
おも
)
って、
生意気
(
なまいき
)
をいったら、なぐろうと
考
(
かんが
)
えました。
子供どうし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お気の毒な、
子供衆
(
こどもしゆ
)
だもんですから、
何
(
なに
)
も知らずむしや/\
喰
(
た
)
べて
居
(
ゐ
)
ましたが、本当に
汚
(
きたな
)
い事をするぢやア
有
(
あ
)
りませんか、それに
此頃
(
このごろ
)
では
生意気
(
なまいき
)
になつて、
大人
(
おとな
)
に腹を立たせますよ。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「その方、身分ちがいの身を以て、
生意気
(
なまいき
)
に、剣技を誇るなぞ、奇怪至極だ。今宵は、江戸剣者一同の名誉のため、さんざんな目に逢わせて、御府内に姿を現さぬようにいたしつかわすぞ」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
そのころ僕は学校の餓鬼大将だけにすこぶる
生意気
(
なまいき
)
で、少年のくせに大沢先生のいばるのが
癪
(
しゃく
)
にさわってならない。いつか一度はあの頑固
爺
(
じじい
)
をへこましてくりょうと
猪古才
(
ちょこざい
)
なことを考えていた。
初恋
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
生意気
(
なまいき
)
をいうな。
我々
(
われわれ
)
がせっかく
見
(
み
)
つけた
狐
(
きつね
)
が、この
幕
(
まく
)
の中に
逃
(
に
)
げ
込
(
こ
)
んだから
探
(
さが
)
すのだ。
早
(
はや
)
く
狐
(
きつね
)
を
出
(
だ
)
せ。」
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
役員らは
生意気
(
なまいき
)
な
奴
(
やつ
)
だと云った。町の新聞は無能の教師が高慢な不平を
吐
(
は
)
くと評した。彼の同僚すら余計な事をして学校の位地を危うくするのは
愚
(
ぐ
)
だと思った。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
王 (
嘲笑
(
あざわら
)
う)
生意気
(
なまいき
)
な! わたしのマントルの力を見るが好い。(マントルを着る。同時に消え失せる)
三つの宝
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
生意気
(
なまいき
)
にもかかわらず、親雀がスーッと来て
叱
(
しか
)
るような顔をすると、喧嘩の
嘴
(
くちばし
)
も、生意気な羽も、
忽
(
たちま
)
ちぐにゃぐにゃになって、チイチイ、
赤坊声
(
あかんぼごえ
)
で甘ったれて、
餌
(
うまうま
)
を頂戴と
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
猫
(
ねこ
)
は、びっくりして、
目
(
め
)
をさますと、とんぼが、
鼻
(
はな
)
の
上
(
うえ
)
にとまっているので、
生意気
(
なまいき
)
な、おれをばかにしているなと、
火
(
ひ
)
のように
怒
(
おこ
)
り、ひとつかみにしようとしたが、とんぼは
春の真昼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「何者だなんて、
生意気
(
なまいき
)
をいうまえに、おじさんこそ、何者だかいうのが
本来
(
ほんらい
)
だよ。おいらはこの山に住んでる者だし、おじさんはだまって、人の山へはいってきた
風来人
(
ふうらいじん
)
じゃないか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「実に気楽さ。知ってるのは僕らを
煽動
(
せんどう
)
した教師ばかりだろう。何でも
生意気
(
なまいき
)
だからやれって云うのさ」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「まあ、
生意気
(
なまいき
)
ったらないのね。——だから姉さんがいつでも云うんだわ、民雄さんは
莫迦
(
ばか
)
だって。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
匡房
(
まさふさ
)
がこんなことをいっていました。
何
(
なに
)
もわからない
学者
(
がくしゃ
)
のくせに、
生意気
(
なまいき
)
ではありませんか。」
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「
生意気
(
なまいき
)
だね、お
母
(
かあ
)
さんに、いいつけておやりよ。」と、
弟
(
おとうと
)
も、つづいて
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がると、もう
風船球
(
ふうせんだま
)
のことなどは
忘
(
わす
)
れて、
二人
(
ふたり
)
は、
廊下
(
ろうか
)
を
駈
(
か
)
けて、
彼女
(
かのじょ
)
のいった
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
いました。
おさくの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
生意気
(
なまいき
)
でございますわ。」
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると乗客の降り終るが早いか、十一二の少女が一人、まっ先に自働車へはいって来た。
褪紅色
(
たいこうしょく
)
の洋服に空色の
帽子
(
ぼうし
)
を
阿弥陀
(
あみだ
)
にかぶった、妙に
生意気
(
なまいき
)
らしい少女である。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「もう
生意気
(
なまいき
)
なことはいわんな。はいといえばつれていってやる。」と、いいました。
小さな弟、良ちゃん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
何
(
なに
)
を、ねずみのくせに
生意気
(
なまいき
)
なやつだ。」
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「
生意気
(
なまいき
)
云うな」
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕等の彼をいぢめたのは格別理由のあつた
訣
(
わけ
)
ではない。若し又理由らしいものを挙げるとすれば、唯彼の
生意気
(
なまいき
)
だつた、——或は彼は彼自身を容易に
曲
(
ま
)
げようとしなかつたからである。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
意
常用漢字
小3
部首:⼼
13画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“生意気”で始まる語句
生意気盛
生意気至極