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たな
ふりがな文庫
“
店
(
たな
)” の例文
学者が聞いてあきれらあ。
筆尖
(
ふでさき
)
で
旨
(
うま
)
い事をすりゃあ、お
店
(
たな
)
ものだってお払箱にならあ。おう、そうそう。お玉は三味線が弾けたっけ。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
お前のはお
店
(
たな
)
の受けが
好
(
よ
)
い是は
光沢
(
つや
)
が別だと云うので手間を先へ貸して呉れるように致して万事に気をつけて呉れるから
大仕合
(
おおじあわ
)
せで
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
殺し金百兩奪ひ取りしとて
御所刑
(
おしおき
)
に成しとの噂を聞權三助十の兩人は
怪敷
(
あやしく
)
思ひ橋本町八右衞門
店
(
たな
)
にも
駕籠屋
(
かごや
)
仲間
(
なかま
)
有
(
あ
)
る故彦兵衞が樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
喜三郎は神經質らしく
小鬢
(
こびん
)
を
掻
(
か
)
いたり、襟を直したりして居ります。
蒼白
(
あをじろ
)
いお
店
(
たな
)
者で、いかにも弱々しく善良さうでさへあります。
銭形平次捕物控:298 匕首の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「まあ、お上手だわね、貴方これ迄屹度どこかの売子だつたんでせう。そしてお
店
(
たな
)
へ雇はれたくつて、今日
往
(
い
)
らしたのぢやなくつて。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
信長に身を寄せた漂泊の将軍家
義昭
(
よしあき
)
は、その後、
岐阜
(
ぎふ
)
の城下
西
(
にし
)
ノ
店
(
たな
)
の立正寺を宿所と定められて、一行はそこに
起
(
お
)
き
臥
(
ふ
)
ししていた。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
以上、老母からの手紙は、
辿々
(
たどたど
)
しい文ではあるが、大丸という大呉服店を通して、そのうらのお
店
(
たな
)
ものの奴隷生活がうつしだされている。
旧聞日本橋:05 大丸呉服店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
總領の兄は笈を負うて都に出てゐるし、やむなく上の姉に迎へた養子は、まだ主人からの暇が出ないで、姉と共に隣町のお
店
(
たな
)
に勤めてゐた。
白い雌鷄の行方
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
わけてもその夜は、お
店
(
たな
)
の
手代
(
てだい
)
と女中が
藪入
(
やぶい
)
りでうろつきまわっているような身なりだったし、ずいぶん
人目
(
ひとめ
)
がはばかられた。
姥捨
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
半七と亀吉を二、三軒手前に待たせて置いて、庄太はその小女に声をかけようとする処へ、お
店
(
たな
)
の番頭らしい四十五、六の男が来かかった。
半七捕物帳:63 川越次郎兵衛
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そうするうちに正月、二月と過ぎて三月二日、
宵節句
(
よいぜっく
)
に綿文から招きがあり、主人の芳兵衛の供でさぶが本町のお
店
(
たな
)
へいった。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「元七と言えば手前でございますが、お
店
(
たな
)
に唐から着荷があって、今日は手前、朝から一歩も屋外へは踏み出しませんが。」
釘抜藤吉捕物覚書:05 お茶漬音頭
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
娘がすっかり出払ったこの一月からは、アパートの一室を寝床だけに借り受けて、そこからお
店
(
たな
)
へ通う。今度は全く真性真銘の独身者の住いです。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
お
店
(
たな
)
ものは兎角口うるさい。新太郎君は若旦那だから仕方がないとしても、寛一君まで入って来たのが殊に若手の腕利き連中に面白くないのだった。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
むかしは齢六十にして尚ひとの徒弟として技を練ることを道と教えられていたが、当今は年季もまだ明けないうちからもう
店
(
たな
)
出入りのことを考えている。
痀女抄録
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
言譯
(
いひわけ
)
きく
耳
(
みゝ
)
はなし
家賃
(
やちん
)
をさめるか
店
(
たな
)
を
明
(
あ
)
けるか
道
(
みち
)
は
二
(
ふた
)
つぞ
何方
(
どちら
)
にでもなされとぽんとはたく
其
(
その
)
煙管
(
きせる
)
で
打
(
うち
)
わつてやりたい
面
(
つら
)
がまち
目的
(
もくてき
)
なしに
今日
(
けふ
)
までと
日
(
ひ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さて雪中は
廊下
(
らうか
)
に(江戸にいふ
店
(
たな
)
下)
雪垂
(
ゆきだれ
)
を(かやにてあみたるすだれをいふ)
下
(
くだ
)
し、(
雪吹
(
ふゞき
)
をふせぐため也)
窗
(
まど
)
も又これを用ふ。雪ふらざる時は
巻
(
まい
)
て
明
(
あかり
)
をとる。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そんな
贅沢
(
ぜいたく
)
がいえた義理だと思うか。
先
(
せん
)
のお
店
(
たな
)
をしくじったのは何が為だ。みんなその
我儘
(
わがまま
)
からだぞ。
夢遊病者の死
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
あの宮崎さんはいろいろおせわにもなるし。親切にお
店
(
たな
)
ちんまでやすくして下さるから。御命日にはおはぎでもこしらえて。もっていってもらおうと思っています。
藪の鶯
(新字新仮名)
/
三宅花圃
(著)
なんでもお遊さんが来てくれたら伏見の
店
(
たな
)
などへはおいておかない、
巨椋
(
おぐら
)
の池に別荘があるのを建て増してお遊さんの気に入るような
数寄屋普請
(
すきやぶしん
)
をして住まわせる
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ちゃんとこのとおり、そろばんだこが当たっているじゃねえかよ、こんなにたこの当たるほどそろばんをいじくっていたとすると、お
店
(
たな
)
者もただのあきんどじゃねえよ。
右門捕物帖:35 左刺しの匕首
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
塩鯛の歯ぐきも寒し魚の
店
(
たな
)
。此句、翁曰、心づかひせずと句になるものを、自讃に足らずとなり。又かまくらを
生
(
いき
)
て出でけん
初松魚
(
はつがつを
)
と云ふこそ心の
骨折
(
ほねをり
)
人の知らぬ所なり。
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
唯二三軒、うす汚ない雑貨店みたいのが、いまでも店を開いているが、そんな店先にもクレエヴンやペル・メルの
罐
(
かん
)
が
店
(
たな
)
ざらしになっているのは、さすがに軽井沢らしい。
雉子日記
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
出る間際のお増の心には、堅い一人の若いお
店
(
たな
)
ものと浅井と、この二人が残ったきりであった。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
もう何ですぜ、お
店
(
たな
)
から出て、あの
門
(
かど
)
の柳の下でしょんぼりして、看板の
賽
(
さい
)
ころがね、ぽかん
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
小父
(
おじ
)
さん、その彫刻師ってのは、あの
稲荷
(
いなり
)
町のお
店
(
たな
)
でコツコツやってるあれなんですか」
幕末維新懐古談:03 安床の「安さん」の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
店
(
たな
)
おろしの新らしい古本を並べた店と、雑誌ばかり並べた店を見て往くと、地べたへ
莚
(
むしろ
)
を敷いて、その上に名のとおりのうす汚い古本を並べた、
何時
(
いつ
)
もいる古本屋がいるので
妖影
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
終日
欝
(
ふさ
)
ぎ通して、例の蒼白き顔いよいよ蒼く、妻のお糸はいへば更なり、
店
(
たな
)
の者台所の飯焚女まで些細なる事にも眼に角立てらるれば、アアまた明日は大阪行かと、呟くもあれば
心の鬼
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
一寸
(
ちょっと
)
した
屏風
(
びょうぶ
)
がたててあるのだけれども、おえんま様も映画の赤い旗もみんなまる見えだ。上半身を
晒
(
さら
)
して、
店
(
たな
)
ざらしのお役人の前に、私達は口をあけたり胸を押されたりしている。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
昔の丸善の旧式なお
店
(
たな
)
ふうの建物が改築されて今の堂々たる
赤煉瓦
(
あかれんが
)
に変わったのはいつごろであったか思い出せない。たぶん自分が二年ばかり東京にいなかった間の事であろうと思う。
丸善と三越
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
伏見屋
未亡人
(
みぼうじん
)
のお富から、下隣の新宅(青山所有の分家)を借りて住むお雪婆さんまでがその写真を見に来て、森夫はもうすっかり東京日本橋本町辺のお
店
(
たな
)
ものになりすましていることの
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
店
(
たな
)
ざらしのネギみたいに生白いその手には静脈が青く出ていた。その女がひとりいるだけで、いっぱいのその、舞台装置めいた小部屋の天井には、舞台そっくりの照明電気がつけられてあった。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
ところでこの願人坊主なる者は、
店
(
たな
)
坊主と云つて家を持つてゐる。
物貰ひの話
(旧字旧仮名)
/
三田村鳶魚
(著)
また思ふ、
柑子
(
かうじ
)
の
店
(
たな
)
の
愛想
(
あいそ
)
よき
肥満
(
こえ
)
たる
主婦
(
あるじ
)
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
塩鯛
(
しおだい
)
の
歯茎
(
はぐき
)
も寒し
魚
(
うお
)
の
店
(
たな
)
同
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
鎮守の
店
(
たな
)
に借があるだぞ
運勢
(新字新仮名)
/
波立一
(著)
奉「浅草鳥越片町幸兵衛手代
萬助
(
まんすけ
)
、本所元町
與兵衛
(
よへえ
)
店
(
たな
)
恒太郎、訴訟人長二郎並びに家主
源八
(
げんぱち
)
、其の外名主代組合の者残らず出ましたか」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小舟が兩國橋に近づくと、橋の上の夜の人通りもあり、それに吉原へ急ぐお
店
(
たな
)
者などが、
猪牙
(
ちよき
)
を急がせて、引つきりなしに水の上を通るのです。
銭形平次捕物控:218 心中崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あの、お前さんたち、感違えをしちゃあ困りますよ。あたしゃこの先のお
店
(
たな
)
のもので、あれ、あそこへ
良人
(
うちの
)
が迎えに出てるじゃありませんか」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「何だつて
店
(
たな
)
だてを
喰
(
く
)
はされなければならないんだね。」大杉氏は
艴
(
むき
)
になつて顔を赤くした。「家賃もきちんきちんと
極
(
きま
)
つて払つてるぢやないか。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「小僧のじぶんからあにいたちの供でいって、お
店
(
たな
)
の人たちみんなの気ごころを知っているし、みなさんにもあっしの気ごころはわかっている筈です」
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
菊池容斎や渡辺崋山の名画が一円五十銭か二円ぐらいで古道具屋の
店
(
たな
)
ざらしになっている時節でしたから、歌麿も抱一上人もあったものでございません
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
允成がこの
店
(
たな
)
を借りたのは、その年正月二十二日に従来住んでいた家が焼けたので、
暫
(
しばら
)
く
多紀桂山
(
たきけいざん
)
の
許
(
もと
)
に寄宿していて、八月に至って移転したのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
偖も福井町勘兵衞
店
(
たな
)
勘太郎
召捕
(
めしとら
)
れ入牢申付られしが其後大岡殿
呼出
(
よびいだし
)
の上去年
霜月
(
しもつき
)
十七日の夜中馬喰町馬場の
傍
(
かたは
)
らに住居罷在る米屋市郎左衞門
隱居
(
いんきよ
)
の老女を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
鳶の者だか、ばくち打ちだか、お
店
(
たな
)
ものだか、わけのわからぬ服装になってしまいました。統一が無いのです。
おしゃれ童子
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
何のお
店
(
たな
)
ものの
白瓜
(
しろうり
)
がどんな事を
仕出
(
しいだ
)
しませう、怒るなら怒れでござんすとて
小女
(
こをんな
)
に言ひつけてお銚子の支度
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「ええと、たしか西門慶さまのお
店
(
たな
)
は、こちらさんでございましたね、大旦那は、おいでですかえ?」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
併し、師匠は、いわゆる「お
店
(
たな
)
物」仕事をこれまで引き受けた例しがなかった。「お店物」で制限をつけられてしまうと針がまるで利かなくなってしまうと言われる。
痀女抄録
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
東京の下町の雇人間でお
店
(
たな
)
大事の制度が、親を越えたその子にまでこれほども染み込んでいるのか、それともこの父親には始終こういうにべも無い遣り方でなければ
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「だってそうでしょう」職人は誰にもそれが解らないのが不思議のように熱心に、「だからお客は
莫迦
(
ばか
)
に高いものを着せられて、職人はお
店
(
たな
)
のために働くということになる。 ...
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
“店”の意味
《名詞》
(たな) 商店で、商品を陳列しておく場所。
(たな) 奉公先の商店。
(たな) 貸家。借家。
(みせ) 商品を陳列して売る場所。
(出典:Wiktionary)
“店”の解説
店(みせ、たな)は、商売を行うための建物のこと。商品やサービスを提供する場所である。
(出典:Wikipedia)
店
常用漢字
小2
部首:⼴
8画
“店”を含む語句
珈琲店
茶店
料理店
酒店
大店
百貨店
喫茶店
割烹店
此店
旅店
店頭
店前
理髪店
商店
開店
西洋料理店
中店
唐物店
露店
店舗
...