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壞
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こは
ふりがな文庫
“
壞
(
こは
)” の例文
新字:
壊
それらの
器物
(
きぶつ
)
は
今日
(
こんにち
)
ではたいてい
土
(
つち
)
に
埋
(
うづ
)
もれて
見
(
み
)
えなくなつたり、
壞
(
こは
)
れてなくなつてしまつて、
遺
(
のこ
)
つてゐるものは
甚
(
はなは
)
だ
少
(
すくな
)
いのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
壞
(
こは
)
れた壁に圍まれた狹い平地、夕ぐれ時を示す、昇りはじめた
新月
(
しんげつ
)
につきまとうた感情を、私は、云ひ
現
(
あら
)
はすことが出來ない。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
覗
(
のぞ
)
くと、
山
(
やま
)
の
根
(
ね
)
を
境
(
さかひ
)
にした
廣々
(
ひろ/″\
)
とした
庭
(
には
)
らしいのが、
一面
(
いちめん
)
の
雜草
(
ざつさう
)
で、
遠
(
とほ
)
くに
小
(
ちひ
)
さく、
壞
(
こは
)
れた
四阿
(
あづまや
)
らしいものの
屋根
(
やね
)
が
見
(
み
)
える。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
手桶
(
てをけ
)
一提
(
ひとさげ
)
の
豆腐
(
とうふ
)
ではいつもの
處
(
ところ
)
をぐるりと
廻
(
まは
)
れば
屹度
(
きつと
)
なくなつた。
還
(
かへ
)
りには
豆腐
(
とうふ
)
の
壞
(
こは
)
れで
幾
(
いく
)
らか
白
(
しろ
)
くなつた
水
(
みづ
)
を
棄
(
す
)
てゝ
天秤
(
てんびん
)
は
輕
(
かる
)
くなるのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
とある小山の麓に僅かに倒れ殘つた
荒屋
(
あばらや
)
が即ちそれで、
茅葺
(
かやぶき
)
の屋根は剥がれ、壁は
壞
(
こは
)
れて、普通の
住宅
(
すみか
)
であつたのを無理に教場らしく間に合せたため
古い村
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
▼ もっと見る
平次はさう言はれて二軒長屋の
境
(
さかひ
)
の壁を見ました。成程多の市の部屋の柱寄り、丁度疊から五六寸上が、向うから
壞
(
こは
)
されたやうに、ポコリと土が落ちて居るのです。
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昔風
(
むかしふう
)
の
門
(
もん
)
を
入
(
はひ
)
ると
桑園
(
くはゞたけ
)
の
間
(
あひだ
)
を
野路
(
のみち
)
のやうにして
玄關
(
げんくわん
)
に
達
(
たつ
)
する。
家
(
いへ
)
は
僅
(
わづか
)
に
四間
(
よま
)
。
以前
(
いぜん
)
の
家
(
いへ
)
を
壞
(
こは
)
して
其古材
(
そのふるざい
)
で
建
(
たて
)
たものらしく
家
(
いへ
)
の
形
(
かたち
)
を
作
(
なし
)
て
居
(
ゐ
)
るだけで、
風趣
(
ふうち
)
も
何
(
なに
)
も
無
(
な
)
いのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
この村を通り過ぎると、次の村まではまた暫くの間
人家
(
じんか
)
が無かつた。次の村の入口には、
壞
(
こは
)
れた
硝子戸
(
がらすど
)
を白紙で
繕
(
つくろ
)
つた
床屋
(
とこや
)
があつた。其の村は前の村よりも貧しさうであつた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
つい
此間
(
このあひだ
)
迄
(
まで
)
は
疎
(
まば
)
らな
杉垣
(
すぎがき
)
の
奧
(
おく
)
に、
御家人
(
ごけにん
)
でも
住
(
す
)
み
古
(
ふる
)
したと
思
(
おも
)
はれる、
物寂
(
ものさび
)
た
家
(
いへ
)
も
一
(
ひと
)
つ
地所
(
ぢしよ
)
のうちに
混
(
まじ
)
つてゐたが、
崖
(
がけ
)
の
上
(
うへ
)
の
坂井
(
さかゐ
)
といふ
人
(
ひと
)
が
此所
(
こゝ
)
を
買
(
か
)
つてから、
忽
(
たちま
)
ち
萱葺
(
かやぶき
)
を
壞
(
こは
)
して、
杉垣
(
すぎがき
)
を
引
(
ひ
)
き
拔
(
ぬ
)
いて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
十數年來の自信を、まつたく
壞
(
こは
)
されてしまつたのである。
折々の記
(旧字旧仮名)
/
吉川英治
(著)
此方の計劃も
打
(
ぶ
)
ち
壞
(
こは
)
されてしまひます。
孫だち
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
いまお
話
(
はなし
)
した
古墳
(
こふん
)
から
出
(
で
)
る
鏡
(
かゞみ
)
は
青銅
(
せいどう
)
で
作
(
つく
)
つてあるので、
青色
(
あをいろ
)
の
錆
(
さび
)
が
出
(
で
)
てをつても、
腐
(
くさ
)
つたものは
少
(
すくな
)
く、たいてい
壞
(
こは
)
れないで
土
(
つち
)
の
中
(
なか
)
から
出
(
で
)
て
來
(
き
)
ます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
私は
壞
(
こは
)
れかけた壁を狂氣のやうに危く急いで這ひのぼりました、たゞ一目頂上からあなたを見たいと夢中になつて。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「その百兩の茶碗、五十兩の茶入といふエテ物を、片つ端から叩き
壞
(
こは
)
した奴があるんですよ」
銭形平次捕物控:144 茶碗割り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
田圃
(
たんぼ
)
の
鴫
(
しぎ
)
が
何
(
なに
)
に
驚
(
おどろ
)
いたかきゝと
鳴
(
な
)
いて、
刈株
(
かりかぶ
)
を
掠
(
かす
)
めるやうにして
慌
(
あわ
)
てゝ
飛
(
とん
)
で
行
(
いつ
)
た。さうして
後
(
のち
)
は
白
(
しろ
)
く
閉
(
とざ
)
した
氷
(
こほり
)
が
時々
(
ときどき
)
ぴり/\と
鳴
(
なつ
)
てしやり/\と
壞
(
こは
)
れるのみで
只
(
たゞ
)
靜
(
しづ
)
かであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「へい、
殿樣
(
とのさま
)
へ、
御免
(
ごめん
)
なせいまし。」と
尻
(
しり
)
からげの
緊
(
しま
)
つた
脚絆
(
きやはん
)
。もろに
揃
(
そろ
)
へて
腰
(
こし
)
を
屈
(
かゞ
)
めて
揉手
(
もみで
)
をしながら、ふと
見
(
み
)
ると、
大王
(
だいわう
)
の
左右
(
さいう
)
の
御傍立
(
おわきだち
)
。
一
(
ひと
)
つは
朽
(
く
)
ちたか、
壞
(
こは
)
れたか、
大破
(
たいは
)
の
古廟
(
こべう
)
に
形
(
かたち
)
も
留
(
と
)
めず。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
なにぶん
薄
(
うす
)
い
鐵
(
てつ
)
の
板
(
いた
)
でつくり、これを
革
(
かは
)
の
紐
(
ひも
)
で
結
(
むす
)
び
合
(
あは
)
せたものでありますから、
今
(
いま
)
ではぼろ/\に
壞
(
こは
)
れて、
完全
(
かんぜん
)
に
遺
(
のこ
)
つてゐるものは
稀
(
まれ
)
であります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
それで、私が火を眺めて描いてゐた
剪嵌細工
(
モザイク
)
はすつかり
壞
(
こは
)
されて、それと一緒に獨りぽつちの寂しさを襲ひはじめてゐた、なんとなく重い嫌な氣もまた散つて了つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「八、後ろへ廻つて窓をブチ
壞
(
こは
)
せ。中に人間が二人居るぞツ、危いから氣をつけろ」
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼等
(
かれら
)
は
漸次
(
しば/\
)
家族
(
かぞく
)
の
間
(
あひだ
)
の
殊
(
こと
)
に
夫婦
(
ふうふ
)
の
爭
(
あらそ
)
ひに
深入
(
ふかいり
)
して
却
(
かへつ
)
て
雙方
(
さうはう
)
から
恨
(
うら
)
まれるやうな
損
(
そん
)
な
立場
(
たちば
)
に
嵌
(
はま
)
つた
經驗
(
けいけん
)
があるので、
壞
(
こは
)
れた
茶碗
(
ちやわん
)
をそつと
合
(
あは
)
せるだけの
手數
(
てすう
)
で
巧
(
たくみ
)
に
身
(
み
)
を
引
(
ひ
)
く
方法
(
はうはふ
)
と
機會
(
きくわい
)
とを
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
利かせる氣ぢやブチ
壞
(
こは
)
しだ。町方の者と
覺
(
さと
)
つたら最後、何んにも教へちやくれまい。それより評定所や下馬先や、大名方のお供の大勢集まるところへ首を突込んで、精一杯お前の耳を働かせるんだ
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「蓋を開けちやならねえよ、瓶を
壞
(
こは
)
さないやうに、そつと掘出すんだ」
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「この縁談を
壞
(
こは
)
したいと思ふ者があるに相違ないが——」
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
壞
部首:⼟
19画
“壞”を含む語句
破壞
崩壞
不壞
壞空
爛壞
破壞力
破壞作用
欠壞
打壞
崩壞物
壞片
壞滅
壞劫
偶像破壞者
倒壞家屋
事壞
不壞金剛