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刄物
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はもの
ふりがな文庫
“
刄物
(
はもの
)” の例文
其時
(
そのとき
)
宗助
(
そうすけ
)
は
是
(
これ
)
はならんと
思
(
おも
)
つた。けれども
果
(
はた
)
して
刄物
(
はもの
)
を
用
(
もち
)
ひて、
肩
(
かた
)
の
肉
(
にく
)
を
突
(
つ
)
いて
可
(
い
)
いものやら、
惡
(
わる
)
いものやら、
決
(
けつ
)
しかねた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
乘行
(
のせゆき
)
夜
(
よ
)
丑刻過
(
やつどきすぎ
)
に歸り候處町内の天水桶にて
刄物
(
はもの
)
を
洗
(
あら
)
ふ者あり
其形容
(
そのかたち
)
勘太郎に
髣髴
(
よくに
)
たりとは存じながら私し
共
(
ども
)
見屆けるにも及ばざる事ゆゑ路次を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
切れ物は鋭き石の
刄物
(
はもの
)
なるべく、
針
(
はり
)
は骨にて作りたるものなるべし。是等の器具に付きては別に記す所有るべし。共に石器時代の
遺跡
(
ゐせき
)
より出づ。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
刄物
(
はもの
)
を
以
(
もつ
)
て
突
(
つ
)
つ
刺
(
つあ
)
しても
同
(
どう
)
一である。
蛸壺
(
たこつぼ
)
の
底
(
そこ
)
には
必
(
かなら
)
ず
小
(
ちひ
)
さな
穴
(
あな
)
が
穿
(
うが
)
たれてある。
臀
(
しり
)
からふつと
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
つ
掛
(
か
)
けると
蛸
(
たこ
)
は
驚
(
おどろ
)
いてすると
壺
(
つぼ
)
から
逃
(
に
)
げる。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
多「アはゝゝゝゝ
既
(
すんで
)
に八十両という大金を
奪
(
と
)
られる処だった、去年
汝
(
われ
)
が
己
(
おれ
)
に
刄物
(
はもの
)
突付けて、
既
(
すんで
)
のことで殺される処を助かって此処にいるだが、
汝
(
われ
)
はまアだ悪事が
止
(
や
)
まねえのか」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
患者等
(
かんじゃら
)
は
油虫
(
あぶらむし
)
、
南京虫
(
なんきんむし
)
、
鼠
(
ねずみ
)
の
族
(
やから
)
に
責
(
せ
)
め
立
(
た
)
てられて、
住
(
す
)
んでいることも
出来
(
でき
)
ぬと
苦情
(
くじょう
)
を
云
(
い
)
う。
器械
(
きかい
)
や、
道具
(
どうぐ
)
などは
何
(
なに
)
もなく
外科用
(
げかよう
)
の
刄物
(
はもの
)
が二つあるだけで
体温器
(
たいおんき
)
すら
無
(
な
)
いのである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
出したつて話ですから、いづれ、そんな事で
刄物
(
はもの
)
三
昧
(
まい
)
になつたんぢや御座いませんか
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それから二つの口はあんまり鋭くない
刄物
(
はもの
)
で切ってあるけれども、他の二つは丈夫な歯でくい切ってある。——レーナー君、これは何だね、自殺じゃないね。これは実に巧妙に仕組んである、冷酷な殺人だよ」
入院患者
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
「なぜ、いきなり
刄物
(
はもの
)
を突き
附
(
つ
)
けねえんだ、」
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
その
儘
(
まゝ
)
の
座敷牢
(
ざしきらう
)
縁
(
えん
)
の
障子
(
しやうじ
)
の
開閉
(
あけたて
)
にも
乳母
(
うば
)
が
見張
(
みは
)
りの
目
(
め
)
は
離
(
はな
)
れず
況
(
ま
)
してや
勘藏
(
かんざう
)
が
注意
(
ちゆうい
)
周到
(
しうたう
)
翼
(
つばさ
)
あらば
知
(
し
)
らぬこと
飛
(
と
)
ぶ
鳥
(
とり
)
ならぬ
身
(
み
)
に
何方
(
いづく
)
ぬけ
出
(
い
)
でん
隙
(
すき
)
もなしあはれ
刄物
(
はもの
)
一
(
ひと
)
つ
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れたや
處
(
ところ
)
は
異
(
かは
)
れど
同
(
おな
)
じ
道
(
みち
)
に
後
(
おく
)
れはせじの
娘
(
むすめ
)
の
目色
(
めいろ
)
見
(
み
)
てとる
運平
(
うんぺい
)
が
氣遣
(
きづか
)
はしさ
錦野
(
にしきの
)
との
縁談
(
えんだん
)
も
今
(
いま
)
が
今
(
いま
)
と
運
(
はこ
)
びし
中
(
なか
)
に
此
(
この
)
こと
知
(
し
)
られなば
皆
(
みな
)
畫餠
(
ぐわべい
)
なるべし
包
(
つゝ
)
まるゝだけは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
二に曰く人骨の
外面
(
ぐわいめん
)
殊
(
こと
)
に筋肉の付着點に
刄物
(
はもの
)
の
疵
(
きづ
)
有り。三に曰く人骨は他動物の
遺骨
(
ゐこつ
)
と同樣に人工を以て
折
(
を
)
り
碎
(
くだ
)
かれたり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
己
(
おの
)
れも
迯
(
にが
)
さぬぞと
源
(
げん
)
八へ
突掛
(
つきかゝ
)
るに源八は
思
(
おも
)
ひも寄ぬ
事
(
こと
)
なれば
驚
(
おどろ
)
き
周章
(
あわて
)
右
(
みぎ
)
の手を
出
(
いだ
)
して
刄物
(
はもの
)
を
挈取
(
もぎとら
)
んとせし處を
切先
(
きつさき
)
深
(
ふか
)
く二の
腕
(
うで
)
を
突貫
(
つきとほ
)
されヤアと
躊躇
(
たちろく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼
(
かれ
)
の
熱火
(
ねつくわ
)
に
燒
(
や
)
かれて
獨
(
ひとり
)
で
冷
(
さ
)
めた
鉈
(
なた
)
も
鎌
(
かま
)
も
凡
(
すべ
)
ての
刄物
(
はもの
)
はもう
役
(
やく
)
には
立
(
た
)
たなかつた。
彼
(
かれ
)
の
手
(
て
)
に
完全
(
くわんぜん
)
に
保
(
たも
)
たれたものは
彼
(
かれ
)
が
自分
(
じぶん
)
の
手
(
て
)
を
恃
(
たの
)
んで
居
(
ゐ
)
る
唐鍬
(
たうぐは
)
のみである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
器械
(
きかい
)
や、
道具
(
だうぐ
)
などは
何
(
なに
)
もなく
外科用
(
げくわよう
)
の
刄物
(
はもの
)
が二つある
丈
(
だ
)
けで
體温器
(
たいをんき
)
すら
無
(
な
)
いのである。
浴盤
(
よくばん
)
には
馬鈴薯
(
じやがたらいも
)
が
投込
(
なげこ
)
んであるやうな
始末
(
しまつ
)
、
代診
(
だいしん
)
、
會計
(
くわいけい
)
、
洗濯女
(
せんたくをんな
)
は、
患者
(
くわんじや
)
を
掠
(
かす
)
めて
何
(
なん
)
とも
思
(
おも
)
はぬ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「お前が今朝主人の死骸を見付けた時、
刄物
(
はもの
)
を見なかつたか?」
銭形平次捕物控:119 白紙の恐怖
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
光る
刄物
(
はもの
)
のかなしさか。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
殺したりと
白状
(
はくじやう
)
致
(
いた
)
せども
盜
(
ぬす
)
みたる金も見えず又女を殺したる
刄物
(
はもの
)
もなしと
有
(
あ
)
るに旅僧頭を上げ其
節
(
せつ
)
盜
(
ぬす
)
みし
金子
(
きんす
)
も
刄物
(
はもの
)
も
迯
(
にげ
)
候
節
(
せつ
)
取落
(
とりおと
)
し身一つになり候處を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
鹿猪等の骨を見るに
筋肉
(
きんにく
)
の
固着
(
こちやく
)
し居りし局部には
鋭
(
するど
)
き刄物にて
疪
(
きづ
)
を付けし
痕
(
あと
)
有り。此は石にて
作
(
つく
)
れる
刄物
(
はもの
)
を用ゐて肉を切り
離
(
はな
)
したる爲に
生
(
しやう
)
ぜしものたる事疑ふ可からず。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
「昨夜、大野田の伜を殺した
刄物
(
はもの
)
は何んだ」
銭形平次捕物控:294 井戸端の逢引
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
刄
部首:⼑
3画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“刄物”で始まる語句
刄物三昧