トップ
>
花活
>
はないけ
ふりがな文庫
“
花活
(
はないけ
)” の例文
いつの間におぼえたのか、いくつかの花を器用にあしらって、あとは
花活
(
はないけ
)
になげこめばいいだけの形の
花束
(
はなたば
)
にまとめあげるのだった。
一坪館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
浪「貴方がお
誂
(
あつら
)
えだと申して
塵
(
ごみ
)
だらけの
瓢
(
ふくべ
)
を持ってまいりましたが、
彼
(
あれ
)
はお
花活
(
はないけ
)
に遊ばしましても余り
好
(
よ
)
い姿ではございません」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さてお銀様は、机の上をながめたけれども、そこに、有野村の家の居間にあるような、一輪差しの
花活
(
はないけ
)
も何もありません。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
丸テーブルの上には安い
京焼
(
きょうやき
)
の
花活
(
はないけ
)
に、浅ましく水仙を突きさして、葉の先が黄ばんでいるのを、いつまでもそのままに水をやらぬ気と見える。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
花菖蒲
(
はなしょうぶ
)
及び
蝿取撫子
(
はえとりなでしこ
)
、これは二、三日前、家の者が
堀切
(
ほりきり
)
へ往て取つて帰つたもので、今は床の間の
花活
(
はないけ
)
に活けられて居る。花活は
秀真
(
ほつま
)
が
鋳
(
い
)
たのである。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
▼ もっと見る
年中
鉄舟先生
(
てっしゅうせんせい
)
やら誰やらの
半折物
(
はんせつもの
)
が掛けてあって、
花活
(
はないけ
)
に花の絶えたことがない……というと結構らしいが、其代り真夏にも寒菊が
活
(
いけ
)
てあったりする。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
未完成のまゝ花器の根元を持つてそつと桂子が押しやつたずんどうの
花活
(
はないけ
)
へ、水を差しながらせん子がいつた。
花は勁し
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
……
田舍
(
ゐなか
)
づくりの、かご
花活
(
はないけ
)
に、づツぷりぬれし
水色
(
みづいろ
)
の、たつたを
活
(
い
)
けし
樂
(
たの
)
しさは、
心
(
こゝろ
)
の
憂
(
う
)
さもどこへやら……
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
花活
(
はないけ
)
に花が活けてあったりして、何だか妙なものだと思ったけれども、万事先生の指図通りにやりました。
久保田米斎君の思い出
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
例えば
斯
(
こ
)
う云う事がある。明治十四、五年の頃、月日は忘れたが、私が日本橋の知る人の家に
行
(
いっ
)
て見ると、その座敷に金屏風だの蒔絵だの
花活
(
はないけ
)
だのゴテ/\一杯に
列
(
なら
)
べてある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ひと目見て、床の間の
花活
(
はないけ
)
に花のなかった寂しさを、感じないわけにはゆかなかった。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
顔に
淡
(
うす
)
く白粉などを塗って、髪も綺麗に
撫
(
な
)
でつけ、神棚に
榊
(
さかき
)
をあげたり、座敷の
薄端
(
うすばた
)
の
花活
(
はないけ
)
に花を活けかえなどした。お庄はそんな手伝いをしながら、昼ごろまでずるずるにいた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
あんらあ
甕
(
がみ
)
(油甕)、あんびん(水甕)、ちゅうかあ(酒
土瓶
(
どびん
)
)、からから(酒注)、わんぶう(鉢)、まかい(
碗
(
わん
)
)、その他、壺、皿、
徳利
(
とっくり
)
、
花活
(
はないけ
)
、
香炉
(
こうろ
)
、
湯呑
(
ゆのみ
)
、等色々の小品が出来る。
現在の日本民窯
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
花活
(
はないけ
)
の花あたらしき朝。
悲しき玩具
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「それでは、これを樽ロケットの中の
花活
(
はないけ
)
にいけましょう。さあヒトミさんも東助君も、いっしょにおはいりなさい」
ふしぎ国探検
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
北側に
床
(
とこ
)
があるので、申訳のために変な
軸
(
じく
)
を掛けて、その前に
朱泥
(
しゅでい
)
の色をした
拙
(
せつ
)
な
花活
(
はないけ
)
が飾ってある。
欄間
(
らんま
)
には
額
(
がく
)
も何もない。ただ
真鍮
(
しんちゅう
)
の
折釘
(
おれくぎ
)
だけが二本光っている。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……柱かけの
花活
(
はないけ
)
にしをらしく咲いた
姫百合
(
ひめゆり
)
は、羽の生えた
蛆
(
うじ
)
が来て、こびりつく
毎
(
ごと
)
に、
懈
(
た
)
ゆげにも、あはれ、
花片
(
はなびら
)
ををのゝかして、
毛
(
け
)
一筋
(
ひとすじ
)
動かす
風
(
かぜ
)
もないのに、
弱々
(
よわよわ
)
と
頭
(
かぶり
)
を
掉
(
ふ
)
つた。
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
しげしげ足を運んでくる
生花
(
はな
)
の先生は、小野田が段々好いお
顧客
(
とくい
)
へ
出入
(
ではい
)
りするようになったお島に習わせるつもりで、頼んだのであったが、一度も
花活
(
はないけ
)
の前に坐ったことのない彼女の代りに
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
隣医
瓢
(
ひさご
)
を
花活
(
はないけ
)
に造り
椿
(
つばき
)
を活けて贈り来る滑稽の人なり
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
小女郎は水仙の花にちょっと手を触れて、
花活
(
はないけ
)
のそばにある新聞をとり上げた。読むかと思ったら四つに畳んで
傍
(
かたわら
)
に置いた。この女は用もないのに立ち上がったのである。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
花活
(
はないけ
)
のところに近づくと、目を皿のようにして、花活のまわりをしらべていたが、やがて、大きくうなずくと、ナイフをもちなおし、ぷつりと、花活のうしろに刃をあてて引いた。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
掻巻の裾を
渚
(
なぎさ
)
のごとく、電燈に爪足白く、流れて通って、
花活
(
はないけ
)
のその桜の一枝、舞の構えに手に取ると、ひらりと直って、袖にうけつつ、
一呼吸
(
ひといき
)
籠めた心の響、花ゆらゆらと胸へ取る。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
書齋
(
しよさい
)
の
柱
(
はしら
)
には
例
(
れい
)
の
如
(
ごと
)
く
錦
(
にしき
)
の
袋
(
ふくろ
)
に
入
(
い
)
れた
蒙古刀
(
もうこたう
)
が
振
(
ぶ
)
ら
下
(
さ
)
がつてゐた。
花活
(
はないけ
)
には
何處
(
どこ
)
で
咲
(
さ
)
いたか、もう
黄色
(
きいろ
)
い
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
が
插
(
さ
)
してあつた。
宗助
(
そうすけ
)
は
床柱
(
とこばしら
)
の
中途
(
ちゆうと
)
を
華
(
はな
)
やかに
彩
(
いろ
)
どる
袋
(
ふくろ
)
に
眼
(
め
)
を
着
(
つ
)
けて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一度
(
いちど
)
蕉園
(
せうゑん
)
さんが
住
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
た、おまじなひ
横町
(
よこちやう
)
へ
入
(
はひ
)
らうとする、
小
(
ちひ
)
さな
道具屋
(
だうぐや
)
の
店
(
みせ
)
に、
火鉢
(
ひばち
)
、
塗箱
(
ぬりばこ
)
、
茶碗
(
ちやわん
)
、
花活
(
はないけ
)
、
盆
(
ぼん
)
、
鬱金
(
うこん
)
の
切
(
きれ
)
の
上
(
うへ
)
に
古
(
ふる
)
い
茶碗
(
ちやわん
)
、
柱
(
はしら
)
にふツさりと
白
(
しろ
)
い
拂子
(
ほつす
)
などの
掛
(
かゝ
)
つた
中
(
なか
)
に
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
中国人の硝子屋が、硝子板のさきでもって、看護婦のそばにあった大きな
花活
(
はないけ
)
を床の上につき落して壊してしまった。水がざあっと看護婦の白い制服にひっかかって、たいへんなことになった。
浮かぶ飛行島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
書斎の柱には、例のごとく錦の袋に入れた
蒙古刀
(
もうことう
)
が
振
(
ぶ
)
ら
下
(
さ
)
がっていた。
花活
(
はないけ
)
にはどこで咲いたか、もう黄色い菜の花が
挿
(
さ
)
してあった。宗助は床柱の中途を
華
(
はな
)
やかに
彩
(
いろ
)
どる袋に眼を着けて
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
花活
(
はないけ
)
に……
菖蒲
(
あやめ
)
にしては葉が細い。優しい白い
杜若
(
かきつばた
)
、それに姫百合、その床の掛物に
払子
(
ほっす
)
を描いた、
楽書
(
らくがき
)
同然の、また悪く筆意を見せて毛を
刎
(
は
)
ねた上に、「喝。」と太筆が一字
睨
(
にら
)
んでいる。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
花活
(
はないけ
)
の中
地獄の使者
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私はちょっと
其処
(
そこ
)
へ掛けて、会釈で済ますつもりだったが、古畳で暑くるしい、せめてのおもてなしと、竹のずんど
切
(
ぎり
)
の
花活
(
はないけ
)
を持って、庭へ出直すと台所の前あたり、井戸があって、
撥釣瓶
(
はねつるべ
)
の
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一輪挿
(
いちりんざし
)
を持ったまま障子を
開
(
あ
)
けて
椽側
(
えんがわ
)
へ出る。花は庭へ
棄
(
す
)
てた。水もついでにあけた。
花活
(
はないけ
)
は手に持っている。実は花活もついでに棄てるところであった。花活を持ったまま椽側に立っている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
北側
(
きたがは
)
に
床
(
とこ
)
があるので、
申譯
(
まをしわけ
)
の
爲
(
ため
)
に
變
(
へん
)
な
軸
(
ぢく
)
を
掛
(
か
)
けて、
其前
(
そのまへ
)
に
朱泥
(
しゆでい
)
の
色
(
いろ
)
をした
拙
(
せつ
)
な
花活
(
はないけ
)
が
飾
(
かざ
)
つてある。
欄間
(
らんま
)
には
額
(
がく
)
も
何
(
なに
)
もない。
唯
(
たゞ
)
眞鍮
(
しんちゆう
)
の
折釘丈
(
をれくぎだけ
)
が二
本
(
ほん
)
光
(
ひか
)
つてゐる。
其他
(
そのた
)
には
硝子戸
(
がらすど
)
の
張
(
は
)
つた
書棚
(
しよだな
)
が
一
(
ひと
)
つある。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
炬燵の上に水仙が落ちて、
花活
(
はないけ
)
の水が
点滴
(
したた
)
る。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
花活
(
はないけ
)
さ」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
花
常用漢字
小1
部首:⾋
7画
活
常用漢字
小2
部首:⽔
9画
“花”で始まる語句
花
花瓶
花魁
花弁
花片
花園
花崗岩
花簪
花崗石
花車