よく)” の例文
つまをおさいといひ、俳名を翠仙すゐせんといふ、夫婦ともに俳諧をよく文雅ぶんがこのめり。此柏筵はくえんが日記のやうに書残かきのこしたるおいたのしみといふ随筆ずゐひつあり。
たゞして申けるは是名主甚兵衞其外の百姓共よくうけたまはれ將軍の上意なればかるからざる事なりしかるに當村中一同に申合せしらぬ/\と強情がうじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
俗官ぞっかん汚吏おりはしばらくさしおき、品行正雅の士といえども、この徳沢とくたく範囲はんいを脱せんとするも、実際においてほとんどよくすべからざることなり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
然ニ今日木圭木戸孝允より一紙相達候間、御覧に入候。同人事は御国の情ニよく通じ居り候ものにて、彼初強く後、女の如などはもつとも吾病にさし当り申候。
珠運とか云う小二才はおのれだななま弱々しい顔をしてよくもお辰を拐帯かどわかした、若いには似ぬ感心なうでしかし若いの、闘鶏しゃもの前では地鶏じどりはひるむわ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その時に当ッてよく心を養うものは何かというと、まず耶蘇教ヤソきょうの人ならばバイブル、耶蘇教でない人ならば、これは卒業なさる方々に言うのであるが
人格の養成 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
阿豺あさい申すには、汝らよく心得よ、一本なれば折りやすし、数本集むれは折りがたし、皆々一致して国を固めよかしと。国にても家にても道理は同じ事なり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
されば外見よそみには大分限だいぶげんごとくなれど、其實そのじつ清貧せいひんなることをそれがし觀察仕くわんさつつかまつりぬ。此人このひとこそ其身そのみをさまりてよくいへをさまれるにこそさふらはめ、かなら治績ちせきべくとぞんさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
自然に化して俗を離るるの捷径しょうけいありや、こたえていわく、詩を語るべし、子もとより詩をよくす、他に求むべからず、波疑敢問はうたがってあえてとう、それ詩と俳諧といささかそのを異にす
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
とずう/\しく名宛なあてが書いてあり、以前は勤めをしたあけびしのおあさですから手はよくはありませんが、書馴れて居りますから色気があって綺麗に書いてあります。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
釋尊、八幡のうまれ替りとや申さん。日蓮は凡夫なればよくしらず。これしかし、日蓮がまゐらせしゆゑなり。さこそ父母ふぼよろこ給覽たまふらん。誠に御祝として、餅、酒、鳥目てうもく貫文くわんもん送給候畢おくりたまひさふらひぬ
随て他の感情を動かすに軽重ある又宜ならずや、方今漢文をよくするを以て世に尊まるゝ者極めて多く、中に就て菊池きくちけい依田百川よだひゃくせん君の二氏尤も記事文に巧みに、三けい翁は日本虞初新誌にっぽんぐしょしんしの著あり
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
我等こときの目によく見へ候か上手たるへきと存事ぞんずることに候
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つまをおさいといひ、俳名を翠仙すゐせんといふ、夫婦ともに俳諧をよく文雅ぶんがこのめり。此柏筵はくえんが日記のやうに書残かきのこしたるおいたのしみといふ随筆ずゐひつあり。
よくも女の手一ツにて斯樣かやうに御育養そだて有れしぞしかし其後は御亭主ていしゆも定めてお出來なされたであらうに今日はいづれへかお出かけにやと言へばお光はかたち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一 みこかんなぎなどの事に迷て神仏を汚し近付ちかづきみだりいのるべからず。只人間の勤をよくする時は祷らず迚も神仏は守り給ふべし。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
叔父なればとて常不断よくも貴様の無理を忍んで居る事ぞと見る人は皆、歯切はぎしりを貴様にんで涙をお辰にこぼすは、しゅうと凍飯こおりめし食わするような冷い心の嫁も
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
然ニ先日の御書中大芝居の一件、兼而かねて存居候所とや、実におもしろくよく相わかり申候間、いよいよ憤発可仕奉存候。
これらの事なみ兄弟の仰ぎのっとるべき処なり。皆々よく心懸くべし。これすなわち孝行と申すものなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
故に私はこの卒業せらる方々によく記憶して戴きたいと思うことは、書物を読む力を失わぬようにせねばならぬことで、もうこれで安心だ、もう学校も卒業したからして、これで学者になッた
人格の養成 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
熱いつゆ下腹したばらへ、たらたらとみたところから、一睡ひとねむりして目が覚めると、きやきや痛み出して、やがて吐くやら、くだすやら、尾籠びろうなお話だが七顛八倒しちてんはっとうよくも生きていられた事と、今でも思うです。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
村「…益々御機嫌よく御暮おくら被成候なされそうろう御事おんこと蔭ながら御嬉おんうれしく存じあげ※」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
聞てよくこそ心付たれ我はばゝの事に心付ざりし隨分ずゐぶん澤山たくさんつかはせと有ければ寶澤は大いによろこ早速さつそく酒を徳利へうつさかなをば竹の皮につゝ降積ふりつもりたる大雪おほゆき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わけも申さずう申しては定めて道理の分らぬやつめと御軽侮おさげすみはずかしゅうはござりまするし、御慈悲深ければこそ縄までといて下さった方に御礼もよくは致さず
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一、昨日ハ御書拝見又別紙ニも大坂の町ぶれなど——より送りくれ候ニ付、其御地の御もよふよくわかり申候。
その中について独り西洋学者の流は深謀遠慮にして、ひそかおもえらく、官軍或は暴ならん、仮令い暴なりと雖ども西洋人に害を及ぼすことは彼輩のよくする所にあらざるべし
故社員の一言今尚精神 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
人心作用の微妙を察し、談笑して天下の紛難を解くは、横井あるいはこれをよくせん。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
貴重きちよう尊用そんようはさら也、極品ごくひん誂物あつらへものは其しなよくじゆくしたる上手をえらび、何方いづく誰々たれ/\ゆびにをらるゝゆゑ、そのかずに入らばやとて各々おの/\わざはげむ事也。かゝる辛苦しんくわづかあたひため他人たにんにする辛苦しんく也。
よく口を締めてから、油断しないで読書力を続けてやらんければならぬ。
人格の養成 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
段〻の御思召よく相わかり申候。そが中ニも蝦夷の一条は別して兼而かねて存込の事故、元より御同意仕候。
然れども婦人の心正しく行儀よくして妬心ねたみごころなくば、去ずとも同姓の子を養ふべし。或はてかけに子あらば妻に子なくとも去に及ばず。三には淫乱なれば去る。四には悋気りんき深ければ去る。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
此湯硫黄ゆわうの気ありてよく疥癬しつるゐし、一時いちじ流行りうかうして人群をなせり。
秋気次第に相増候処、愈々御機嫌よく御座、目出度千万存奉候。次に私儀無異に相暮申候。御休心可成下候。兄御許にアメリカ沙汰申上候に付、御覧可成候。
いよいよ御機嫌よく御座目出度奉存候。
よく御考可下候。