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瀬戸
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せと
ふりがな文庫
“
瀬戸
(
せと
)” の例文
そういう古いお住まいの一つが、
山陰道
(
さんいんどう
)
の
城崎
(
きのさき
)
温泉からそんなに遠くない
瀬戸
(
せと
)
の
日和山
(
ひよりやま
)
の上にもあります。瀬戸神社がそれです。
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
みんな
六
(
む
)
つの
瀬戸
(
せと
)
もののエボレットを
飾
(
かざ
)
り、てっぺんにはりがねの
槍
(
やり
)
をつけた
亜鉛
(
とたん
)
のしゃっぽをかぶって、
片脚
(
かたあし
)
でひょいひょいやって行くのです。
月夜のでんしんばしら
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
一枝は、その金の管理を、夫の親友で、関東信託に勤めてゐる
瀬戸
(
せと
)
といふ男に頼み、その高については、母の下枝子にさへ内証にしてゐたのである。
落葉日記
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
大
(
おほき
)
な
蛤
(
はまぐり
)
、
十
(
と
)
ウばかり。(
註
(
ちう
)
、ほんたうは
三個
(
さんこ
)
)として、
蜆
(
しゞみ
)
も
見事
(
みごと
)
だ、
碗
(
わん
)
も
皿
(
さら
)
もうまい/\、と
慌
(
あわ
)
てて
瀬戸
(
せと
)
ものを
噛
(
かじ
)
つたやうに、
覺
(
おぼ
)
えがきに
記
(
しる
)
してある。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一行四人は
兵衛
(
ひょうえ
)
の
妹壻
(
いもうとむこ
)
が
浅野家
(
あさのけ
)
の家中にある事を知っていたから、まず
文字
(
もじ
)
が
関
(
せき
)
の
瀬戸
(
せと
)
を渡って、
中国街道
(
ちゅうごくかいどう
)
をはるばると広島の城下まで上って行った。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
瀬戸
(
せと
)
の
窯
(
かま
)
は古くかつ広く、早くより歴史家から注意せられた。特に「
志野
(
しの
)
」や「
織部
(
おりべ
)
」は好んで茶人間に
玩
(
もてあそ
)
ばれた。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
瀬戸
(
せと
)
の職人たちだの、
那古屋
(
なごや
)
や
清洲
(
きよす
)
のとくい先の家族だの、武家だの、親類先のまた知りあいの者だのと——ずいぶんな客が夕方からぞろぞろ集まった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後
(
うしろ
)
になし
急
(
いそ
)
ぐに
瀬戸
(
せと
)
の
染領
(
そめりやう
)
や
清
(
きよ
)
き小川を打渡り心は
正直
(
しやうぢき
)
一
遍
(
ぺん
)
の實意ぞ深き
洲崎村
(
すさきむら
)
五里の
八幡
(
やはた
)
も駕籠の中
祈誓
(
きせい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「いえ、痛み入ります。実ア喧嘩も喧嘩、これから、れっきとしたお城づとめのおさむれえさんの首が十七、ころころころと
転
(
ころ
)
がり出そうてエ
瀬戸
(
せと
)
ぎわなんで」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
行
(
い
)
つてみると、
尺
(
しゃく
)
五
寸
(
すん
)
ほどの
瀬戸
(
せと
)
の
鉢
(
はち
)
が、
庭
(
にわ
)
の
土
(
つち
)
にいけてあつて、その
鉢
(
はち
)
は、からつぽだけれど、
水
(
みず
)
だけはつてあるし、ぐるりに、
白
(
しろ
)
い
砂
(
すな
)
をきれいにまいてあつて
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
又
(
また
)
但馬大地震
(
たじまだいぢしん
)
の
調査日記
(
ちようさにつき
)
には、
震原地
(
しんげんち
)
の
殆
(
ほと
)
んど
直上
(
ちよくじよう
)
たる
瀬戸
(
せと
)
の
港西小學校
(
こうさいしようがくこう
)
に
一泊
(
いつぱく
)
したことを
記
(
しる
)
した。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
いや、事実カスミ女史は、なみなみならぬすぐれた頭脳の持主であり、その後、僕は女史からさまざまな指導をうけ、あやうい
瀬戸
(
せと
)
ぎわをいくたびも女史に助けられた。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
波もさっきまでのように高くはなくなり、
嵐
(
あらし
)
もしずまります。
割
(
わ
)
れ目や
裂
(
さ
)
け目に
生
(
は
)
えている緑の草木もそのままにしておいて、じぶんは小さな
瀬戸
(
せと
)
や入江になってしまいます。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「なるほど。何の道にも苦しい
瀬戸
(
せと
)
はある。有難い。お蔭で世界を広くしました。」
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
清盛が
厳島
(
いつくしま
)
に
参詣
(
さんけい
)
する道を
直
(
なお
)
くするために切り開かした
音戸
(
おんど
)
の
瀬戸
(
せと
)
で、傾く日をも呼び返したと人は申しまする。法皇は清盛の
女
(
むすめ
)
の
胎
(
はら
)
から生まれた
皇子
(
おうじ
)
に位を
譲
(
ゆず
)
られる、と聞いております。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「この電車が
瀬戸
(
せと
)
まで参ります。瀬戸物のできる瀬戸です」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
阿波
(
あは
)
の
鳴門
(
なると
)
穩戸
(
おんど
)
の
瀬戸
(
せと
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
だが彼の作より遥か美しい無数の無銘な作が存在することに盲目であるのを許し得ようか。例えば
瀬戸
(
せと
)
でできた
絵附
(
えつけ
)
の
煮染皿
(
にしめざら
)
を見られよ(挿絵第一図)。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
青磁
(
せいじ
)
、
赤江
(
あかえ
)
、
錦手
(
にしきで
)
の
皿小鉢
(
さらこばち
)
、
角
(
かど
)
の
瀬戸
(
せと
)
もの
屋
(
や
)
がきらりとする。
横町
(
よこちやう
)
には
斜
(
なゝめ
)
に
突出
(
とつしゆつ
)
して、
芝居
(
しばゐ
)
か、
何
(
なん
)
ぞ、
興行
(
こうぎやう
)
ものの
淺葱
(
あさぎ
)
の
幟
(
のぼり
)
が
重
(
かさ
)
なつて、ひら/\と
煽
(
あふ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼はおどろきのあまり心臓がとまりそうになったが、ここが
生命
(
いのち
)
の
瀬戸
(
せと
)
ぎわだと思い
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
四五日後
折柴
(
せつさい
)
と話してゐると、底に穴を明けた
瀬戸
(
せと
)
の火鉢へ、
縁日物
(
えんにちもの
)
の
木犀
(
もくせい
)
を植ゑて置いたら、花をつけたと云ふ話を聞かせられた。さうしたら又牛込で遇つた女の事を思ひ出した。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あの
蒼白
(
あおじろ
)
いつるつるの
瀬戸
(
せと
)
でできているらしい
立派
(
りっぱ
)
な
盤面
(
ダイアル
)
の時計です。
耕耘部の時計
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
しかしこれはおそらく
瀬戸
(
せと
)
の風を伝えたものでありましょう。窯場としては県下第一の大きなものであります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
逃出
(
にげだ
)
すと
言
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
に、わが
家
(
や
)
への
出入
(
でい
)
りにも、
硝子
(
がらす
)
、
瀬戸
(
せと
)
ものの
缺片
(
かけら
)
、
折釘
(
をれくぎ
)
で
怪我
(
けが
)
をしない
注意
(
ちうい
)
であつた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
銅印
(
どういん
)
もある。
瀬戸
(
せと
)
の火鉢もある。
天井
(
てんじやう
)
には鼠の食ひ破つた穴も、……
漱石山房の冬
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
玄関は白い
瀬戸
(
せと
)
の
煉瓦
(
れんが
)
で組んで、実に立派なもんです。
注文の多い料理店
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
瀬戸
(
せと
)
と呼ぶ古い町が中心で、
煙
(
けむり
)
の勢いは今も衰えません。歴史は
甚
(
はなは
)
だ遠く近在に多くの窯場を産みました。それというのも良い陶土を近くに得られるからであります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
寢苦
(
ねぐるし
)
い
思
(
おも
)
ひの
息
(
いき
)
つぎに
朝戸
(
あさど
)
を
出
(
で
)
ると、あの
通
(
とほ
)
り
暴
(
あ
)
れまはつたトタン
板
(
いた
)
も
屋根板
(
やねいた
)
も、
大地
(
だいち
)
に、ひしとなつてへたばつて、
魍魎
(
まうりやう
)
を
跳
(
をど
)
らした、ブリキ
罐
(
くわん
)
、
瀬戸
(
せと
)
のかけらも
影
(
かげ
)
を
散
(
ち
)
らした。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
商人
(
あきうど
)
で此の
節
(
せつ
)
は立派に暮して居るけれど、若いうち
一時
(
ひとしきり
)
困つたことがあつて、
瀬戸
(
せと
)
のしけものを
背負
(
しょ
)
つて、方々国々を売つて
歩行
(
ある
)
いて、此の野に
行暮
(
ゆきく
)
れて、其の時
草
(
くさ
)
茫々
(
ぼうぼう
)
とした中に
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あの
瀬戸
(
せと
)
で夥しくできた
行灯皿
(
あんどんざら
)
を見られよ(挿絵第四図)。いかなる名画家がかくも美しく描いたのかと思うであろう。だがそうではない。その時代のその地方の誰でもが描いた絵なのである。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
瀬
常用漢字
中学
部首:⽔
19画
戸
常用漢字
小2
部首:⼾
4画
“瀬戸”で始まる語句
瀬戸際
瀬戸物
瀬戸内
瀬戸内海
瀬戸火鉢
瀬戸引
瀬戸物屋
瀬戸物町
瀬戸川
瀬戸島