“瀬戸引”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せとびき66.7%
せとひき33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そう。でも、お茶だけ入れましょうよ。おばさん。お湯がわいているなら頂戴ちょうだい。」と叫びながら下へ降り、すぐに瀬戸引せとびき薬鑵やかんげて来た。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
眼を開けて見ると、右向になったまま、瀬戸引せとびき金盥かなだらいの中に、べっとり血を吐いていた。金盥が枕に近く押付けてあったので、血は鼻の先に鮮かに見えた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
炭火を深くいけ込んだ上に、灰が綺麗きれいに筋目を立ててならしてあり、三徳の上に載せてある瀬戸引せとひき薬鑵やかんまでが、研ぎ立てたようにピカピカ光っているのである。
猫と庄造と二人のおんな (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)