“引戸”の読み方と例文
読み方割合
ひきど100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
裏口の引戸ひきどを開ける音とともに物干台に出ていた女がどしんと板のへ降りる物音。つづいて正午のサイレンが鳴り出す。女は思直おもいなおしたようにすわり直って
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
勝手元の引戸ひきどに、家の割には、たいへん頑丈がんじょうで大きい錠前じょうまえが、かかっていた。わしは、懐中ふところを探って、一つの鍵をとり出すと、鍵孔かぎあなにさしこんで、ぐッとねじった。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
自分の主君の親戚か、別懇べっこんな諸侯に途中で行き会えば、こうするのが諸士の礼儀だし、先も、駕籠の引戸ひきどを開けて、あいさつするのが作法。おれの姿を見ると、吉良殿も、その通り、駕籠戸を
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)