“ひきど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引戸50.0%
引扉25.0%
曳扉12.5%
曵戸12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勝手元の引戸ひきどに、家の割には、たいへん頑丈がんじょうで大きい錠前じょうまえが、かかっていた。わしは、懐中ふところを探って、一つの鍵をとり出すと、鍵孔かぎあなにさしこんで、ぐッとねじった。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
粗末なベンチが二列に並んだ正面に、低い壇があり、そのうしろが引扉ひきどで仕切られている。寒い朝で、堅い木のベンチに掛けていると、しんしんと腰からえがあがってきて、チリ毛に鳥肌が立った。
春雪 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「……いま、一ツ橋御門へ入ろうとすると、いきなり門内からむさんに飛びだして来たやつがあって、闇雲やみくもに駕籠の曳扉ひきどのあたりにえらい勢いで体あたりをくれた……」
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
曵戸ひきどの格子から風呂場を覗くと、広い浴槽の向こうの正面の片隅に、誰か人が一人湯に浸っている。この夜更けに誰かと思って賢彌は瞳を凝らした。
岩魚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)