“引扉”の読み方と例文
読み方割合
ひきど100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
言葉が切れると一緒に、駕はなみにのせられた如くギッシギッシと揺れはじめた。引扉ひきどすだれに月影が透いた時、その中にある御方は、美しい眼を細く閉じて、いかにも心地よげに見えた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
粗末なベンチが二列に並んだ正面に、低い壇があり、そのうしろが引扉ひきどで仕切られている。寒い朝で、堅い木のベンチに掛けていると、しんしんと腰からえがあがってきて、チリ毛に鳥肌が立った。
春雪 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)