“せと”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:セト
語句割合
瀬戸65.9%
迫門9.8%
陶器7.3%
瀬門4.9%
狭戸4.9%
背戸4.9%
迫戸2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みんなつの瀬戸せともののエボレットをかざり、てっぺんにはりがねのやりをつけた亜鉛とたんのしゃっぽをかぶって、片脚かたあしでひょいひょいやって行くのです。
月夜のでんしんばしら (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
或ひは源氏の大将の昔の路を忍びつつ、須磨すまより明石あかしの浦づたひ、淡路あはぢ迫門せとを押しわたり、絵島が磯の月を見る、或ひは白浦しろうら吹上ふきあげ、和歌の浦、住吉すみよし難波なには高砂たかさご
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
彼女は下へおりて行ったが、二分ばかり立って、安物の陶器せとの水飲みに、水を入れて引っ返した。が、彼はその先どうなったか、もう覚えていなかった。
もしもお上人様までが塔あぶないぞ十兵衛呼べと云わるるようにならば、十兵衛一期の大事、死ぬか生きるかの瀬門せとに乗っかかる時、天命を覚悟して駈けつけましょうなれど
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
吉良上野介の雑倉ぞうぐらにあたるもので、一旦緩急あれば、逆落しにここへ落ちこんで、あやうい生命の狭戸せとをすり抜けようという、よく考えたドデンの場なのであった。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
背戸せとを出たればナー
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
万葉集の“はやと迫戸せとと岩穂”も仲哀帝の渡航も、文字ノ関守の時代も、現実は冷酷に、歴史的回顧の一切を一笑に附し去っている。ただそれは海峡の潮音と虚空の風に聴くしかない。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)