“せともの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
瀬戸物58.6%
陶器31.0%
陶品3.4%
磁器3.4%
陶物3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あちこちに大きな瀬戸物せとものの工場や製糸場ができました。そこらの畑や田はずんずんつぶれて家がたちました。いつかすっかり町になってしまったのです。
虔十公園林 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
その他そこらには呉服屋、陶器せともの屋、葉茶屋、なぞがあったようだが私はそれらについて懐かしい何の思い出もない。
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
陶品せともののビンからいだ飲み物が女の手から渡された。謙作ははしを置いてそれを口にした。と、謙作の前にははなやかな世界が来た。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その途端とたんに扉のきしる音がして入った者があった。それは白い前垂まえだれをしたわかい女が盆の上に瓢箪ひょうたんの形をした陶品せともののビンを載せ、それに小さなあしの長いコップをえて持って来たところであった。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
文身ほりものの様に雲竜うんりゅうなどの模様もようがつぶつぶで記された型絵の燗徳利かんどくりは女の左の手に、いずれ内部なか磁器せとものぐすりのかかっていようという薄鍋うすなべもろげな鉄線耳はりがねみみを右の手につままれて出で来る。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
座敷のまんなかに陶物せとものの大きな火鉢を置いて、そばに汚れぬ座蒲団ざぶとんを並べ、私の来るのを待っていたようである。私は、つくづく感心しながら
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)