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ふりがな文庫
“
書
(
がき
)” の例文
件
(
くだん
)
の(神妙候)は、濃い墨で、立派に書いてござりますそうなが、(藤原
何某
(
なにがし
)
、)と名
書
(
がき
)
の下へ、押しました判というのが、これが大変。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
予報
(
テップ
)
売りの口上だ。私も買ってみたが、帳面のきれはしに馬の番号が
出鱈目
(
でたらめ
)
に——どうもそうとしか思われない——
殴
(
なぐ
)
り
書
(
がき
)
してあるだけだ。
踊る地平線:02 テムズに聴く
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
由緒のあるお家らしく、風雅な構えで、障子の
腰張
(
こしばり
)
に歌が散らし
書
(
がき
)
にしてありました。その折奥様にもお目にかかりました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
吸
(
く
)
みてはしり
書
(
がき
)
うるはしく
四書五經
(
ししよごけい
)
の
角々
(
かど/″\
)
しきはわざとさけて
伊勢源氏
(
いせげんじ
)
のなつかしきやまと
文
(
ぶみ
)
明暮
(
あけくれ
)
文机
(
ふづくゑ
)
のほとりを
離
(
はな
)
さず
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
うっかり
開
(
あ
)
けると、
破
(
やぶ
)
れそうにまだ
濡
(
ぬ
)
れている
墨色
(
すみいろ
)
で、それは少年の
筆
(
ふで
)
らしく、まことに
稚拙
(
ちせつ
)
な走り
書
(
がき
)
。読みくだしてみると、その
文言
(
もんごん
)
は——。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
明日
(
あす
)
午前
会
(
あ
)
ひたし、と
薄墨
(
うすずみ
)
の
走
(
はし
)
り
書
(
がき
)
の簡単極るもので、表に裏神保町の
宿屋
(
やどや
)
の
名
(
な
)
と
平岡常
(
ひらをかつね
)
次郎といふ差出人の姓名が、表と同じ乱暴さ加減で書いてある。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
須磨子が見つけた額には、気取つた筆で無意味な文字を二三字
擲
(
なぐ
)
り
書
(
がき
)
にして、渓水と落款があつた。須磨子は、
疳走
(
かんばし
)
つた声で「ちよいと先生」と呼んだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
出
(
い
)
づるを送りし夫人繁子はやがて居間の安楽椅子に腰かけて、慈善会の趣意
書
(
がき
)
を見ながら、駒子を手招きて
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
御身がおじい様の八郎次どのから、いつ何時たりとも苦しからずと、有難い
遺
(
のこ
)
し
書
(
がき
)
を頂戴しておるゆえ、またまた拝借に参ったのじゃ。では、頂いて参ろうわい。
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
手帳を破ってそのうえに
走
(
はし
)
り
書
(
がき
)
にしたためたものであった。手首がとんでも、なおしっかり握りしめていたその手紙というのには、一体何が書いてあったろうか。
幽霊船の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
中「はい、親族だけに手前へ此の役を仰せ付けられました、
上
(
かみ
)
から仰せ付けでございますから、仰せ付けられ
書
(
がき
)
を
一
(
ひ
)
と通り読上げた上で
緩
(
ゆっく
)
りお話し致しましょう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
押分
(
おしわけ
)
るに見物山の如くにて近寄事
叶
(
かな
)
はず其中に討入の者の名前
書
(
がき
)
を
賣歩行
(
うりあるく
)
故
(
ゆゑ
)
買取
(
かひとり
)
て見るに寺坂吉右衞門迄名前
有共
(
あれども
)
小山田と云は無し
這
(
こ
)
は記者の
間違
(
まちがひ
)
ならんと又賣來るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
シカシさすがに心細いと見えて、返えす
書
(
がき
)
に、跡で憶出して書加えたように薄墨で
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
おまえがときどき「あんまり断片的の感想で、さっぱり判りませんね。もっと冷静に書いて
寄越
(
よこ
)
して下さい」と
苦
(
にが
)
り切った手紙を寄越さなければならないほどの感情にあふれた
走
(
はし
)
り
書
(
がき
)
を
巴里のむす子へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
とにかく先刻申しました容體
書
(
がき
)
を一應警察の方へ出して置いて、それから宅へ𢌞つて歸りましたのださうですが、やども私たちがこちらへ出てまゐりますのと擦れ違ひに着きましたさうで
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
俺
(
おれ
)
と
並
(
なら
)
べ
書
(
がき
)
にせられた
足下
(
おぬし
)
ぢゃ!
予
(
わし
)
が
今
(
いま
)
埋
(
う
)
めて
進
(
しん
)
ぜよう
名譽
(
めいよ
)
の
墓
(
はか
)
に。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
紙の間には別に
重封
(
かさねふう
)
の
書
(
ふみ
)
ありて、アントニオ樣へとうは
書
(
がき
)
せり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
畳の上に置かれ放しになっている、配役
書
(
がき
)
だったのである。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
寄
(
よ
)
せ
書
(
がき
)
の葉書の上を
柳絮
(
りゅうじょ
)
飛ぶ
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「されば、この辺へも、お尋ね
書
(
がき
)
が廻っていたからご存知だろうが
打虎
(
だこ
)
武松だ。
景陽岡
(
けいようこう
)
で猛虎をなぐり殺したあの男さ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
献立
書
(
がき
)
が、
処々
(
ところどころ
)
、
紅
(
くれない
)
の二重圏点つきの
比羅
(
びら
)
になって、辻々、塀、大寺の門、橋の欄干に
顕
(
あら
)
われて、
芸妓
(
げいしゃ
)
の
屋台囃子
(
やたいばやし
)
とともに、最も注意を引いたのは、仮装行列の
催
(
もよおし
)
であった。
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
吐
(
つき
)
今日私し宮崎樣の御屋敷へ罷り
越
(
こし
)
御屆書を差上げし處内記樣早速
御逢
(
おあひ
)
成
(
なさ
)
れて御屆け
書
(
がき
)
の趣き
逐
(
ちく
)
一御
尋問
(
たづね
)
有りける故其次第を申立候處
先
(
まづ
)
御聞濟
(
おきゝずみ
)
の樣には候へども何か此方の
御樣子
(
ごやうす
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
初さんはたしかに
坑
(
あな
)
の中は陸のように地面のない所だと云った。この人は時々思い掛けない事を云うから、今度もたしかにとただし
書
(
がき
)
をつけて、その確実な事を保証して置くんである。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「今日はすこし頭がぼんやりしているんでね、とんちんかんなことをいうんだよ」と僕はいいわけをして、「おやおや、深度基点〇メートルはいいが、その
脇
(
わき
)
に
但
(
ただ
)
し
書
(
がき
)
がしてあるじゃないか。 ...
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
中奉書
(
ちゅうぼうしょ
)
の二つ折に美しい散らし
書
(
がき
)
で、なかなか読めません。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
差添のお役人が懐から仰せ渡され
書
(
がき
)
を
取出
(
とりいだ
)
して読上げます。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
添
(
そ
)
へ
書
(
がき
)
までしてあつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
おやじはその
上
(
う
)
わ
書
(
がき
)
と彼の姿をじっと見くらべ、急に物腰をあらためてこう言いだした。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
医学士が
頷
(
うなず
)
いたので、橘が筆をあてがうと、わずかに枕を
擡
(
もた
)
げ、天地
紅
(
べに
)
の半
切
(
きれ
)
に、薄墨のあわれ水茎の
蹟
(
あと
)
、にじり
書
(
がき
)
の端に、わか
※
(
まいらせそろ
)
とある上へ、少し大きく、
佳
(
い
)
い手で脇屋欽之助つま
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
御光さんは器量もよし
気質
(
きだて
)
も優しいし、
家
(
うち
)
に田地も大分あるし、其
上
(
うへ
)
家
(
うち
)
と
家
(
うち
)
との今迄の関係もある事だから、さうしたら双方共都合が
好
(
い
)
いだらうと書いて、そのあとへ但し
書
(
がき
)
が付けてある。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
泊所
(
とまりどころ
)
覺
(
おぼ
)
え
書
(
がき
)
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それと門人の
聞
(
き
)
き
書
(
がき
)
に、体はいつも水拭きにして風呂には生涯入らなかったとあるが、それは晩年の熊本時代のことだろうと思われる。しかし、それについて、武蔵が述懐したという
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
手帳の紙へはしり
書
(
がき
)
して、一枚
手許
(
てもと
)
へ
引切
(
ひきき
)
った、そのまま獅子をさし招いて
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
但
(
ただ
)
し
書
(
がき
)
をつけて、一応自分の顔をとくと見た。自分は
案
(
あん
)
の
定
(
じょう
)
釣り出された。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
老臣
(
ろうしん
)
の伊東十兵衛も、わたされた早文の走り
書
(
がき
)
を一
見
(
けん
)
して、
仰天
(
ぎょうてん
)
しながら
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三の
散佚
(
さんいつ
)
はあろうが、言うまでもなく、堂の
内壁
(
ないへき
)
にめぐらした
八
(
やつ
)
の棚に満ちて、二代
基衡
(
もとひら
)
のこの
一切経
(
いっさいきょう
)
、一代
清衡
(
きよひら
)
の
金銀泥一行
(
きんぎんでいいちぎょう
)
まぜ
書
(
がき
)
の一切経、
並
(
ならび
)
に
判官贔屓
(
ほうがんびいき
)
の第一人者、三代
秀衡
(
ひでひら
)
老雄の奉納した
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いつであったか、大坂表でわがみが、わしに見せてくれた中条流の許し
書
(
がき
)
の巻物に、そう書いてあったじゃろうが。その時、わがみは佐々木小次郎というのは自分の別名じゃというたではないか」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なぜッて、宗山がその夜の
中
(
うち
)
に、私に
辱
(
はずかし
)
められたのを
口惜
(
くや
)
しがって、
傲慢
(
ごうまん
)
な奴だけに、ぴしりと、もろい折方、憤死してしまったんだ。七代まで流儀に
祟
(
たた
)
る、と手探りでにじり
書
(
がき
)
した
遺書
(
かきおき
)
を残してな。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼はひとり
焚香
(
ふんこう
)
静坐して、長巻の極意
書
(
がき
)
をしたためていたらしい。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
火急
(
かきゅう
)
火急と、走り
書
(
がき
)
にすくいをもとめてきた
蝶
(
ちょう
)
むすびの
早文
(
はやぶみ
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なに系図
書
(
がき
)
、それは立派な証拠だ。ほかには」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
柾木孫平治
(
まさきまごへいじ
)
覚
(
おぼ
)
え
書
(
がき
)
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
書
常用漢字
小2
部首:⽈
10画
“書”を含む語句
文書
添書
書籍
表書
艶書
遺書
上書
書状
筋書
書物
口書
能書
書記
読書
書面
草書
御書
手書
願書
書机
...