トップ
>
普
>
あまね
ふりがな文庫
“
普
(
あまね
)” の例文
硝子
(
ガラス
)
は水晶に比して活用の便あり、以て窻戸を装ふべし、以て洋燈のホヤとなすべし、天下
普
(
あまね
)
く其の活用の便を認むるを得るなり。
人生に相渉るとは何の謂ぞ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
法然上人が諸宗に通達しているということが、人口に
普
(
あまね
)
くなった上右の慶雅法橋が御室(鳥羽院第五の皇子
覚性法親王
(
かくしょうほうしんのう
)
)の御前で
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「片言もって
獄
(
ごく
)
を
折
(
さだ
)
むべきものは、それ
由
(
ゆう
)
か」などという孔子の
推奨
(
すいしょう
)
の辞までが、
大袈裟
(
おおげさ
)
な
尾鰭
(
おひれ
)
をつけて
普
(
あまね
)
く知れ
渡
(
わた
)
っていたのである。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
旧約全書の始めに当り、蛇がイヴを誘惑する話は
普
(
あまね
)
く人の知る所であり、ジエレミエー第八章にはコツカトリスなる怪蛇の名が出て来る。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
大衆 ——御教に
帰依
(
きえ
)
し奉る。誓って御教の如く解し行じ持ち、また
普
(
あまね
)
く一切に施さん。南無生命体。南無生命相。南無生命用。
阿難と呪術師の娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
件
(
くだん
)
の
如
(
ごと
)
く
鮭
(
けい
)
の字も古く用ひたれば、おほかたの
和文章
(
わぶんしやう
)
にも鮭の字を用ふべし、鮏の字は
普
(
あまね
)
くは通じ
難
(
がた
)
し。こゝには
姑
(
しばら
)
く鮏に
从
(
したが
)
ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そうして見たところがやはり窮屈な話で、それだけで
普
(
あまね
)
く人生の森羅万象、あらゆる境涯・感情を表現するに足らぬのは当り前の話である。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
この二大発見は法律史上に最も貴重なる材料を与え、法学の進歩に偉大なる功績があったことは
普
(
あまね
)
く人の知るところである。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
「自分も悟りの彼岸へ行った。人もまた悟りの彼岸へ行かしめた。
普
(
あまね
)
く一切の人々をみな行かしめ終わった。かくてわが
覚
(
さとり
)
の道は成就された」
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
実際なる此人殺しの
寝室
(
ねま
)
の内には取散したる跡を見ず老人の日頃不自由なく暮し
而
(
しか
)
も質素を
旨
(
むね
)
として万事に注意の
普
(
あまね
)
き事は
是
(
これ
)
だけにて察せらる
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
著書「
冥途
(
めいど
)
」一巻、他人の廡下に立たざる特色あり。然れども不幸にも出版後、直に震災に遭へるが為に
普
(
あまね
)
く世に行はれず。僕の遺憾とする所なり。
内田百間氏
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
江戸八百万石の御威勢、
海内
(
かいだい
)
に
普
(
あまね
)
しと雖も、ひとねじりねじ切ってつかわせと言うような茶道の隠語は今が最初です。
旗本退屈男:05 第五話 三河に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「ミ」に対して
普
(
あまね
)
く「美」および「微」の字を用いた中に「
神
(
カミ
)
」の「み」にはいつも「微」を用いて「美」を用いないということに気がつきながら
古代国語の音韻に就いて
(新字新仮名)
/
橋本進吉
(著)
最も名高いのは加藤清正
毒饅頭
(
どくまんじゅう
)
一件だが、それ等の談は皆虚誕であるとしても、各自が他を疑い且つ自ら
警
(
いまし
)
め備えたことは
普
(
あまね
)
く存した事実であった。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
故に前年
駅
(
はゆま
)
を
馳
(
は
)
せて天下の神宮を
増
(
ま
)
し
飾
(
ととの
)
へ、
去歳
(
こぞ
)
普
(
あまね
)
く天下をして
釈迦牟尼仏
(
しやかむにぶつ
)
の尊像高一丈六尺なるもの各
一鋪
(
いちふ
)
を造り並に大般若経一部を写さ令めき。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
一国の教育とは、有志有力にして世の中の事を心配する人物が、世間一般の有様を察して教育の大意方向を定め、以て
普
(
あまね
)
く後進の少年を導くことなり。
教育の事
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
我々青年を
囲繞
(
いぎょう
)
する空気は、今やもうすこしも流動しなくなった。強権の勢力は
普
(
あまね
)
く国内に行わたっている。現代社会組織はその
隅々
(
すみずみ
)
まで発達している。
時代閉塞の現状:(強権、純粋自然主義の最後および明日の考察)
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
世間には、諺にもあるとおり、⦅都の名士でもなければ、村のどん百姓でもない、どっちつかずの中ぶらりん⦆という尊称で
普
(
あまね
)
く知られている人種がある。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
言語以外の方面に於ても
普
(
あまね
)
く文献の蒐集攷究を
力
(
つと
)
められると同時に、国語学の上にも益々新資料を供給されることを自分は著者に熱望して止まないのである。
南嶋を思いて:――伊波文学士の『古琉球』に及ぶ――
(新字新仮名)
/
新村出
(著)
江戸時代にありて
普
(
あまね
)
く探墓の興を世の人に知らしめし好奇の士は、『江戸名家墓所一覧』の一書を著せし
老樗軒
(
ろうちょけん
)
の主人を以てまづはその鼻祖ともなすべきにや。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
山田
(
やまだ
)
は
出嫌
(
でぎら
)
ひであつたが、
私
(
わたし
)
は
飛行自由
(
ひぎやうじざい
)
の
方
(
はう
)
であるから、
四方
(
しはう
)
に
交
(
まじはり
)
を
結
(
むす
)
びました、
処
(
ところ
)
が
予備門
(
よびもん
)
内
(
ない
)
を
普
(
あまね
)
く
尋
(
たづ
)
ねて見ると、なか/\
斯道
(
しだう
)
の
好者
(
すきしや
)
が
潜伏
(
せんぷく
)
して
居
(
ゐ
)
るので
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
この教義が道徳上に是認されて
普
(
あまね
)
く社会制度と結び、特に深く法律と結合したるその効果は偉大である。
現代の婦人に告ぐ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
そこで城下の周囲にある山川または神社仏閣等は
普
(
あまね
)
く歩き廻って、殆んど足跡の到らぬ所なきに至った。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
一、俳句四季の題目の中に人事に属し、しかも
普
(
あまね
)
く世人に知られざるものには季の感
甚
(
はなは
)
だ薄きを常とす。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
して万民
普
(
あまね
)
くこれを行えば
最早
(
もはや
)
武士道と言われない、これが即ち僕の平民道と命名をした所以である。
平民道
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
この原因による労賃の騰貴は
普
(
あまね
)
く、貨幣の貨物の価格の騰貴を伴うであろう、しかしかかる場合には、労働とすべての貨物とが相互の関係において変動しておらず
経済学及び課税の諸原理
(新字新仮名)
/
デイヴィッド・リカード
(著)
為
(
な
)
して著述せるものに御座
候
(
そろ
)
因
(
よ
)
って本書を
普
(
あまね
)
く一般の家庭へ製本実費に
些少
(
さしょう
)
の利潤を附して
御購求
(
ごこうきゅう
)
を願い一面
斯道
(
しどう
)
発達の一助となすと同時に又一面には
僅少
(
きんしょう
)
の利潤を
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
然れども
普
(
あまね
)
く辛苦して材料を
蒐聚
(
しうしゆう
)
するに至りては吾人は之に敬服せざるを得ず。「ペインステーキング」が若し文家の一特質ならば、彼はたしかに此特質を有する也。
明治文学史
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
他年抽斎の師たり、年長の友たるべき人々の
中
(
うち
)
には、現に
普
(
あまね
)
く世に知れわたっているものが少くない。それゆえわたくしはここに一々その伝記を
挿
(
さしはさ
)
もうとは思わない。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
クマザサは一にヤキバザサという小竹にして本邦
普
(
あまね
)
くこれを産す。その葉縁枯白するにより
著
(
し
)
るし。故にクマザサという。クマザサとは隈笹の義にして熊笹の意にあらず。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
一言にして云えば、全波が聴ける、という声、聴きたいという欲望は日本中に
普
(
あまね
)
くあるのだが、実際聴ける機械は、さし当りどこに在るのかわからない状態が生じているのである。
みのりを豊かに
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
天下の
民
(
たみ
)
寒き者多し独り
温煖
(
あたたか
)
ならんやと
曰
(
のたま
)
いし。
宋
(
そう
)
の太祖が
大度
(
たいど
)
を慕い。
普
(
あまね
)
く慈善を施せしも。始め蛍の
資本
(
ひだね
)
より。炭も
焼
(
やく
)
べき
大竈
(
おおかまど
)
と成りし始末の
満尾
(
まんび
)
迄。御覧を
冀
(
ねが
)
うと
言
(
いう
)
よしの。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
非紳士的言論が
普
(
あまね
)
く彼等の眼や耳に伝へられてゐるのだから、なんにもならぬ。
日本映画の水準について
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
アコは言う迄もなく我国でも
普
(
あまね
)
く用いられていた。そうすると秋川は子供の川即ち小さい川の意であるから、本流の多摩川に対してアキ川ということになる。尤も秋川の古名は阿伎留であった。
マル及ムレについて
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
蝙蝠傘の紛失記は別の雑誌に書いたことがあるが、警視庁の遺失品係を見学した時、これが一つの尨大なる倉庫をうずめているのを見て私の同輩が天下に
普
(
あまね
)
く充満しているのを知って意を強くした。
放心教授
(新字新仮名)
/
森於菟
(著)
苦労は
普
(
あまね
)
く行きわたっている。おればかりがもっているんではない。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
普
(
あまね
)
く寛大な読者の「精神」にのみ呼びかけやうとするものである。
FARCE に就て
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
余は之を本邦警察権の為めに
普
(
あまね
)
く世の識者に訴へざるべからず。
鉱毒飛沫
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
、生活資料が増加する場合には
普
(
あまね
)
く増加する。
人口論:01 第一篇 世界の未開国及び過去の時代における人口に対する妨げについて
(新字新仮名)
/
トマス・ロバート・マルサス
(著)
そこで阿弥陀如来が
法蔵比丘
(
ほうぞうびく
)
の昔平等の慈悲に催されて
普
(
あまね
)
く一切を救わんが為に唱名念仏の本願を建てられたのである。
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
○さてまた芭蕉が
行状小伝
(
ぎやうぢやうせうでん
)
は
諸書
(
しよしよ
)
に
散見
(
さんけん
)
して
普
(
あまね
)
く人の知る所なり、しかれども
翁
(
おきな
)
の
容㒵
(
かほかたち
)
は
挙世
(
きよせい
)
知る人あるべからず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
数千部の再版書を
普
(
あまね
)
く天下の有志者に分布するは
即
(
すなわ
)
ち蘭学事始の万歳にして、
啻
(
ただ
)
に先人の功労を日本国中に発揚するのみならず、東洋の一国たる大日本の百数十年前
蘭学事始再版之序
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
徳育の方針ここに一定し、教化
益々
(
ますます
)
四海に
普
(
あまね
)
く、明治二十七、八年
役
(
えき
)
に至って教育の効果はますますその光輝を
発
(
はな
)
ち、内外の人士
嘆美
(
たんび
)
せざるはなき盛運に向いました。
国民教育の複本位
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
例を現代に取るも、人の
普
(
あまね
)
く知る如くマキシム・ゴルキーは、露国最下の賤民たる放浪の徒たりき。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
普
(
あまね
)
く六道三界の衆生も諸共に苦縁を脱し、共に菩提に転向せしめられるであろう。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
「
孔雀
(
くじゃく
)
」「蟋蟀」「白鳥」「かわせみ」「小紋鳥」の五つである。ルナールは性来の音楽嫌いを
標榜
(
ひょうぼう
)
しているが、皮肉にもその作品が世界中の美しい
喉
(
のど
)
によって
普
(
あまね
)
く歌われているのである。
博物誌あとがき
(新字新仮名)
/
岸田国士
(著)
粧飾
(
つくり
)
より
相貌
(
かほだち
)
まで
水際立
(
みづぎはた
)
ちて、
凡
(
ただ
)
ならず
媚
(
こび
)
を含めるは、色を売るものの仮の姿したるにはあらずやと、始めて彼を見るものは皆疑へり。一番の勝負の果てぬ間に、宮といふ名は
普
(
あまね
)
く知られぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
政府は公債を六%以上の利子で募り、そして個人はしばしば間接に、貨幣の利子として一〇%以上のものを支払わざるを得なかったが、しかも同じ期間中に法定率は
普
(
あまね
)
く五%であったのである。
経済学及び課税の諸原理
(新字新仮名)
/
デイヴィッド・リカード
(著)
猥䙝は上下万民に了解せらるる興味なり。かくの如く平民的平等的なる興味また他に求むべからず。救世軍の日本に来るやまづ吉原の娼妓によつて事をなす。天下
普
(
あまね
)
く喜んでその事の是非を論ぜり。
猥褻独問答
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
慈悲も
済度
(
さいど
)
も時と場合によりけりじゃ。
普
(
あまね
)
き信者が信心こめた献納の
祠堂金
(
きどうきん
)
は、何物にも替え難い浄財じゃ。それなる替え難い浄財を尊き霊地に於てスリ取った
不埒者
(
ふらちもの
)
匿
(
かくま
)
うことが、何の慈悲じゃッ。
旗本退屈男:06 第六話 身延に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
普
常用漢字
中学
部首:⽇
12画
“普”を含む語句
普通
普魯西
普請
普及
普陀落
普魯士
普賢
小普請
普門品
仮普請
普請中
橋普請
小普請入
大普請
普賢延命
普賢寺
伊蘇普
普天間
普賢菩薩
道普請
...