損害そんがい)” の例文
實際じつさい大地震だいぢしん損害そんがいおいて、直接ちよくせつ地震動ぢしんどうよりきたるものはわづか其一小部分そのいつしようぶぶんであつて、大部分だいぶぶん火災かさいのためにしようずる損失そんしつであるといへる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
勘次かんじ村落むら臺地だいちであるのと鬼怒川きぬがは土手どてしの密生みつせいしたちからもつわづかながら崩壤ほうくわいするつちめたので損害そんがいかるんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
はたして、さしものにたけくるった大時化おおしけが、もなくおさまり、三浦みうら土地とちはさしたる損害そんがいもなくしてんだのでしたが、三浦以外みうらいがい土地とちたとえば伊豆いずとか
三十七ねんげつ大雪おほゆきがいと、その七月しちぐわつ疫疾えきしつために、牛馬ぎうばそのなかばうしなひたるの災厄さいやくあり。其他そのた天災てんさい人害じんがい蝟集ゐしふきたり、損害そんがいかうむことおびたゞしく、こゝろなやましたることじつすくなからざるなり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
じっさいそれは不幸中のさいわいであった、船は暗礁あんしょうの上にすわったので、外部には少しぐらいの損傷そんしょうがあったが、浸水しんすいするほどの損害そんがいはなかった、だが動かなくなった船をどうするか。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
気候きこうさえあたり前だったら今年は僕はきっといままでの旱魃の損害そんがい恢復かいふくしてみせる。そして来年らいねんからはもううちの経済けいざいも楽にするし長根ぜんたいまできっと生々いきいきした愉快ゆかいなものにしてみせる。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
かの明治二十九年めいじにじゆうくねん三陸地方さんりくちほう海嘯つなみ被害區域ひがいくいきなが百五十ひやくごじゆうまいるにわたり、死者ししや二萬二千人にまんにせんにん重傷者じゆうしようしや四千四百人しせんしひやくにんいへや、ふねながされたもの、農地のうち損失そんしつなどで損害そんがい總額そうがく數千萬圓すうせんまんえんのぼりました。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
この海嘯つなみのちわかつたが、印度洋インドやうちうマルダイヷたう附近ふきん海底かいてい地滑ちすべりに原因げんいんして、亞弗利加アフリカ沿岸えんがんから、亞剌比亞アラビヤ地方ちほうへかけて、非常ひじやう損害そんがいあたへたさうだが、その餘波よはこの孤島はなれじままで押寄おしよせてたのである。
どのくらいの損害そんがいであろう。
このやま近時きんじ淺間山あさまやま交代こうたい活動かつどうするかたむきをつてゐるが、降灰こうはひのために時々とき/″\災害さいがい桑園そうえんおよぼし、養蠶上ようさんじよう損害そんがいかうむらしめるので、土地とちひと迷惑めいわくがられてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
事件じけん如此かくのごとくにして一けんめうしかもつと普通ふつう方法はうはふんで終局しうきよくげられた。被害者ひがいしや損害そんがいたいする賠償ばいしやうわづかであるとはいひながら一主人しゆじんからてそれが被害者ひがいしやわたされた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いまの時代は自己じこ点張てんばりでは生きてゆけない、少年はたがいにひじをとり、かたをならべて、共同戦線に立たねばならぬのだ、ひとりの滅亡めつぼうは万人の滅亡だ、ひとりの損害そんがいは万人の損害だ
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
かうして鎔岩ようがんあらされた損害そんがいおほきいが、それよりも火山灰かざんばひのために荒廢こうはいした土地とち損害そんがい地盤沈下じばんちんかによつてうしなはれた附近ふきん水田すいでんあるひ鹽田えんでん損害そんがいはそれ以上いじようであつて
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
其處そこには毛蟲けむし淺猿あさましい損害そんがいあるひるにしても、しと/\としば/\こずゑあめそらあをさをうつしたかとおもふやうに力強ちからづよふかいみどり地上ちじやうおほうてさわやかなすゞしいかげつくるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
地震ぢしん直接ちよくせつ損害そんがいしようじないこともある。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)