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こづかひ
ふりがな文庫
“
小遣
(
こづかひ
)” の例文
…………兄さんも阿母さんから、
初中
(
しよちう
)
内密
(
ないしよ
)
で
小遣
(
こづかひ
)
を戴き乍ら…………阿母さんが被仰る通り女の様に
衣服
(
きもの
)
なんか買ふのは馬鹿々々しい。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
金があるかないかは素より知らず、此家に來てから五年になるが「ろくなお
小遣
(
こづかひ
)
も貰はなかつた」と少し
怨
(
ゑん
)
ずる色があります。
銭形平次捕物控:110 十万両の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
立
(
た
)
つ
前
(
まへ
)
の
晩
(
ばん
)
に、
父
(
ちゝ
)
は
宗助
(
そうすけ
)
を
呼
(
よ
)
んで、
宗助
(
そうすけ
)
の
請求
(
せいきう
)
通
(
どほ
)
り、
普通
(
ふつう
)
の
旅費
(
りよひ
)
以外
(
いぐわい
)
に、
途中
(
とちゆう
)
で二三
日
(
にち
)
滯在
(
たいざい
)
した
上
(
うへ
)
、
京都
(
きやうと
)
へ
着
(
つ
)
いてからの
當分
(
たうぶん
)
の
小遣
(
こづかひ
)
を
渡
(
わた
)
して
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
車夫
(
くるまや
)
の
足
(
あし
)
が
何時
(
いつ
)
より
遲
(
おそ
)
いやうに
思
(
おも
)
はれて、
御好物
(
ごかうぶつ
)
の
飴屋
(
あめや
)
が
軒
(
のき
)
も
見
(
み
)
はぐりました、
此金
(
これ
)
は
少〻
(
せう/\
)
なれど
私
(
わたし
)
が
小遣
(
こづかひ
)
の
殘
(
のこ
)
り、
麹町
(
かうじまち
)
の
御親類
(
ごしんるい
)
よりお
客
(
きやく
)
の
有
(
あり
)
し
時
(
とき
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
承知
(
しようち
)
だよ、
承知
(
しようち
)
だよ。お
鳥目
(
てうもく
)
がねえとか、
小遣
(
こづかひ
)
は
持
(
も
)
たねえとか
云
(
い
)
ふんだらう。
働
(
はたらき
)
のねえ
奴
(
やつ
)
は
極
(
きま
)
つて
居
(
ゐ
)
ら、と
恁
(
か
)
う
云
(
い
)
つては
濟
(
す
)
まないのさ。
其處
(
そこ
)
はお
秋
(
あき
)
さんだ。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
振舞
(
ふるまひ
)
小遣
(
こづかひ
)
など與へて喜ばせ聲を
潜
(
ひそ
)
めつゝ
其方
(
そなた
)
の主人の娘お高殿に
我等
(
われら
)
豫々
(
かね/″\
)
心
(
こゝろ
)
を
懸
(
かく
)
る所お高殿も氣のある
容體
(
ようす
)
なれども
御母殿
(
おふくろどの
)
が
猿眼
(
さるまなこ
)
をして居る故
咄
(
はなし
)
も
出來難
(
できがた
)
ければ貴樣に此文を
渡
(
わた
)
す
間
(
あひだ
)
能々
(
よく/\
)
人目
(
ひとめ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
こんな調子で始める時は、お
小遣
(
こづかひ
)
をせびるか、平次の智慧の小出しを引出さうとする下心があるに決つて居ります。
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さうして代助には
一口
(
ひとくち
)
の
小言
(
こごと
)
も云はなかつた。代助は其時から、
兄
(
あにき
)
に恐縮して仕舞つた。
其後
(
そののち
)
小遣
(
こづかひ
)
に
困
(
こま
)
る事はよくあるが、困るたんびに
嫂
(
あによめ
)
を
痛
(
いた
)
めて事を済ましてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
對手
(
あひて
)
もなければ
小遣
(
こづかひ
)
もなく、まさか
小盜賊
(
こどろばう
)
をするほどに、
當人
(
たうにん
)
氣位
(
きぐらゐ
)
が
高
(
たか
)
いから
身
(
み
)
を
棄
(
す
)
てられず。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
御用が暇で、粉煙草がなくなつて、女房のお靜が何處かへ
小遣
(
こづかひ
)
の工面に行つた留守などといふものは、錢形平次と
雖
(
いへど
)
もスポイルされずにはゐられません。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
樣子
(
やうす
)
が
何
(
ど
)
うも、ふびんや、
餘
(
あま
)
り
小遣
(
こづかひ
)
がなかつたらしい。
尤
(
もつと
)
も
地
(
ぢ
)
もの
張
(
はり
)
と
俗
(
ぞく
)
に
號
(
がう
)
する
徒
(
てあひ
)
は、
懷中
(
くわいちう
)
の
如何
(
いかん
)
に
係
(
かゝ
)
はらず、
恁
(
か
)
うしたさもしい
料簡
(
れうけん
)
と、
昔
(
むかし
)
から
相場
(
さうば
)
づけに
極
(
き
)
めてある。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、
其上
(
そのうへ
)
修業
(
しうげふ
)
をさせるとなると、
月謝
(
げつしや
)
小遣
(
こづかひ
)
其他
(
そのた
)
は
宗助
(
そうすけ
)
の
方
(
はう
)
で
擔任
(
たんにん
)
しなければ
義理
(
ぎり
)
が
惡
(
わる
)
い。
所
(
ところ
)
が
夫
(
それ
)
は
家計上
(
かけいじやう
)
宗助
(
そうすけ
)
の
堪
(
た
)
える
所
(
ところ
)
でなかつた。
月々
(
つき/″\
)
の
收支
(
しうし
)
を
事細
(
ことこま
)
かに
計算
(
けいさん
)
して
見
(
み
)
た
兩人
(
ふたり
)
は
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
折々手紙に添へて金を送つて參りましたが、五兩三兩の
小遣
(
こづかひ
)
より、私と婆さんの心持にしては、たつた一ぺんでも宜いから、伜の顏を見度い心持で一ぱいで御座います。
銭形平次捕物控:173 若様の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
……
幾干
(
いくら
)
か
小遣
(
こづかひ
)
があると
見
(
み
)
えて、
時々
(
とき/″\
)
前垂
(
まへだれ
)
の
隙間
(
すきま
)
から、
懷中
(
くわいちう
)
を
覗込
(
のぞきこ
)
んで、ニヤリと
遣
(
や
)
る。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
小六
(
ころく
)
さんは、
安
(
やす
)
さんの
所
(
ところ
)
へ
行
(
ゆ
)
くたんびに、
小遣
(
こづかひ
)
でも
貰
(
もら
)
つて
來
(
く
)
るんでせうか」
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その晩、仙八の三年忌の夜のあけぬうちに片付ける積りで、久兵衞に
小遣
(
こづかひ
)
をやつて外に出し、お崎が醉つ拂つたのを見すまして、與吉を使つて天童太郎をおびき出した。
銭形平次捕物控:265 美しき鎌いたち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
祭
(
まつり
)
の
時
(
とき
)
のお
小遣
(
こづかひ
)
を
飴買錢
(
あめかひぜに
)
と
云
(
い
)
ふ。
飴
(
あめ
)
が
立
(
た
)
てものにて、
鍋
(
なべ
)
にて
暖
(
あたゝ
)
めたるを、
麻殼
(
あさがら
)
の
軸
(
ぢく
)
にくるりと
卷
(
ま
)
いて
賣
(
う
)
る。
飴
(
あめ
)
買
(
か
)
つて
麻
(
あさ
)
やろか、と
言
(
い
)
ふべろんの
言葉
(
ことば
)
あり。
饅頭
(
まんぢう
)
買
(
か
)
つて
皮
(
かは
)
やろかなり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
平次と八五郎は、その留守で、手一杯に家中を搜し廻りましたが、なか/\に
洒落
(
しやれ
)
た着物と、少しばかりの
小遣
(
こづかひ
)
の外に、大した貯へもなく、これは全く平次の當て違ひでした。
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
われら
式
(
しき
)
が、
一念發起
(
いちねんほつき
)
に
及
(
およ
)
んだほどお
小遣
(
こづかひ
)
を
拂
(
はた
)
いて、
羅
(
うすもの
)
の
褄
(
つま
)
に、すツと
長
(
なが
)
じゆばんの
模樣
(
もやう
)
が
透
(
す
)
く、……
水色
(
みづいろ
)
の、
色氣
(
いろけ
)
は(たつた)で……
斜
(
なゝめ
)
に
座
(
すわ
)
らせたとした
所
(
ところ
)
で、
歌澤
(
うたざは
)
が
何
(
なん
)
とかで、あのはにあるの
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
翌る日の晝頃、二た
刻
(
とき
)
ばかり留守にしたお照は、宇太八に逢つて、あの手紙を書いた樣子だ。
鑄掛屋
(
いかけや
)
の小僧に
小遣
(
こづかひ
)
をやつて訊いて見ると、手紙の頼み主は、どうも宇太八らしい。
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
少々
(
せう/\
)
ばかり
小遣
(
こづかひ
)
の
中
(
なか
)
から
恁
(
か
)
やうなものを、」
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「大層改まるぢやないか。
小遣
(
こづかひ
)
がなくなつたのか、それとも新色でも——」
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
少
(
すこ
)
しばかり
小遣
(
こづかひ
)
の
中
(
うち
)
から
恁
(
か
)
やうなものを、」
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
なほ惡いやな、仕樣のねえ野郎だ。お
小遣
(
こづかひ
)
が要るなら、俺のところへ來てさう言へば宜いのに、——尤も、俺のところにも一兩と
纒
(
まと
)
まつた金は滅多にねえが、いざとなりや、質を置くとか、女房を
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
小遣
(
こづかひ
)
はふんだんにあるのか」
銭形平次捕物控:101 お秀の父
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
遣
常用漢字
中学
部首:⾡
13画
“小遣”で始まる語句
小遣銭
小遣錢
小遣帳
小遣取
小遣稼
小遣金
小遣錢位