奇妙きめう)” の例文
んと奇妙きめうではありませんか、これてん紹介ひきあはせとでもふものでせう、じつわたくし妻子さいしも、今夜こんや弦月丸げんげつまる日本につぽん皈國かへりますので。
をはるやあいちやんは、一ぽんがあつて、其中そのなか眞直まつすぐ這入はいれるのにがつきました。あいちやんは『これは奇妙きめうだ!』とおもひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
これ奇妙きめう妄想まうざうたものだ。』と、院長ゐんちやうおもはず微笑びせうする。『では貴方あなたわたくし探偵たんていだと想像さうざうされたのですな。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
金太郎は聞いてゐるうちに、の前が白く霞んで來て、見てゐたしや眞が見えなくなつてしまつた。かつて、あまり經けんしたことのない奇妙きめうかんじである。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
六九こよひの奇妙きめう既に一鳥声あり。我ここにありて七〇心なからんやとて、平生つねのたのしみとする俳諧風はいかいぶりの十七ことを、しばし七一うちかたぶいていひ出でける。
ウフ……両掛りやうがけ莨入たばこいれつてつても、肝心かんじん胴巻どうまきを忘れてきやアがつた、なんでも百りやうからるやうだぜ、妻「うも本当に奇妙きめうだね、主「おやまたかへんなすつた。 ...
(和)茗荷 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
老婆らうばがいはく、此火のやうにもゆる処ほかにもあり、夜にいればこと/″\く火をもやすゆゑけものきたらずといへり。が江戸の目にはる所こと/″\く奇妙きめうなり。
ぼく眞面目まじめこたへたのです。まつたぼく大島小學校おほしませうがくかう出身しゆつしんです。故意わざ奇妙きめうこたへをして諸君しよくんおどろかすつもりけつしてもたないので。これまでもぼく出身しゆつしん學校がくかうきかれましたが。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
只今是へ呼出すべしと有しに與力よりきかしこまり候と其儘そのまゝ立て行ければ此場に居合ゐあはせし者共は互ひに顏を見合みあはせしゝける富右衞門が再度ふたたび爰へ出べき樣もなし扨々さて/\御奉行樣は奇妙きめうなことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いまごろがついたか。おれもはらつてきたので、自分じぶん眼玉めだま片方かたほうえぐりだしてつてるのだ。それにしばらくすると、またもとどほりに眼玉めだまがちやんと出来できてくるから奇妙きめうなものさ。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
奇妙きめうねむりに落ちて行く
メランコリア (旧字旧仮名) / 三富朽葉(著)
ふね停泊とゞまつてふねその船々ふね/″\甲板かんぱん模樣もやうや、檣上しやうじやうひるがへ旗章はたじるしや、また彼方かなた波止塲はとばから此方こなたへかけて奇妙きめうふう商舘しやうくわん屋根やねなどをながまわしつゝ
有難ありがたう、てると却々なか/\面白おもしろ舞踏ぶたうだわ』とつてあいちやんは、やうやくそれがんだのをうれしくおもひました、『わたし奇妙きめう胡粉ごふんうた大好だいすきよ!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
いやらん、もうまで、ヅボンや、チヨツキ、長靴ながぐつにはよういのかもれん。しか奇妙きめう成行なりゆきさ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
老婆らうばがいはく、此火のやうにもゆる処ほかにもあり、夜にいればこと/″\く火をもやすゆゑけものきたらずといへり。が江戸の目にはる所こと/″\く奇妙きめうなり。
うして今日けふ此麽こんな奇妙きめうことばかりなんでせう。すぐなかかれさうだわ』つてあいちやんはみました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
猛虎まうこほふるといふ投鎗なげやりかたち髣髴ほうふつとして、その兩端りようたん一種いつしゆ奇妙きめう鋭角えいかくをなしてる、この鋭角えいかくが、てい速力そくりよくくわんして、きわめて緊要きんえうなる特色とくしよくさうである。
或時あるとき徒然つれ/″\なるにまかせて、書物しよもつ明細めいさい目録もくろく編成へんせいし、書物しよもつにはふだを一々貼付はりつけたが、這麼機械的こんなきかいてき單調たんてう仕事しごとが、かへつて何故なにゆゑ奇妙きめうかれ思想しさうろうして、興味きようみをさへへしめてゐた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)