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きめう
金太郎は聞いてゐるうちに、
眼の前が白く霞んで來て、見てゐた
寫眞が見えなくなつてしまつた。かつて、あまり經
驗したことのない
奇妙な
感じである。
六九こよひの
奇妙既に一鳥声あり。我ここにありて
七〇心なからんやとて、
平生のたのしみとする
俳諧風の十七
言を、しばし
七一うちかたぶいていひ出でける。
ウフ……
両掛と
莨入を
持つて
行つても、
肝心の
胴巻を忘れて
行きやアがつた、
何でも百
両から
有るやうだぜ、妻「
何うも本当に
奇妙だね、主「おや
又帰んなすつた。 ...