讀者どくしや)” の例文
新字:読者
これも、えら婦人ふじん傳記でんきとほり、著者ちよしや讀者どくしや婦人ふじんだといふことは、かならずしも、書物しよもつよりも推奬すゐしやうすべき理由りいうにはなりさうもない。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
讀者どくしや諸君しよくん御記臆ごきおくだらう。弦月丸げんげつまるまさに子ープルスかう出發しゆつぱつせんとしたとき何故なにゆゑともなくふかわたくしまなことゞまつた一隻いつさうあやしふねを。
したがつて、洲崎すさきだの、仲町なかちやうだの、諸入費しよにふひかる場所ばしよへは、ひて御案内ごあんないまをさないから、讀者どくしや安心あんしんをなすつてよい。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
元來がんらいなみといふから讀者どくしやすぐかぜおこされるなみ想像そう/″\せられるかもれないが、むしうしほ差引さしひきといふほう實際じつさいちかい。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
三十三まん三千三百三十三にんの『中外ちうぐわい』の讀者どくしやが一せいぼく頭腦づなう明晰めいせき感嘆かんたんしたんだからね。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
高利貸こうりかし老婦人ろうふじん、いかにも露西亞ロシア露西亞ロシアらしくおもはれ、讀者どくしやをして再讀さいどくするにこゝろおこさしむ。居酒屋いざかやける非職官人ひしよくくわんじん懺悔ざんげ自負じふ白状はくじやうきはめ面白おもしろし。その病妻びようさいことひて
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
子供こどもこのはなしには滿足まんぞくしなかつた。大人おとな讀者どくしやおそらくは一そう滿足まんぞくしないだらう。
寒山拾得縁起 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
以上いじやうで、敬愛けいあいする讀者どくしや諸君しよくん髣髴ほうふつとして、このてい構造かうざうそのおどろくべき戰鬪力せんとうりよくについて、ある想像さうざう腦裡こゝろえがかれたであらう。
著者ちよしやさらすゝんで地震動ぢしんどう性質せいしつあぢはひ、それによつて震原しんげん位置いちをも判斷はんだんすることに利用りようしてゐるけれども、これは一般いつぱん讀者どくしやのぞべきことでない。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
どういふほんがいゝといつても、讀者どくしや其處そこまですゝんでなければ、どんな傑作けつさくんでも、やくにはたない。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
これをむものもそのこゝろしてよまざるからず、涙香ルイコウ探偵小説たんていせうせつごとぞくよろこばすものにてなき由を承知しようちして一どくせばみづか妙味みようみ發見はつけんすべきなり、余はこのしよ讀者どくしや推薦すいせんするをはばからず
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
B 『中外ちうぐわい』の讀者どくしやはそんなにあるのかい。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
今一いまひとつ、わたくしは松島海軍大佐かいぐんたいさなる姓名せいめいみゝにして、たちま小膝こひざをポンとたゝいたよ。讀者どくしや諸君しよくん! 松島海軍大佐まつしまかいぐんたいさとはたれであらう?
讀者どくしや小地震しようぢしん場合ばあひおいて、初期微動しよきびどう主要動しゆようどう明確めいかく區別くべつして感得かんとくせられたことがあるであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
讀者自身どくしやじしん面白おもしろいとおもへば面白おもしろい。まらないとおもへばまらない。——さういふ態度たいどを、無遠慮ぶゑんりよに、すゝめてくのである。さうすると、その讀者どくしや能力次第のうりよくしだいに、かなら進歩しんぽがあるとおもふ。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
火山毛かざんもう成因せいゝん一應いちおう説明せつめいようする。讀者どくしや化學かがくまた物理學ぶつりがく實驗じつけんおいて、硝子管がらすくだかしながらきゆうきちぎると、くだはしほそいとくことを實驗じつけんせられたことがあるであらう。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
マウナ・ロアは四千百九十四米しせんひやくくじゆうしめーとるたかさをつてをり、わがくに富士山ふじさんよりも四百米以上しひやくめーとるいじようたかいから、讀者どくしやはその山容さんようとして富士形ふじがた圓錐形えんすいけい想像そう/″\せられるであらうが、じつにあらず
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
讀者どくしやもちかれるとき、これに類似るいじした現象げんしよう觀察かんさつされることがあるであらう。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)