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謝
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あやま
ふりがな文庫
“
謝
(
あやま
)” の例文
目付の侍はあわてて出て来て、怠慢のかどを
謝
(
あやま
)
りぬいた。閣老などのお耳に入らぬようにと、それも、沢庵へ繰返して頼むのだった。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かれは親方や兄弟子に袋叩きにされて、それから自身番へ引き摺って行ってさんざん
謝
(
あやま
)
らせられたが、権太郎は素直に白状しなかった。
半七捕物帳:06 半鐘の怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そして彼を
庇
(
かば
)
うどころか、彼女もまた訳も分らない先から彼を打ち始め、
謝
(
あやま
)
らせようとした。彼は怒って言うことをきかなかった。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
母が佃に
謝
(
あやま
)
れるわけはない。佃が、自分の夫となったというだけの因縁で、このような屈辱を堪えるわけはない、と伸子は思った。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
虐
(
いじ
)
めたから。……またあなたもみっちりお
働
(
かせ
)
ぎなさい。そうしたらお雪さんが、此度は向から頭を下げて
謝
(
あやま
)
って来るから。……
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
▼ もっと見る
案内状を送った人たちがみんな集まってきたら、どう
謝
(
あやま
)
ったものか、——名前を借りたTにもすまないしと、私は寿命が縮まる想いだった。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
「黙つて居ろ。卑屈な奴だ、
謝
(
あやま
)
る事はない。犬が悪いのぢやないぞ。この男が臆病なんだ。子供や泥棒ぢやあるまいし……」
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
「何も今更
謝
(
あやま
)
ることは無いよ。一体今度の事は
翁
(
をぢ
)
さん
姨
(
をば
)
さんの意から出たのか、又はお前さんも得心であるのか、それを聞けば
可
(
い
)
いのだから」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
すると珪次は案外に立ち勝った私の迎え方に有頂天になって、私の肩を抱えて、「御免、ね」と子供のように
謝
(
あやま
)
りました。
扉の彼方へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
どんなことか知らんが、子分がしたことなら、おれが
謝
(
あやま
)
る。すまん。いずれ、正式に挨拶はするが、勘弁してくれ
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
清水さんは帽子を
被
(
かぶ
)
っていながら帽子を探したり、お花さんの裾を踏んで
謝
(
あやま
)
ったり、右の手に左の手袋が
篏
(
は
)
まらなかったりした。随分そそっかしい人だ。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
しかし、女中に
用事
(
もの
)
一つ言いつけるにも、まずかんにんどっせと
謝
(
あやま
)
るように言ってからという登勢の腰の低さには、どんなあらくれも
暖簾
(
のれん
)
に腕押しであった。
蛍
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
あたしンところへ持っていらっしゃい。いいこと。あたしから丘田さんにうまく
謝
(
あやま
)
って置いてあげますからネ
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
只
(
ただ
)
謝
(
あやま
)
るだけで済めば
宜
(
よ
)
いが、酒を五
升
(
しょう
)
に
鶏
(
にわとり
)
と魚か何かを
持
(
もっ
)
て来て、それで手を
拍
(
うっ
)
て塾中で
大
(
おおい
)
に飲みました。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
して見損じのなき樣に商賣に身を
入
(
いれ
)
よ馬鹿な奴だと笑ひけるに
曲者
(
くせもの
)
は
只
(
たゞ
)
平謝
(
ひらあや
)
まりに
謝
(
あやま
)
り居るゆゑ又半四郎は
渠
(
かれ
)
を見て汝は命をとる
可
(
べき
)
奴なれども今日の處は慈悲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「そんなことをいうもんでない。しんぼうしなくては
人間
(
にんげん
)
になれない。
謝
(
あやま
)
って
帰
(
かえ
)
らなければならない。」
海へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
平生
(
へいぜい
)
から
君
(
きみ
)
がよせといつたのをきけばよかつた。これは
私
(
わたし
)
の
失敗
(
しっぱい
)
。
甚
(
はなは
)
だすみませんでした。
謝
(
あやま
)
ります
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
私
(
わたし
)
は
憎
(
に
)
くかろうと
此子
(
このこ
)
に
免
(
めん
)
じて
置
(
お
)
いて
下
(
くだ
)
され、
謝
(
あやま
)
りますとて
手
(
て
)
を
突
(
つ
)
いて
泣
(
な
)
けども、イヤ
何
(
ど
)
うしても
置
(
お
)
かれぬとて
其後
(
そのご
)
は
物
(
もの
)
言
(
い
)
はず
壁
(
かべ
)
に
向
(
むか
)
ひてお
初
(
はつ
)
が
言葉
(
ことば
)
は
耳
(
みゝ
)
に
入
(
い
)
らぬ
體
(
てい
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
雪子は
箒
(
はうき
)
と塵取とを持つて来てくれ、私は
熱灰
(
あつばひ
)
を塵取の中に握り込むやうなことをしたが、畳の上にあちこち黒焦げが残つた。私は真赤に顔を染めて雪子の父に
謝
(
あやま
)
つた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
「
謝
(
あやま
)
らなくたつていゝ、——ところで、その主人を呼んだ時隣の部屋に
灯
(
あかり
)
が點いて居たのかい」
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そしてたしかに心の底には、何となく
謝
(
あやま
)
りたい気持ち——対社会へではない、鎌子に謝りたい心持ちが
湧
(
わ
)
いていたに違いないと思われる。それはあからさまに示されていた。
芳川鎌子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
彼は怪しまれて騒がれないうちに、こっちから声をかけて事情を話して
謝
(
あやま
)
ろうと思った。
指環
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「
謝
(
あやま
)
ッた謝ッた。これから
真面目
(
まじめ
)
に聴く。よし、見ると
赤飯
(
こわめし
)
だ。それは
解
(
わか
)
ッた。」
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これはいきなり
謝
(
あやま
)
ってしまうに限る、とコン吉は、まだ椅子にもすわらぬうちに
ノンシャラン道中記:02 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「おれに
謝
(
あやま
)
る必要はない」銀之丞は笑ったが、「どうだ鼓賊、儲かるかな?」
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
飯「それは己が悪かった、此の通り板の間へ手を突いて
謝
(
あやま
)
るから行ってやれ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
思ひ切つて小花さんに立派に
謝
(
あやま
)
る
分
(
ぶん
)
のこと、清さんに限つて小花さんを
私
(
わたし
)
に見変へるといふはずはなけれど、さうなれば私は命も何も
入
(
い
)
りませぬ、それぢや命掛といふのだね、
凄
(
すご
)
い話になつて来た
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼は誰にでも
謝
(
あやま
)
りたかった。そうしてまた、誰をでも
赦
(
ゆる
)
したかった。
首が落ちた話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
新子は、こんなときには、あっさりと
謝
(
あやま
)
った方がいいと思ったので
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「さ、
老役
(
ふけやく
)
には持ってこいだ。な、よろしく
謝
(
あやま
)
ってやれ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「御免なさい。ねえ、私
謝
(
あやま
)
るから……。」
変な男
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「分りました、ツイ目の前に、捕物がブラ下がったので、うっかり手が出てしまいましたんで……」万吉は一も二もなく
謝
(
あやま
)
って
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ねえ、巳之さん。わたしはどんなにでも
謝
(
あやま
)
るから、まあひと通りの話を聴いて下さいよ。ねえ、もし、巳之さん……」
半七捕物帳:52 妖狐伝
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
クリストフは憤然と立ち上がった。しかし
将
(
まさ
)
に口を出そうとすると、老人はようよう起き上がって、不平を言うどころか、やたらに
謝
(
あやま
)
ってばかりいた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「太郎さん、下りてください。
謝
(
あやま
)
る。謝るから
此方
(
こっち
)
へ来て
被下
(
ください
)
。君にはとても
敵
(
かな
)
わない。謝る。もう決してしないから、さあ、太郎さん、此方へ来て被下」
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
いささかおどけた
顔
(
かお
)
になつて、
畳
(
たたみ
)
に
手
(
て
)
をついて
謝
(
あやま
)
つたが、一
方
(
ぽう
)
、
犯人逮捕
(
はんにんたいほ
)
で
第
(
だい
)
一の
殊勲者
(
しゅくんしゃ
)
平松刑事
(
ひらまつけいじ
)
は、ある
日
(
ひ
)
のこと、
金魚屋
(
きんぎょや
)
さん
笹山大作
(
ささやまだいさく
)
の、
思
(
おも
)
いがけぬ
訪問
(
ほうもん
)
をうけた。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
少し注意致したら
宜
(
よ
)
かろうと、
真面目
(
まじめ
)
になって忠告したから、私はその時少しも
謝
(
あやま
)
らない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
長吉
(
ちようきち
)
づれが
草履
(
ざうり
)
の
泥
(
どろ
)
を
額
(
ひたい
)
にぬられては
踏
(
ふ
)
まれたも
同
(
おな
)
じだからとて、
背
(
そむ
)
ける
顏
(
かほ
)
のいとをしく、
本當
(
ほんと
)
に
堪忍
(
かんにん
)
しておくれ、みんな
己
(
お
)
れが
惡
(
わ
)
るい、だから
謝
(
あやま
)
る、
機嫌
(
きげん
)
を
直
(
なほ
)
して
呉
(
く
)
れないか
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私はそれが何か末弘春吉のせいみたいにも思われ「パイ一は、どこでやります。あいているところあるかしら」とひどく
突慳貪
(
つっけんどん
)
に言い、言ってから、ごめんごめんと弱気に
謝
(
あやま
)
る気持で
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
「だつて貴方がかう云ふ場になつて迷惑さうな事を言ふから、私は情無くなつて、どうしたら可からうと思つたんでさね。ぢや私が悪かつたんだから
謝
(
あやま
)
ります。ねえ、狭山さん、
些
(
ちよい
)
と」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
小児
(
こども
)
一人
犠牲
(
にえ
)
にして、毒薬なんぞ装らないでも、坊主になって
謝
(
あやま
)
んねえな。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いや、これは
謝
(
あやま
)
った。……そりゃそうと、なぜ外へでて揚げないのだ」
顎十郎捕物帳:07 紙凧
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
おそらくはも一人
別
(
べつ
)
に彼女というものがあって、専念それらの手紙や会見の申込みに一々気の毒そうな顔をして断りをいったり書いたり、
謝
(
あやま
)
ったり、悦んだりしていなければならないであろう。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
彼は、アンに対し、それを口に出して、
謝
(
あやま
)
りたくて仕方がなかった。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「わたし惡うございました」と彼女は一度は
謝
(
あやま
)
りはしたが
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
「違つたら
謝
(
あやま
)
るが、お前さんは、お樂といやしないか」
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「わかった。わかった。
謝
(
あやま
)
る」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「何といわれても、
伺候
(
しこう
)
を怠った罪は、親には不孝、女房には無情、申しわけもなし。かくの如く、
謝
(
あやま
)
り入り奉る」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こうなったら
謝
(
あやま
)
るのほかはないので、由兵衛は早くあやまれと万力に注意して、自分も口を添えて詫びた。万力も幾たびか頭を下げて平謝りにあやまった。
半七捕物帳:67 薄雲の碁盤
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何かに気をとられたようなふうをして
微笑
(
ほほえ
)
んでいた。そのぼんやりしてることを人に注意されると、やさしく
謝
(
あやま
)
るのだった。また時とすると自分のことを三人称で話した。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
“謝”の解説
謝(しゃ)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
謝
常用漢字
小5
部首:⾔
17画
“謝”を含む語句
謝肉祭
謝罪
多謝
謝絶
感謝
陳謝
拝謝
平謝
月謝
奉謝
報謝
謝辞
謝儀
謝意
多謝水上石
謝肉
謝肇淛
謝物
新陳代謝
与謝野晶子
...