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祇園
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ぎおん
ふりがな文庫
“
祇園
(
ぎおん
)” の例文
祇園
(
ぎおん
)
清水
(
きよみず
)
知恩院
(
ちおんいん
)
、
金閣寺
(
きんかくじ
)
拝見がいやなら
西陣
(
にしじん
)
へ行って、帯か三
枚
(
まい
)
襲
(
がさね
)
でも見立てるさ。どうだ、あいた口に
牡丹餅
(
ぼたもち
)
よりうまい話だろう。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
お米さんにまけない美人をと言って、若主人は、
祇園
(
ぎおん
)
の
芸妓
(
げいしゃ
)
をひかして女房にしていたそうでありますが、それも亡くなりました。
雪霊記事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浜の女の前掛が四幅も六幅もあるのをいぶかる者も、やはり日本人が奈良朝から、
祇園
(
ぎおん
)
の仲居のごとくであったと思う輩で話にならぬ。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
祇園
(
ぎおん
)
の夜桜といふやうな景色を画いた麁画の上に、前にいふた「公達に狐化けたり」の句を賛として書くなればそれは面白いであらう。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
そこの専用らしい橋に立って、たそがれを忘れて
佇
(
たたず
)
む。六甲、摩耶などの山つづきである。麓に、
祇園
(
ぎおん
)
神社があるわけもうなずかれる。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
寺町では寺に降り、三条では橋に降り、
祇園
(
ぎおん
)
では桜に降り、金閣寺では松に降る。宿の二階では甲野さんと宗近君に降っている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ひととせ上方見物に来て
祇園
(
ぎおん
)
の茶屋で
舞妓
(
まいこ
)
の舞いを見た折のこと、久しぶりに又その唄を聞くことが出来ていいしれぬなつかしさを覚えた。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
すなわち
灰屋
(
はいや
)
三郎兵衛に身受けされた二代目芳野の頃を全盛の時とすれば、
祇園
(
ぎおん
)
の頭を持ち上げた時が、ようよう島原の押されて行く時であろう。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
今やすでに、現代の若者が
祇園
(
ぎおん
)
の
舞妓
(
まいこ
)
数名を連れて歩いているのを見てさえ、忠臣蔵の舞台へ会社員が迷い込んだ位の情ない不調和さを私は感じるのである。
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
親鸞
祇園
(
ぎおん
)
、
清水
(
きよみず
)
、
知恩院
(
ちおんいん
)
、
嵐山
(
あらしやま
)
の紅葉ももう色づきはじめましょう。なんなら案内をさせてあげますよ。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
しかしいまだかつて京都
祇園
(
ぎおん
)
の名桜「
枝垂桜
(
しだれざくら
)
」にも増して美しいものを見た覚えはない。数年来は春になれば必ず見ているが、見れば見るほど限りもなく美しい。
祇園の枝垂桜
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
祇園
(
ぎおん
)
町に美声と智謀を謳われる身分となるのは、一面前出宍戸九郎兵衛、
周布政之助
(
すふまさのすけ
)
、
桂小五郎
(
かつらこごろう
)
といった一連の近代的政策力をもつ建設派新官僚の支持によるが
志士と経済
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
四、五年前に京都から来て内幸町の貞奴の家へ
草鞋
(
わらじ
)
をぬいだ、
祇園
(
ぎおん
)
のある老妓はこう言ったことがある。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
僕は
祇園
(
ぎおん
)
の
舞妓
(
まいこ
)
と
猪
(
いのしし
)
だとウッカリ答えてしまったのだが——まったくウッカリ答えたのである。
日本文化私観
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
京都の遊里として名高いのは島原ですが、島原は三代将軍家光の時分に出来、別に
祇園
(
ぎおん
)
町の茶屋というのが丁度此の時分に出来て、モダンな遊里として市中に噂が高かった。
茶屋知らず物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その当時、京の土地で公認の色町と認められているのは六条
柳町
(
やなぎちょう
)
の遊女屋ばかりで、その他の
祇園
(
ぎおん
)
、西石垣、縄手、五条坂、北野のたぐいは、すべて無免許の隠し
売女
(
ばいじょ
)
であった。
鳥辺山心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
島原
(
しまばら
)
や
祇園
(
ぎおん
)
の花見の
宴
(
えん
)
も、苦肉の計に耽っている彼には、苦しかったのに相違ない。……
或日の大石内蔵助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
京の
祇園
(
ぎおん
)
から呼びよせただらりの帯の舞い子が四、五人、柳橋の江戸まえのねえさんたちが四、五人、西洋道化師に
扮装
(
ふんそう
)
した
幇間
(
ほうかん
)
が四、五人、キャバレーの盛装美人が七、八人
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
祇園
(
ぎおん
)
で遊んでいた大石クラノスケの故智にならって、世間の眼をくらますためだろうか。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
はなしかの柳家なにがしらとお
成道
(
なりみち
)
なる
祇園
(
ぎおん
)
演芸場へ出演せしが席への
途次
(
みちすがら
)
今年
(
ことし
)
の干支なる羊或は雪達磨の形せる狸に破れ傘あしらひたるなど、いと
巨
(
おほ
)
いなる雪人形をみいでたり。
滝野川貧寒
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
京都
(
きょうと
)
に
居
(
お
)
った時分にもあった、四年ばかり前だったが、冬の事で、ちらちら小雪が降っていた
真暗
(
まっくら
)
な晩だ、夜、
祇園
(
ぎおん
)
の
中村楼
(
なかむらろう
)
で宴会があって、もう茶屋を出たのが十二時
過
(
すぎ
)
だった
狸問答
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
和尚さんの行った時は、ちょうど四月の休暇のころで、
祇園
(
ぎおん
)
嵐山
(
あらしやま
)
の桜は
盛
(
さか
)
りであった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
神田明神は
祇園
(
ぎおん
)
三社、その
牛頭
(
ごず
)
天王祭のお
神輿
(
みこし
)
が、今日は南伝馬町の旅所から還御になろうという日の朝まだき、
秋元但馬守
(
あきもとたじまのかみ
)
の下屋敷で
徹宵酒肴
(
てっしょうしゅこう
)
の馳走に預かった合点長屋の釘抜藤吉は
釘抜藤吉捕物覚書:03 三つの足跡
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
姉様
(
あねさま
)
の
是
(
これ
)
ほどの御病気、
殊更
(
ことさら
)
御幼少
(
おちいさい
)
のもあるを他人任せにして置きまして
祇園
(
ぎおん
)
清水
(
きよみず
)
金銀閣見たりとて何の面白かるべき、
妾
(
わたし
)
は
是
(
これ
)
より
御傍
(
おそば
)
さらず御看病致しましょと
云
(
い
)
えば七蔵
顔
(
つら
)
膨
(
ふく
)
らかし
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その
裡
(
うち
)
に、花が咲いたと云う消息が、都の人々の心を騒がし始めた。
祇園
(
ぎおん
)
清水
(
きよみず
)
東山
(
ひがしやま
)
一帯の花が
先
(
ま
)
ず開く、
嵯峨
(
さが
)
や
北山
(
きたやま
)
の花がこれに続く。こうして都の春は、
愈々
(
いよいよ
)
爛熟
(
らんじゅく
)
の色を
為
(
な
)
すのであった。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
京都の
祇園
(
ぎおん
)
祭、大阪の天満祭、江戸の山王祭、これを日本の三大祭という。
平賀源内捕物帳:山王祭の大像
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
小心な
律義者
(
りちぎもの
)
で、病毒に感染することを
惧
(
おそ
)
れたのと遊興費が
惜
(
お
)
しくて、宮川町へも
祇園
(
ぎおん
)
へも行ったことがないというくらいだから、まして教師の分際で競馬遊びなぞ出来るような男ではなかった
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
彼が十歳のとき甘木の
祇園
(
ぎおん
)
の縁日に買い来しものなり、雨に
湿
(
し
)
みて色変りところどころ虫
蝕
(
く
)
いたる中折半紙に、
御家流
(
おいえりゅう
)
文字を書きたるは、
寅
(
とら
)
の年の吉書の手本、台所の
曲
(
ゆが
)
める窓より
剥
(
は
)
ぎ来たれる
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
従来、
祇園
(
ぎおん
)
の社も
牛頭
(
ごず
)
天王と呼ばれ、
八幡宮
(
はちまんぐう
)
も大菩薩と称され、大社
小祠
(
しょうし
)
は事実上仏教の一付属たるに過ぎなかったが、
天海僧正
(
てんかいそうじょう
)
以来の僧侶の勢力も神仏
混淆
(
こんこう
)
禁止令によって根から
覆
(
くつがえ
)
されたのである。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と三輪さんも魂はもう
祇園
(
ぎおん
)
の空へ飛んでいる。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
祇園
(
ぎおん
)
左阿弥
(
さあみ
)
の晩句会に臨む。
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
祇園
(
ぎおん
)
祭が、来た。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
祇園
(
ぎおん
)
の女御
現代語訳 平家物語:06 第六巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
まさか今さら
祇園
(
ぎおん
)
や銀閣寺へひっ張り廻しはしませんから安心していらっしゃいともいうのだ。こちらも信頼しないわけでは万々ない。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかも著者なかま、私の友だち、境辻三によって話された、この年ごろの女というのは、
祇園
(
ぎおん
)
の
名妓
(
めいぎ
)
だそうである。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今やすでに、現代の若者が
祇園
(
ぎおん
)
の
舞妓
(
まいこ
)
数名を連れて歩いているのを見てさえ、忠臣蔵の舞台へ会社員が迷い込んだ位の情ない不調和さを私は感じるのである。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
祇園
(
ぎおん
)
から
八坂
(
やさか
)
の塔の眠れるように、
清水
(
きよみず
)
より大谷へ、
烟
(
けむり
)
とも霧ともつかぬ柔らかな夜の水蒸気が、ふうわりと
棚曳
(
たなび
)
いて、天上の美人が甘い眠りに落ちて行くような気持に
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
四月は京都のもっともたのしい季節で、
祇園
(
ぎおん
)
の桜も咲き、都踊りも始まります。あなたも一度は京にお越しなされませ。天香さんにもお絹さんにもお引きあわせ申します。
青春の息の痕
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
京都では
孤堂
(
こどう
)
先生の世話になった。先生から
絣
(
かすり
)
の着物をこしらえて貰った。年に二十円の月謝も出して貰った。書物も時々教わった。
祇園
(
ぎおん
)
の桜をぐるぐる
周
(
まわ
)
る事を知った。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
南禅寺の
瓢亭
(
ひょうてい
)
で早めに夜食をしたため、これも毎年欠かしたことのない都踊を見物してから帰りに
祇園
(
ぎおん
)
の夜桜を見、その晩は
麩屋町
(
ふやちょう
)
の旅館に泊って、明くる日
嵯峨
(
さが
)
から
嵐山
(
あらしやま
)
へ行き
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
京都
祇園
(
ぎおん
)
の歌舞の世界は、美しいにはちがいないが、お人形式の色彩だったから、お雪はあんまり明澄すぎる自然に打たれると、かえって、
覚
(
さ
)
めているのか
現
(
うつつ
)
かわからない気がして
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
武塔天神は今の京都の八坂神社、俗に
祇園
(
ぎおん
)
さんという
疫病
(
えきびょう
)
の
大神
(
おおかみ
)
であったという。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
学生時代に、友人に連れられて
祇園
(
ぎおん
)
のお茶屋に行ったときなど、彼はそこに来た二十四五になる美しい
名妓
(
めいぎ
)
から、一目惚れされた。彼女は、彼を追って階下へ降りると、彼の耳にささやいた。
第二の接吻
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
顔の色を林間の
紅葉
(
もみじ
)
に争いて酒に暖めらるゝ風流の仲間にも
入
(
い
)
らず、
硝子
(
ガラス
)
越しの雪見に
昆布
(
こんぶ
)
を
蒲団
(
ふとん
)
にしての湯豆腐を
粋
(
すい
)
がる徒党にも加わらねば、まして
島原
(
しまばら
)
祇園
(
ぎおん
)
の
艶色
(
えんしょく
)
には
横眼
(
よこめ
)
遣
(
つか
)
い
一
(
ひ
)
トつせず
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
祇園
(
ぎおん
)
の八坂の
社
(
やしろ
)
の東南のあたりに後白河法皇の寵姫が隠れていた。
無月物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
今川焼の隣は手品の
種明
(
たねあか
)
し、
行灯
(
あんどん
)
の中がぐるぐる廻るのは
走馬灯
(
まわりあんど
)
で、虫売の屋台の赤い行灯にも鈴虫、松虫、くつわ虫の絵が描かれ、虫売りの隣の
蜜垂
(
みた
)
らし屋では蜜を掛けた
祇園
(
ぎおん
)
だんごを売っており
アド・バルーン
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
十三日の
祇園
(
ぎおん
)
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
院のお住居は、三条西ノ
洞院
(
とういん
)
にあったが、そこからおりおり——きまって夜、加茂をわたって、
祇園
(
ぎおん
)
まで、おしのびになった。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
明治の
清少
(
せいしょう
)
といひ、女
西鶴
(
さいかく
)
といひ、
祇園
(
ぎおん
)
の
百合
(
ゆり
)
がおもかげをしたふとさけび小万茶屋がむかしをうたふもあめり、何事ぞや身は小官吏の
乙娘
(
おとむすめ
)
に生まれて手芸つたはらず文学に縁とほく
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
所が此小坊主がどうしたとか、こうしたとか云うよりも
祇園
(
ぎおん
)
の茶屋で歌をうたったり、酒を飲んだり、
仲居
(
なかい
)
が
緋
(
ひ
)
の
前垂
(
まえだれ
)
を掛けて居たり、舞子が京都風に帯を結んで居たりするのが眼につく。
高浜虚子著『鶏頭』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“祇園”の解説
祇園祇園の「祇」の字は、表外漢字であり表記に揺れがある(「示」+「氏」と「ネ」+「氏」)。なお、祗園は誤記である(wikt:祇を参照)。(ぎおん)は京都市東山区にある、京都の代表的な繁華街及び歓楽街。
(出典:Wikipedia)
祇
漢検準1級
部首:⽰
9画
園
常用漢字
小2
部首:⼞
13画
“祇園”で始まる語句
祇園精舎
祇園会
祇園祭
祇園町
祇園林
祇園女御
祇園藤次
祇園囃子
祇園巴
祇園會