番目ばんめ)” の例文
番目ばんめには露國文豪ろこくぶんがうトルストイはく傑作けつさく千古せんこゆき」とふのと、バンカラ喜劇きげき小辰こたつ大一座おほいちざふのが、赤地あかぢしろいてあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其後そののち表面採集へうめんさいしふあるひ小發掘せうはつくつひとは、すくなくあるまいが、正式せいしき發掘はつくつかゝるのは我々われ/\が三番目ばんめあたるのだ。
号室ごうしつだい番目ばんめは、元来もと郵便局ゆうびんきょくとやらにつとめたおとこで、いような、すこ狡猾ずるいような、ひくい、せたブロンジンの、利発りこうらしい瞭然はっきりとした愉快ゆかい眼付めつき
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
千代ちいちやん鳥渡ちよつと見玉みたまみぎから二番目ばんめのを。ハア彼の紅ばいがいゝことねへと余念よねんなくながりしうしろより。
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
番目ばんめ鹿しかがまたそろりそろりとすゝんできました。この鹿しかはよほどおどけもののやうでした。
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
身元みもと長谷部某はせべなにがし出入でいりの徒士かぢの、たしか二番目ばんめむすめだったかとおぼえてります。
四人よにんまでたふしたが、だい番目ばんめにのつそりとあらはれて露西亞ロシヤ陸軍士官りくぐんしくわんけ六しやくちか阿修羅王あしゆらわうれたるやうなをとこ力任ちからまかせにわたくし兩腕りよううでにぎつて一振ひとふりばさんずいきほひ
其箪笥そのたんすの二番目ばんめ抽斗ひきだしから喰出はみだしてゐるのは、小豆色あづきいろ友染縮緬いうぜんちりめん背負揚しよいあげはしで、える部分ぶぶんに、鉄扇花てつせんくわでゞもあらうか、キザ/″\のはな図案化づあんくわされた模様もやうえて、それにつくと
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
丁度ちょうど番目ばんめの、所作事しょさごとまくちけ時分じぶんだとおもいねえ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
このとき鹿しかはみなくびれてゐましたが、六番目ばんめがにはかにくびをりんとあげてうたひました。
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
御米およねあるき/\、着物きもの着換きかえるとき箪笥たんすけたら、おもはず一番目ばんめ抽出ひきだしそこ仕舞しまつてあつた、あたらしい位牌ゐはいれたことおもひつゞけて、とう/\ある易者えきしやもんくゞつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いま方々かたがたには守刀まもりがたななどともうしても、あるいあたま力強ちからづよひびかぬかもぞんじませぬが、わたくしどもの時代じだいには、守刀まもりがたなはつまりおんなたましい自分じぶん生命いのちから二番目ばんめ大切たいせつ品物しなものだったのでございます。
その動力どうりよく第一だいいち大齒輪だいしりんおよび、第二だいに齒輪車しりんしやうつり、同時どうじ吸鍔桿ピストン上下じやうかし、曲肱クンク活動くわつどうにもとまらず、かくてその動力どうりよくだい三十七番目ばんめ齒輪車しりんしやおよころには、その廻轉くわいてん速度そくどと、實力じつりよくとは
號室がうしつだい番目ばんめは、元來もと郵便局いうびんきよくとやらにつとめたをとこで、いやうな、すこ狡猾ずるいやうな、ひくい、せたブロンヂンの、利發りかうらしい瞭然はつきりとした愉快ゆくわい眼付めつきちよつるとまる正氣しやうきのやうである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あたまうへには廣告くわうこく一面いちめんわくめてけてあつた。宗助そうすけ平生へいぜいこれにさへかなかつた。何心なにごゝろなしに一番目ばんめのをんでると、引越ひつこし容易ようい出來できますと移轉會社いてんぐわいしや引札ひきふだであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
番目ばんめ鹿しかがひくくくびれて、もうつぶやくやうにうたひだしてゐました。
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)