器量きりやう)” の例文
致す事なかれ無禮ぶれいは許すそばちかく參るべし我はかたじけなくも當將軍家吉宗公よしむねこう御落胤ごらくいんなり當山中に赤川大膳といふ器量きりやうすぐれの浪人の有るよしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ウフヽヽ、アハヽヽ梅喜ばいきさんはらつちやアいけないよ、おまへとこのお内儀かみさんは失敬しつけいだがあま器量きりやうくないよ。梅「へえゝんな工合ぐあひですな。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
村落むらもの段々だん/\器量きりやう相當さうたう晴衣はれぎ神社じんじやまへあつまつた。つのは猶且やつぱりをんなで、疎末そまつ手織木綿ておりもめんであつてもメリンスのおび前垂まへだれとが彼等かれらを十ぶんよそほうてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
心細こゝろぼそ御身おんみなればこそ、小生おのれ風情ふぜい御叮嚀ごていねいのおたのみ、おまへさま御存ごぞんじはあるまじけれど、徃昔そのかみ御身分ごみぶんおもひされておいたはしゝ、後見うしろみまゐらするほど器量きりやうなけれど
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
山家やまがものには肖合にあはぬ、みやこにもまれ器量きりやうはいふにおよばぬが弱々よわ/\しさうな風采ふうぢや、せなかながうちにもはツ/\と内証ないしよう呼吸いきがはづむから、ことはらう/\とおもひながら、れい恍惚うつとり
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
器量きりやう?」と御米およねいたことがある。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
器量きりやうある大將軍たいしやうぐんにあひまつらば
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
奧方おくがたにはあまりふしぎなる夢なればとて大納言光貞卿に告給つげたまへば光貞卿ふかよろこびこの度懷姙くわいにんの子男子なんしならば器量きりやうすぐれ世に名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ムヽウわたし随分ずゐぶんをとこですな。近「ウン……。梅「わたしくらゐ器量きりやうつてゐながら、家内かない鎧橋よろひばし味噌漉みそこしげてつた下婢をんなより悪いとは、ちよいとふさぎますなア。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
くしたるこゝろはおのづから御覽ごらんじしるべし、姿すがたむくつけく器量きりやうにおとりしとてとはせたまはゞ、れもをとこのはしなり、かれまゐらせずとてたゞやはある、他人よそながめのねたましきよりはと
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
りて倩々つく/″\あんずるに、國許くにもとさふらふ恩田杢おんだもく申者まをすもの老職らうしよく末席ばつせきにて年少ねんせうなれど、きつと器量きりやうあるものにつき、國家こくか政道せいだうげてまかまをさむとぞんずるが、それがしかれ若年じやくねんなれば譜代ふだい重役ぢうやくをはじめ家中かちうものども
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
島秀之助が今日の振舞ふるまひのちに關東へ聞え器量きりやう格別かくべつの者なりとて元文ぐわんぶん三年三月京都町奉行まちぶぎやうを仰付られ島長門守しまながとのかみいひしは此人なりし同五年江戸町奉行となり延享えんきやう三年寅年とらどし免ぜらる
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あれよりわるうございますと、それは恐入おそれいりましたな、わたくしは美人だと思つてましたが、器量きりやう善悪よしあしなでたツてわかりません……あ……あぶねえなア、んですなア……これは……。近「人力車じんりきだ。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
つくすともあきたるべきやつならずと冷凍ひえこほこぶしにぎりつめて當處あてどもなしににらみもしつおもかへせばそれも愚痴ぐちなりうらみはひとうへならずれにをとこらしき器量きりやうあらばほどまでにはきゆうしもすまじアヽとたんずればいきしろくえて
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
器量きりやういけれども何所どこともなしに愛嬌あいけうのない無人相ぶにんさう容貌かほつきで若
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)