トップ
>
一粒
>
ひとつぶ
ふりがな文庫
“
一粒
(
ひとつぶ
)” の例文
ポポーヷ (伏眼になって)ルカー、おまえ
馬舎
(
うまや
)
へ行ってね、今日はトビーにカラス麦を
一粒
(
ひとつぶ
)
もやらないように、言って来ておくれ。
熊:笑劇 一幕
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「
自分
(
じぶん
)
の
真心
(
まごころ
)
がいつか、
兄
(
にい
)
さんにわかるときがあろう。」と、
弟
(
おとうと
)
は、
一粒
(
ひとつぶ
)
のしいの
実
(
み
)
を
裏庭
(
うらにわ
)
に
埋
(
う
)
めて、どこへとなく
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
りました。
白すみれとしいの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかも、その武田の血をうけたものは、世の中にこの
伊那丸
(
いなまる
)
ひとりきりとなったのだ。焦土のあとに、たった
一粒
(
ひとつぶ
)
のこった
胚子
(
たね
)
である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
みんなはまるで気が気でなく、一生けん命、その辺をかけまわりましたが、どこにも粟は、
一粒
(
ひとつぶ
)
もこぼれていませんでした。
狼森と笊森、盗森
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
最も普通の形は畠の
片端
(
かたはし
)
に、または家の
土間
(
どま
)
の隅に、小さな鼠の穴があって、爺が誤って
一粒
(
ひとつぶ
)
の
団子
(
だんご
)
を、その穴へ転がし落してしまうのである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
君は、
一粒
(
ひとつぶ
)
の種をまく、という言葉を知っているだろう。ほんとうの仕事はその一粒からはじまるものなんだよ。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
俺
(
お
)
れ
家
(
うち
)
の
物
(
もの
)
一粒
(
ひとつぶ
)
でも
減
(
へ
)
らさねえやうに
外
(
ほか
)
に
行
(
い
)
つてりやえゝんだんべが、
俺
(
お
)
れえそれから、
俺
(
お
)
れことさうだに
厭
(
や
)
なんだら
自分
(
じぶん
)
で
何處
(
どこ
)
さでもけつかつた
方
(
はう
)
がえゝ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
大国主神は、そのむくの実を
一粒
(
ひとつぶ
)
ずつかみくだき、赤土を少しずつかみとかしては、いっしょにぷいぷいお
吐
(
は
)
き出しになりました。大神はそれをご覧になると
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
そうしてその
捩
(
よ
)
じれ狂うた性慾の変態的習性と、その形容を絶した痛烈な記憶とを、その全身の細胞の
一粒
(
ひとつぶ
)
一粒
毎
(
ごと
)
に、張り裂けるほど充実感銘させていた事と思う
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ちょうど
乾涸
(
ひから
)
びた
糒
(
ほしい
)
のようなもので
一粒
(
ひとつぶ
)
一粒に孤立しているのだから根ッから面白くないでしょう。
道楽と職業
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一
(
ひと
)
つにでつちて、
葡萄
(
ぶだう
)
の
房
(
ふさ
)
に
一粒
(
ひとつぶ
)
づゝ
目
(
め
)
口
(
くち
)
鼻
(
はな
)
を
描
(
か
)
いたやうで、
手足
(
てあし
)
の
筋
(
すぢ
)
は
凌霄花
(
のうぜん
)
の
緋
(
ひ
)
を
欺
(
あざむ
)
く。
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
當主
(
たうしゆ
)
は
養子
(
やうし
)
にて
此娘
(
これ
)
こそは
家
(
いへ
)
につきての
一粒
(
ひとつぶ
)
ものなれば
父母
(
ちゝはゝ
)
が
歎
(
なげ
)
きおもひやるべし、
病
(
やま
)
ひにふしたるは
櫻
(
さくら
)
さく
春
(
はる
)
の
頃
(
ころ
)
よりと
聞
(
き
)
くに、それより
晝夜
(
ちうや
)
瞼
(
まぶた
)
を
合
(
あは
)
する
間
(
ま
)
もなき
心配
(
しんぱい
)
に
疲
(
つか
)
れて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
カピ長 いや、
速
(
はや
)
う
成
(
な
)
るものは
速
(
はや
)
う
壞
(
くづ
)
るゝ。
末
(
すゑ
)
の
頼
(
たの
)
みを
皆
(
みな
)
枯
(
から
)
し、
只
(
たゞ
)
一粒
(
ひとつぶ
)
だけ
殘
(
のこ
)
った
種子
(
たね
)
、
此土
(
このよ
)
で
頼
(
たの
)
もしいは
彼兒
(
あれ
)
ばかりでござる。さりながら、パリスどの、
先
(
ま
)
づ
言寄
(
いひよ
)
って
女
(
むすめ
)
の
心
(
こゝろ
)
をば
動
(
うご
)
かしめされ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
冷たく、小さき芥子のたね、その
一粒
(
ひとつぶ
)
に心せよ
緑の種子
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
一粒
(
ひとつぶ
)
の
芥種
(
からしだね
)
のごとし。」と答えたら
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
このとき、
勇吉
(
ゆうきち
)
は、
一粒
(
ひとつぶ
)
のぴかぴか
光
(
ひか
)
る、
小
(
ちい
)
さな
珠
(
たま
)
を
出
(
だ
)
して、これをどうか
先生
(
せんせい
)
に
見
(
み
)
せてお
願
(
ねが
)
いもうしてくれと
頼
(
たの
)
みました。
一粒の真珠
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それらのあわれな物のかげをつづった竹童のすがたは、
星影
(
ほしかげ
)
の下にあおく
隈
(
くま
)
どられて見えたが、かれの目には、ただ
一粒
(
ひとつぶ
)
の春の星さえ、うつらぬのである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兩名
(
りやうめい
)
の
炭燒
(
すみやき
)
が、
同一
(
おなじ
)
雪籠
(
ゆきごめ
)
に
會
(
あ
)
つて
封
(
ふう
)
じ
込
(
こ
)
められたやうになり、
二日
(
ふつか
)
三日
(
みつか
)
は
貯蓄
(
たくはへ
)
もあつたが、
四日目
(
よつかめ
)
から、
粟
(
あは
)
一粒
(
ひとつぶ
)
も
口
(
くち
)
にしないで、
熊
(
くま
)
の
如
(
ごと
)
き
荒漢等
(
あらをのこら
)
、
山狗
(
やまいぬ
)
かとばかり
痩
(
や
)
せ
衰
(
おとろ
)
へ、
目
(
め
)
を
光
(
ひか
)
らせて
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
米
(
こめ
)
でも
何
(
なん
)
でも
一粒
(
ひとつぶ
)
もとれやしねえのよ」おつたはぽさりとした
樣
(
やう
)
にいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
一粒
(
ひとつぶ
)
の
芥種
(
からしだね
)
、
樹
(
き
)
になるか、樹になるか。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ある
日
(
ひ
)
、
弟
(
おとうと
)
は
咽喉
(
のど
)
がかわいて、
水
(
みず
)
を
欲
(
ほ
)
しがったときに、まだ、そのときまで
気
(
き
)
の
確
(
たし
)
かだった
兄
(
あに
)
は、
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
に
一粒
(
ひとつぶ
)
の
名薬
(
めいやく
)
を
入
(
い
)
れて
弟
(
おとうと
)
に
飲
(
の
)
ませようとしました。
村の兄弟
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
大手
(
おおて
)
へかけもどった又八は、すぐ、城兵のなかでも
一粒
(
ひとつぶ
)
よりの
猛者
(
もさ
)
、
久能見
(
くのみ
)
の
藤次
(
とうじ
)
、
岩田郷祐範
(
いわたごうゆうはん
)
、
浪切右源太
(
なみきりうげんた
)
、
鬼面突骨斎
(
おにめんとっこつさい
)
、
荒木田五兵衛
(
あらきだごへえ
)
、そのほか
穴山
(
あなやま
)
の
残党
(
ざんとう
)
、
足助主水正
(
あすけもんどのしょう
)
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……
昨夜
(
ゆうべ
)
、
戸外
(
おもて
)
を
舞靜
(
まひしづ
)
めた、それらしい、
銀杏
(
いてふ
)
の
折
(
を
)
れ
枝
(
えだ
)
が、
大屋根
(
おほやね
)
を
越
(
こ
)
したが、
一坪
(
ひとつぼ
)
ばかりの
庭
(
には
)
に、
瑠璃
(
るり
)
淡
(
あは
)
く
咲
(
さ
)
いて、もう
小
(
ちひ
)
さくなつた
朝顏
(
あさがほ
)
の
色
(
いろ
)
に
縋
(
すが
)
るやうに、たわゝに
掛
(
かゝ
)
つた
葉
(
は
)
の
中
(
なか
)
に、
一粒
(
ひとつぶ
)
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
また、
正
(
しょう
)
ちゃんの
銀杏
(
ぎんなん
)
の
実
(
み
)
は、
自分
(
じぶん
)
が
木
(
き
)
から
落
(
お
)
ちたのを
拾
(
ひろ
)
って、いいのだけを
択
(
えら
)
んだもので、たとえおはじきを五
個
(
こ
)
でも、
一粒
(
ひとつぶ
)
の
銀杏
(
ぎんなん
)
の
実
(
み
)
とは
換
(
か
)
えがたい
貴
(
とうと
)
いものでありました。
友だちどうし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
中
(
なか
)
から
一粒
(
ひとつぶ
)
の
珠
(
たま
)
を
抜
(
ぬ
)
いて、
少年
(
しょうねん
)
の
手
(
て
)
に
渡
(
わた
)
したのであります。
一粒の真珠
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“一粒”の意味
《名詞》
一つの粒。
僅かな数量。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
粒
常用漢字
中学
部首:⽶
11画
“一粒”で始まる語句
一粒種
一粒金丹
一粒選
一粒子
一粒者