“胚子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たね63.3%
はいし36.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかも、その武田の血をうけたものは、世の中にこの伊那丸いなまるひとりきりとなったのだ。焦土のあとに、たった一粒ひとつぶのこった胚子たねである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、牛若という一粒の胚子たねつちかい合って、その伸びるのを見ているのが、一同のたのしみでもあり、盟約の中心にもなっていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
書くならばできるだけほんとうの径路を科学的に書く事によってすべての人の頭の奥に潜む罪の胚子はいしに警告を与えるようなものにしたい。
一つの思考実験 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
わたしはいずれにしても、あなたをこの上もない高潔な方として、いや、それどころか、寛大というものの胚子はいしを持った方として、尊敬しておるのです。