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難有
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ありがた
ふりがな文庫
“
難有
(
ありがた
)” の例文
若いものは若い同士、本家の方へお連れ申して、土用正月、
歌留多
(
うたがるた
)
でも取って遊ぶが
可
(
い
)
い、嫁もさぞ喜ぼう、と
難有
(
ありがた
)
いは、親でのう。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
純一は日本での
en
(
アン
)
miniature
(
ミニアチュウル
)
自然主義運動を回顧して、どんなに
贔屓目
(
ひいきめ
)
に見ても、さ程
難有
(
ありがた
)
くもないように思った。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
友だち
尋
(
き
)
く方も、尋かれる方も、あんまり
難有
(
ありがた
)
い事ぢやないからね。
尤
(
もつと
)
も君が
愈
(
いよいよ
)
いいと云へば、私も度胸を据ゑて、承る事にするが。
世之助の話
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
○
画
(
ゑ
)
をかく人々、字をかく人々に告ぐ。お金を払つて買つて下さるは、まことに
難有
(
ありがた
)
いお方なり。
併
(
しか
)
しながら大抵は、わからぬ奴なり。
青眼白頭
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
『お早くから
難有
(
ありがた
)
う御座いました。留守の子供達もいろいろお世話になりまして
難有
(
ありがた
)
う御座いました。御親切は
胆
(
きも
)
に銘じて
居
(
を
)
ります。』
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
高時殿はどうせ家を滅ぼす奴だから
難有
(
ありがた
)
い人物ではなからうけれど、一族二百人枕を並べて自殺した最期は心あるものの涙を
濺
(
そゝ
)
ぐ種だ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
ええ、又唯今程は格別に御茶料を
下
(
くだ
)
し置れまして、
甚
(
はなは
)
だ恐入りました儀で、
難有
(
ありがた
)
う存じまして、厚く御礼を申上げまするで御座います。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
今まではあんなに世話になって別段
難有
(
ありがた
)
いとも思わなかったが、こうして、一人で遠国へ来てみると、始めてあの親切がわかる。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わたくし
)
が
山
(
やま
)
の
修行場
(
しゅぎょうじょう
)
に
居
(
お
)
りながら、
何
(
ど
)
うやら
竜宮界
(
りゅうぐうかい
)
の
模様
(
もよう
)
が
少
(
すこ
)
しづつ
判
(
わか
)
りかけたのも、
全
(
まった
)
くこの
難有
(
ありがた
)
い
神社
(
じんじゃ
)
参拝
(
さんぱい
)
の
賜
(
たまもの
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
萬歳
(
ばんざい
)
は
難有
(
ありがた
)
いが、
鬼
(
おに
)
とも
組
(
く
)
まんず
荒男
(
あらくれをとこ
)
が、
前後左右
(
ぜんごさゆう
)
からヤンヤヤンヤと
揉上
(
もみあ
)
げるので、
其
(
その
)
苦
(
くる
)
しさ、
私
(
わたくし
)
は
呼吸
(
いき
)
が
止
(
と
)
まるかと
思
(
おも
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
猪子蓮太郎との関係だつても
左様
(
さう
)
でせう。
彼様
(
あん
)
な病的な思想家ばかり
難有
(
ありがた
)
く思はないだつて、他にいくらも有さうなものぢや有ませんか。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
いふまでもなく村井建築技師から來たもので、わたしも大いに嬉しくなり、それまでの腹案をば捨てて、
難有
(
ありがた
)
い、一切頼むと返事しました。
金比羅参り
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
実はただ直りそうな様子を見て、
難有
(
ありがた
)
く感じていただけではあるまいか。そうして見れば何も深く自分を罪するには及ばない。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
実に
難有
(
ありがた
)
い
目出
(
めで
)
たい次第であるが、その目出たかろうと云うことが私には始めから測量が出来ずに、
唯
(
ただ
)
その時に現れた実の有様に
値
(
ね
)
を付けて
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「
難有
(
ありがた
)
う……」Bはわざと外国風にSの手を握つて、「それよりも、君の私用も何んな私用だかあやしいもんだね。うまい私用ではないかね?」
時子
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
「どうも色々
難有
(
ありがた
)
う、それで安心しました。然し今も其小屋に居て呉れゝば可いが。始終居所が変るので其れで道庁でも知れなかつたのだから。」
空知川の岸辺
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
而
(
そ
)
して一般の低地は
商人街
(
あきんどまち
)
である。王宮は立派な近年の建築であるが、
寂
(
さび
)
の附いて居ない白い
石造
(
いしづくり
)
には
難有
(
ありがた
)
味が乏しい。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
...
閉
(
しめ
)
て来たまえ(大)夫や実に
難有
(
ありがた
)
い
畢生
(
ひっせい
)
の
鴻恩
(
こうおん
)
だ」谷間田は
卓子
(
ていぶる
)
の上の
団扇
(
うちわ
)
を取り
徐々
(
しず/\
)
と煽ぎながら少し声を低くして
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
これはこれ
辱
(
かたじけ
)
なくも
難有
(
ありがた
)
くも日本文明の一原素ともなるべき新主義と時代
後
(
おく
)
れの旧主義と衝突をするところ、よくお眼を止めて御覧あられましょう。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
私はその
境界
(
きょうがい
)
がいかに尊く
難有
(
ありがた
)
きものであるかを
幽
(
かす
)
かながらも
窺
(
うかが
)
うことが出来た。そしてその
醍醐味
(
だいごみ
)
の前後にはその境に到り得ない生活の連続がある。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
養母
(
おつか
)
さん、
私
(
わたし
)
を食つた其鬼が、お前の
難有
(
ありがた
)
がる大臣サ、総理大臣の伊藤ツて人鬼サ、——私もネ、其れ
迄
(
まで
)
は世間なみの
温順
(
おとなし
)
い
嬢
(
むすめ
)
だつたことを覚えてますよ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
ああ、おれはもう自由な体になって、こんな
難有
(
ありがた
)
いことはない。何処へでも勝手に出歩くことが出来るのだ。
ピストルの蠱惑
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
「おう/\俺達は後から行くさかいな、先に行つて待つてございの、死ぬのではない、生れ代らして貰ふのやさかい、
難有
(
ありがた
)
いと思うてお念仏申さつしやい。」
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
この珍らしい立派な鳥が二羽も并でいるのが今日謂うところの友である。一羽でも珍らしいのに二羽も集ってくれるので
難有
(
ありがた
)
さは二倍三倍百倍するに相違ない。
イエスキリストの友誼
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
(娘の顔の甚しき失望を表わせるに心付きて
詞
(
ことば
)
急に。)うむ。うむ。お前の掃除をしてくれたのも思いかけない事には相違ないのだ。よくやってくれた。
難有
(
ありがた
)
いよ。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
その手早いのには乃公も
喫驚
(
びっくり
)
したくらいだ。そして「あら、歌さんの肩に松葉がついててよ」と言いながら、二人で二階へ上って行った。
難有
(
ありがた
)
いとも言いはしない。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それを読んだ石田はもしもあの時会計の臼木さんが居なかったなら、自分もとんだ目に遇わされたかも知れなかったと、
難有
(
ありがた
)
いやら懐しいやらで、臼木へ手紙を出したのであった。
老人
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
難有
(
ありがた
)
迷惑な次第には違ひ無いが、たとへ斷るにしても叮嚀に斷るべき筋合であらう。
貝殻追放:013 先生の忠告
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
難有
(
ありがた
)
いと、それを
鞄
(
かばん
)
に
入
(
い
)
れて
居
(
ゐ
)
ると、
篩
(
ふるひ
)
で
貝
(
かひ
)
を
選
(
よ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
女土方
(
をんなどかた
)
が、
小
(
ちい
)
さな
聲
(
こゑ
)
で。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「
難有
(
ありがた
)
うございます。」と口の中で言ひながら、改まつてお辞儀をした。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
然し若し此時、かの藻外と二人であつたなら、屹度
外見
(
みえ
)
を
憚
(
はばか
)
らずに何か詩的な
立𢌞
(
たちまはり
)
を始めたに違ひない。兎角人間は孤獨の時に心弱いものである。此變遷は、自分には毫も
難有
(
ありがた
)
くない變遷である。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
始の程こそ屡〻我感情を
傷
(
そこな
)
ふこともありつれ、遭難の後病弱の身となりては、親族にも稀なるべき人々の看護の
難有
(
ありがた
)
さ身にしみて、羅馬へ伴ひ行かんと云はるゝが嬉しとおもはるゝやうになりぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
禁裏の御用もたくさんあるので、実隆にとってはすこぶる
難有
(
ありがた
)
迷惑に感じたのであるけれど、何にせよ武命で違背し難く、これを承諾した。その用向というのはほかでもない。源氏の打聞きであった。
東山時代における一縉紳の生活
(新字新仮名)
/
原勝郎
(著)
退屈させて、お負にそれを
難有
(
ありがた
)
がらせようと云うのか。3265
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「たびたびどうも、複製をお送り下すつて
難有
(
ありがた
)
う」
散歩生活
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
其
(
その
)
難有
(
ありがた
)
いお
慈悲
(
じひ
)
が
分
(
わか
)
らぬか!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
おや、まあ、いつそ
難有
(
ありがた
)
い
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
いわれを聞けば
難有
(
ありがた
)
い。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
お世辞をいって紅白の
縮緬
(
ちりめん
)
でも拝領しようという気はなしに、師匠が華族様を煽がせたといって、やけに腹を立てた柳屋のも
難有
(
ありがた
)
い。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
測定器の正確を否定するか、彼等の作物の価値を否定するか、どっちにしても、
難有
(
ありがた
)
い話じゃありません。——が、これは風説ですよ。
Mensura Zoili
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私は今まで口には出さなかつたけれど、心の内ぢや、狭山さん、嬉いなんぞと謂ふのは通り越して、実に
難有
(
ありがた
)
いと思つてゐました。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
否、胆力とは両立し得ないで、しかも胆力以上に
難有
(
ありがた
)
がって然るべき能力が沢山ある様に考えられる。御父さんから又胆力の講釈を聞いた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小皿には好物の納豆も附いた。其時丑松は膳に向ひ乍ら、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も斯うして生きながらへ来た
今日迄
(
こんにちまで
)
を不思議に
難有
(
ありがた
)
く考へた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
病人は女の髪の上に、祝福をするように、手を
拡
(
ひろ
)
げて載せて、小声で、「お前のこれまでの親切は
難有
(
ありがた
)
かったよ」と云った。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
衣食さえ出来れば大願成就と
思
(
おもっ
)
て居た処に、
又
(
また
)
図
(
はか
)
らずも王政維新、いよ/\日本国を
開
(
ひらい
)
て本当の開国となったのは
難有
(
ありがた
)
い。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
『
東京
(
とうきやう
)
の
仕事
(
しごと
)
は
如何
(
どう
)
です。
新聞
(
しんぶん
)
は
毎々
(
まい/\
)
難有
(
ありがた
)
う、
續々
(
ぞく/\
)
面白
(
おもしろ
)
い
議論
(
ぎろん
)
が
出
(
で
)
ますなア』と
先生
(
せんせい
)
は
僕
(
ぼく
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
るや
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
きました。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
何しろ
難有
(
ありがた
)
かつた。この大降りに女連れではあるし、田舍道の若し遠くでもあられては眞實困るところであつたのだ。
鳳来寺紀行
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
馬琴の作が考証
精覈
(
せいかく
)
で歴史上または地理上の調査が行届いてるなぞと感服するのは
贔屓
(
ひいき
)
の引倒しで、馬琴に取ってはこの上もない
難有
(
ありがた
)
迷惑であろう。
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
例のとおりお父様の
声色
(
こわいろ
)
である。この男は少しも僕を保護してはくれなんだ。しかし僕は構わぬのが
難有
(
ありがた
)
かった。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「
難有
(
ありがた
)
い、さう
仰
(
おつしや
)
つて下さる人は、貴郎ばかり。決して……決して」と重右衛門は言葉を涙につかへさせながら
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
難
常用漢字
小6
部首:⾫
18画
有
常用漢字
小3
部首:⽉
6画
“難有”で始まる語句
難有味
難有迷惑
難有候
難有泪
難有連
難有過
難有由時々申出候