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阿魔
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あま
ふりがな文庫
“
阿魔
(
あま
)” の例文
張り合うような
阿魔
(
あま
)
さ。ああいうのが思い込むと、どんなことでもしかねねえよ。が、まかせて下せえ。おれが、必ず何とかするから——
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「この間から、神明の水茶屋の、お
常
(
つね
)
の
阿魔
(
あま
)
に熱くなりやがって、毎日入りびたって、渋茶で腹をダブダブにしてやがったよ」
銭形平次捕物控:013 美女を洗い出す
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
僕がな、形を
窶
(
やつ
)
してよ、八百屋の
小児
(
こども
)
に生れてよ、間者になって知ってるんだ。
行軍将棊
(
こうぐんしょうぎ
)
でもな、間者は
豪
(
えら
)
いぜ、
伴内
(
ばんない
)
阿魔
(
あま
)
。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そんな訳なんで……どうもあすこの材木置場って奴はロクな処じゃねえんで……変な野郎や
阿魔
(
あま
)
ッ子の
巫戯
(
ふざけ
)
場所になっておりやすんで……ヘイ。
芝居狂冒険
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「うん」と云うと若者は、その殺気立った燃えるような眼で、人混の中へ消え去ろうとする娘の姿を見送ったが、「
異
(
ちげ
)
いねえよ、あの
阿魔
(
あま
)
だよ」
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
「
這奴等
(
こいつら
)
ア毎日毎晩、酒ばかり
食
(
くら
)
っているのが
商売
(
しょうべえ
)
だからね。お
前様
(
めえさま
)
も用心しなせえ。こんな
阿魔
(
あま
)
が蛇のように若旦那を狙っているんだから……。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「おらあ何も云わなかった、女も何も云やあしねえ、何にも……名前を訊こうともしなかった、——ひでえ
阿魔
(
あま
)
だ」
留さんとその女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「お祈りを唱えていたと! ひでえ
阿魔
(
あま
)
だよ、
手前
(
てめえ
)
は! へえつくばりやがって、おれに悪いことになるようにって祈るなんて、どういうつもりなんだ?」
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
俺
(
お
)
ら
嘘
(
ちく
)
いふな
嫌
(
きれ
)
えだから、そんだがあの
阿魔
(
あま
)
もづう/\しい
阿魔
(
あま
)
だ、
此間
(
こねえだ
)
なんざおつかこた
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
さねえかつちつたら、
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
さねえなんて
吐
(
ぬ
)
かしやがつて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
忘れて云ひ
募
(
つの
)
りけるを段右衞門は
猶
(
なほ
)
冷笑
(
せゝわら
)
ひイヤ/\此
阿魔
(
あま
)
め
幾何
(
いくら
)
八
面
(
めん
)
大王鬼
(
だいわうき
)
に成ても此身に覺えの無事は
然樣
(
さう
)
だなどゝは云れぬ者よフヽンと
鼻
(
はな
)
であしらうを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
牝の蹴合鶏みたいな
阿魔
(
あま
)
なんで、とんだことを言いやして。とにかく、この問題はお考え願っときましょう。
人外魔境:08 遊魂境
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
好人
(
ひとよし
)
の万作も年寄っては愚痴っぽく、また
邪気
(
まわりぎ
)
もちっとは出るかして、お光の
阿魔
(
あま
)
め実の親が恋しいので
己等
(
おいら
)
を疎略にするのじゃあるめえかと思ったと見え
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「この
阿魔
(
あま
)
め。まだ剛情を張る気だな。よし、よし、それなら約束通り、一思ひに命をとつてやるぞ。」
アグニの神
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「へん年に一遍牛肉を
誂
(
あつら
)
えると思って、いやに大きな声を出しゃあがらあ。牛肉一斤が隣り近所へ自慢なんだから始末に終えねえ
阿魔
(
あま
)
だ」と黒は
嘲
(
あざけ
)
りながら四つ足を
踏張
(
ふんば
)
る。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
初太郎と宇之吉が胆をつぶして二階へ駈け上っている間に、
悪才
(
わるざい
)
の利く
阿魔
(
あま
)
じゃあねえか。
釘抜藤吉捕物覚書:13 宙に浮く屍骸
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「あの
阿魔
(
あま
)
が出ていってから」と、叔父は言った。「君はすっかり元気になったようだぞ」
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
お角という
阿魔
(
あま
)
も、お角という阿魔じゃあねえか……このおれが
粋
(
すい
)
を通して足を遠くしていてやるのをいいことにして、色の生ッ白い絵描きを引張り込んで、
抱
(
だ
)
いたり
抱
(
かか
)
えたり
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「と、とんでもねえ。わたしら、何を貰うものかね、見ず知らずの
阿魔
(
あま
)
っ子から……」
千早館の迷路
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
女
(
をんな
)
も
逆上
(
のぼせ
)
て
居
(
ゐ
)
た
男
(
をとこ
)
の
事
(
こと
)
なれば
義理
(
ぎり
)
にせまつて
遣
(
や
)
つたので
御座
(
ござ
)
ろといふもあり、
何
(
なん
)
のあの
阿魔
(
あま
)
が
義理
(
ぎり
)
はりを
知
(
し
)
らうぞ
湯屋
(
ゆや
)
の
歸
(
かへ
)
りに
男
(
をとこ
)
に
逢
(
あ
)
ふたれば、
流石
(
さすが
)
に
振
(
ふり
)
はなして
逃
(
にげ
)
る
事
(
こと
)
もならず
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
是が
何
(
ど
)
うも
何
(
なん
)
と二十六年祟ったからねえ、
執念深
(
しゅうねんぶけ
)
え
阿魔
(
あま
)
も有るもので、此の
前
(
めえ
)
に
助
(
すけ
)
と書いてあるが、是は何う云う訳か累の子だと云うが、子でねえてねえ、助と云うのは先代の與右衞門の子で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「お島の
阿魔
(
あま
)
め、
悪戯
(
いたずら
)
をさせやがって、覚えていろ。」
櫛
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この
阿魔
(
あま
)
あ今になっても、俺を騙す気だな。
中山七里 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
よせエ、この
阿魔
(
あま
)
あ、おれが勝手だい。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
阿魔
(
あま
)
つ
子
(
こ
)
がね
昨夜
(
ゆんべ
)
さ
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
『女中頭の
阿魔
(
あま
)
めが、すっかり投げやりにして、栓もしないでおきくさったのでがすよ、畜生め! 黄金虫だの、いろんなものが中へ落ちていましたがね、そういうごみはわしがとっておきましたでな、今は綺麗なもんでがす。あんたに一杯つぎますわい。』
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「此間から、神明の水茶屋の、お常の
阿魔
(
あま
)
に熱くなりあがつて、毎日入りびたつて、
澁茶
(
しぶちや
)
で腹をダブダブにしてやがつたよ」
銭形平次捕物控:013 美女を洗ひ出す
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「はあ、あの
女
(
むすめ
)
なら見世物に出すかも知れねえ、大方そうだろう。」「似寄の者さ。」と言懸けて少し
猶予
(
ためら
)
い「あのの、
家
(
うち
)
の
阿魔
(
あま
)
に犬の皮をの。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あやめの
阿魔
(
あま
)
が消えてしまった途端に、これまで縁のなかったお侍さんが、ヒョッコリ訪ねておいでなすって、根掘り葉掘りあやめのことをお訊きになる。
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「こいつ、わる強情な女だな。おい、爺さん、縄を持って来い。この
阿魔
(
あま
)
をふん縛ってしまうから……」
半七捕物帳:47 金の蝋燭
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
不法監禁だぞ畜生……ドウスルカ見ろ……龍代の
阿魔
(
あま
)
……。出してくれ出してくれ出してくれくれくれ……出してくれッ……。出して……くれエエエ——ッ……。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「この
阿魔
(
あま
)
め。まだ剛情を張る気だな。よし、よし、それなら約束通り、一思いに命をとってやるぞ」
アグニの神
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
阿魔
(
あま
)
ッ
子
(
こ
)
風情
(
ふぜい
)
に目をくれるもんか! ただ、当分、日の目を見せられねえわけのある奴がいるんだ——それで、
暫時
(
ちっとのま
)
、鉄心庵の
和尚
(
おしょう
)
に引ッくくッて置いて貰おうと思って——
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
へえ、へえ、お多喜の
阿魔
(
あま
)
あ、今ごろは眼の色を変えて探しておりやしょう。へへへ。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
何
(
なに
)
爲
(
す
)
んだとう、づう/\しい
阿魔
(
あま
)
だ、
櫛
(
くし
)
何故
(
どう
)
して
取
(
と
)
らつたんだか
云
(
ゆ
)
つて
見
(
み
)
ろつちんだ、
此
(
こ
)
んでも
分
(
わか
)
んねえのか、
云
(
ゆ
)
つて
見
(
み
)
ろよ」
勘次
(
かんじ
)
は
暫
(
しばら
)
く
間
(
あひだ
)
を
措
(
お
)
いて、
又
(
また
)
かつと
忌々敷
(
いま/\しく
)
なつたやうに
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何のあの
阿魔
(
あま
)
が義理はりを知らうぞ湯屋の帰りに男に
逢
(
あ
)
ふたれば、さすがに振はなして逃る事もならず、一処に歩いて話しはしてもゐたらうなれど、切られたは
後袈裟
(
うしろげさ
)
、
頬先
(
ほうさき
)
のかすり
疵
(
きず
)
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
はじめは
口惜
(
くや
)
しがって、おれのつらを
引掻
(
ひっか
)
きやがったが、今では
阿魔
(
あま
)
め、おれの行くのを待遠しがっていやがる、そうなってみると、
焼杉
(
やきすぎ
)
の下駄の一足も買ってやらなきゃあ
冥利
(
みょうり
)
が悪いから
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
段右衞門聲高に
噪
(
やかま
)
しい女め
如何樣
(
どんな
)
にべら/\
喋舌
(
しやべる
)
とも
然樣
(
そん
)
なことは夢にも覺えは
無
(
ねえ
)
汝
(
おの
)
れはまア
恐
(
おそろ
)
しい
阿魔
(
あま
)
だ女に
似合
(
にあは
)
ぬ
誣言事
(
こしらひごと
)
扨は三五郎の
敵
(
かたき
)
と思ひ違へての
惡口
(
あくこう
)
成
(
なら
)
ん七人の子を
成
(
なす
)
とも女に心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この
阿魔
(
あま
)
、起きろ、起きて
釜
(
かま
)
の下を
焚
(
た
)
きつけろ、……おらあこの式だ、女はこれでなくッちゃいけねえ、日に二三度は横ッ面をはりとばしてやる、やかましいッ文句ウぬかすな、黙れこの野郎
嘘アつかねえ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
こら、大木屋。こんどだけは特に大目に見てやるが、この次から
容赦
(
ようしゃ
)
せんぞ。この次は絶対
出入差止
(
でいりさしと
)
めだ。特にこんどだけは——おい、なにをぐずぐずしとる。早くその——ええソノ
阿魔
(
あま
)
っ
児
(
こ
)
を
什器破壊業事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「なに、嘘だ、この
阿魔
(
あま
)
め、人を
驚
(
おど
)
かしやがる。」
悪魔
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「へン、錢形の親分の見透しさ。お吉の
阿魔
(
あま
)
、すつかり喜んで後を振り向いても見ねえ。尤も、振り向かれちや大變だ」
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
天道時節ここだ思うて、(
阿魔
(
あま
)
覚悟があるぞ!)
睨
(
にら
)
んだですだ。ばたばたとお孝が立つで、占めた、
遁
(
に
)
げる、恐れたぞ。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……殺そうとした奴ア
解
(
わか
)
っていまさア。‥…あやめの
阿魔
(
あま
)
に相違ねえんで。……あの阿魔以前からあっしの命を、取ろう取ろうとしていたんですからねえ。
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
嘘つき
阿魔
(
あま
)
め。ここの家にどんな子がいる。猫の子一匹もいねえじゃあねえか。六十幾つになるつんぼの婆さんとおめえの二人っきりだということは近所で
訊
(
き
)
いて知っているぞ。
半七捕物帳:35 半七先生
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
丸め込むキッカケを作っておこうぐらいの考えで……大変な
阿魔
(
あま
)
ッチョだぞ。
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
酷
(
ひ
)
でえ
阿魔
(
あま
)
だ、
夕飯
(
ゆふめし
)
も
何
(
なに
)
も
仕
(
し
)
やうありやしねえなんてな、
獨
(
ひと
)
りでぐうづ/″\
云
(
ゆ
)
つてな、そんで
與吉
(
よきち
)
こと
何遍
(
なんべん
)
も
迎
(
むけえ
)
に
遣
(
や
)
つてな、さうすつとあの
與吉
(
よきち
)
の
野郎
(
やらう
)
また、
今
(
いま
)
直
(
すぐ
)
に
饂飩
(
うどん
)
饗
(
ふるま
)
つてよこすとう
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
阿魔
(
あま
)
っ! 亭主殺しゃあ三尺高え木の空だぞ。立て立たねえかっ!」
釘抜藤吉捕物覚書:03 三つの足跡
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
あの
阿魔
(
あま
)
でもなくッて、荒れ寺の中から、金切ごえを聴かせる奴があるか——な、あの、かすかなかすかな物の気配——ありゃあ
夜禽
(
よとり
)
の声でもねえ、物ずきが、
胡弓
(
こきゅう
)
を弾いている音いろでもねえ
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
剥
(
むき
)
だし是程に言ても
聞分
(
きゝわけ
)
ぬ
強情
(
がうじやう
)
阿魔
(
あま
)
め然らば此所で打殺し川へ
投込
(
なげこむ
)
覺悟
(
かくご
)
をしろと
手頃
(
てごろ
)
の木の
枝
(
えだ
)
追取て
散々
(
さん/″\
)
に打けるをお梅は片邊に見居たりしが
迯出
(
にげいだ
)
さんとする所を
雲助
(
くもすけ
)
眼早
(
めばや
)
く見咎めて爰にも人が居を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
はめやがって、あんな汚ならしい雑誌がなんや、なにがぼろい儲けや、うまいことぬかしくさって、初めからあての貯金ちょろまかす気いやったんやろ、出てゆけ、そしてあのぬすっと
阿魔
(
あま
)
と寝くされえ
陽気な客
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
阿
漢検準1級
部首:⾩
8画
魔
常用漢字
中学
部首:⿁
21画
“阿魔”で始まる語句
阿魔女
阿魔奴