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聖
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きよ
ふりがな文庫
“
聖
(
きよ
)” の例文
捨吉が
口唇
(
くちびる
)
を衝いて出て来るものは、朝晩の心やりとしてよく
口吟
(
くちずさ
)
んで見た
聖
(
きよ
)
い讃美歌でなくてこうした可憐な娘の歌に変って来た。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
楽しい
聖
(
きよ
)
い一晩だった……。二人は何事も隠し合わないつもりではあったが、彼はただ無関係な事柄だけしか彼女に話せなかった。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
日中には、何千となき白い
蝶
(
ちょう
)
がそこに逃げ込んできた、そしてこの生ある夏の雪が木陰に
翩々
(
へんぺん
)
と
渦巻
(
うずま
)
くのは、いかにも
聖
(
きよ
)
い光景であった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
尊くせられ
聖
(
きよ
)
められし肉再びわれらに着せらるゝ時、われらの身はその悉く備はるによりて、いよ/\めづべき物となるべし 四三—四五
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「この女は処女だ、私は初めて
聖
(
きよ
)
らかなものを
涜
(
けが
)
すのだ。しかも私は昨夜は他の女と寝たのに」。かく思うとき性欲は興奮する。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
▼ もっと見る
かかる人格にして初めて、気高く、
聖
(
きよ
)
く、美しき仕事ができる。われ等としても、最大の注意を
以
(
もっ
)
て
之
(
これ
)
を監視し、又警護する。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
恋人がバッハの
聖
(
きよ
)
らかなオルガン曲を弾いて対抗し、辛くも異教的な誘惑から恋人を救うと言った物語を読んだことがある。
探偵小説と音楽
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
聖
(
きよ
)
くまことなる心、無極の意と相繋がる意、世の雑染を離れて神に達するの
眼
(
がん
)
、是等の三要素を兼有する詩人文客の詞句を聴くは楽しむ可きかな。」
トルストイ伯
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
聖
(
きよ
)
き
夜
(
よる
)
の月光を浴びながら、はるばるフエカンの断崖まで運んで行き、麻袋の口をあけて、奇妙な肉塊を一つずつ英仏海峡の荒波のなかへ落しこんだ。
青髯二百八十三人の妻
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
しかしてこれらのことの後イエスみずからまた彼らに顕われ給い、東より西に至るまで、彼らによりて
聖
(
きよ
)
くかつ朽ちざる永遠の救いを宣べ伝えしめ給えり。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
見よ! そこに横たわっているダンネベルグ夫人の死体からは、
聖
(
きよ
)
らかな栄光が
燦然
(
さんぜん
)
と放たれているのだ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
そしてどの仏の前にも——それはみんな
錫
(
すず
)
でつくってあります——小さい
祭壇
(
さいだん
)
があって、そこには
聖
(
きよ
)
い水と、花と、火のともっているろうそくとがありました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
私はこの
聖
(
きよ
)
き、妹に対する兄の真実の愛という名において、国家の審判に烈しき抗議を申し込む者です。
死者の権利
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
この
後
(
のち
)
わたしの祈祷のときに、死によって永遠に
聖
(
きよ
)
められた彼女の名を自由に呼ぶことが出来るようにして下されたことについて、わたしはあつく感謝しました。
世界怪談名作集:05 クラリモンド
(新字新仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
一人の勝れた女、一人の潜めた可能力を一斉に噴き出して、はじめて感じる恋の
聖
(
きよ
)
い熱情に燃えた女だ。
地上:地に潜むもの
(新字新仮名)
/
島田清次郎
(著)
「おお、わが
子
(
こ
)
よ」と
仰
(
おほ
)
せられて、
人間
(
にんげん
)
どもの
知
(
し
)
らない
聖
(
きよ
)
い
尊
(
たつと
)
いなみだをほろりと
落
(
おと
)
されました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
熟睡
(
うまい
)
の窓に
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
の 罪逃がれにし人の子を 虚無の夢路にさゝやきて
聖
(
きよ
)
き記憶を呼びさませ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
そこで、私は彼女の居間に腰を下し、つい今しがたまでゐた女の爲めに
聖
(
きよ
)
められてゐるそこの空氣を呼吸して、幸福な氣持ちになつてゐたのです。いや、これは誇張だ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ラフアエロの描いた天使のやうに
聖
(
きよ
)
らかな顏。實物よりも十倍位の大きさの一つの神祕的な顏。
聖家族
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
あの人たちは、地上にいたときに愛していた人たちから離されている間に、この人たちにとって最も残酷な
呵責
(
かしゃく
)
である放心の苦難を受けて、煉獄の浄火に
聖
(
きよ
)
められたのです。
世界怪談名作集:11 聖餐祭
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
確かにこれは
聖
(
きよ
)
く
優
(
すぐ
)
れた魂の声だ、と悟浄は思い、しかし、それにもかかわらず、自分の今
饑
(
う
)
えているものが、このような神の声でないことをも、また、感ぜずにはいられなかった。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
パリス おゝ、かりそめにも
勤行
(
ごんぎゃう
)
のお
妨
(
さまた
)
げをしてはならぬ!……ヂュリエットどの、
木曜日
(
もくえうび
)
には
朝
(
あさ
)
早
(
はや
)
うお
迎
(
むかへ
)
に
行
(
ゆ
)
きませうぜ。それまでは、おさらば。
此
(
この
)
聖
(
きよ
)
い
接吻
(
キッス
)
を
保有
(
しま
)
っておいて
下
(
くだ
)
され。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
大斎期
(
おおものいみ
)
の際くらいのものであった、
約百記
(
ヨブき
)
を好んで読んだが、またどこからか『
聖
(
きよ
)
き父イサーク・シーリン』の
箴言
(
しんげん
)
や教訓の写しを手に入れて、しんぼうづよく長年のあいだ読み続けたが
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
聖
(
きよ
)
き
京
(
みやこ
)
に携えゆき
殿
(
みや
)
の
頂上
(
いただき
)
に立たせていいけるは爾もし神の子ならば
己
(
おの
)
が身を下へ
投
(
なげ
)
よ
蓋
(
そは
)
なんじがために神その
使
(
つかい
)
たちに命ぜん彼ら手にて支え爾が足の石に触れざるようすべしと録されたり
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
なぜといふに、
自分
(
じぶん
)
は
主
(
しゆ
)
の
君
(
きみ
)
を
思
(
おも
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
ると、
其聖墓
(
そのおはか
)
が
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
にもう
入
(
はい
)
つてゐるからだ。
亜孟
(
アメン
)
。どれ、
日射
(
ひあたり
)
のいゝ
此処
(
ここ
)
へでも
寝転
(
ねころ
)
ばうか。これこそ
聖地
(
せいち
)
だ。われらが
御主
(
おんおるじ
)
の
御足
(
みあし
)
は
何処
(
どこ
)
をも
聖
(
きよ
)
くなされた。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
上さんは胸がある
聖
(
きよ
)
い尊い物に
圧
(
お
)
しつけられるやうな気がした。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
罪
(
つみ
)
や、かなしみでさえそこでは
聖
(
きよ
)
くきれいにかがやいている。
『注文の多い料理店』新刊案内
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
夕焼のように混濁した朱でなくて、
聖
(
きよ
)
くて朗らかな火である。
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
けふ
一日
(
ひとひ
)
腹をいためて
臥
(
ふ
)
しをれば
聖
(
きよ
)
きまとゐに行きがてなくに
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
肩の
曲線
(
カーブ
)
に打つづく
聖
(
きよ
)
らの背中があるのです。
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
聖
(
きよ
)
きを攻むやと、
終日
(
ひねもす
)
、
啄木鳥
(
きつつきどり
)
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
厳かな
聖
(
きよ
)
き自然の力を表わす
聖堂の近くを過ぐる
(新字新仮名)
/
今野大力
(著)
聖
(
きよ
)
き
精
(
せい
)
の
宿
(
やど
)
りこの時ひらけ
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
聖
(
きよ
)
きひと
夜
(
よ
)
を
神秘
(
くしび
)
なる
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
聖
(
きよ
)
き
龕
(
づし
)
と胸縫ひて
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それは彼女に残っていた唯一の
見栄
(
みえ
)
であって、それも
聖
(
きよ
)
い見栄だった。彼女は自分のものをすべて売り払って、それで二百フランを得た。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
官能を断ち、世を断ったベートーヴェンの心の声が、弦楽四重奏曲という形をかりて、大諦観の
聖
(
きよ
)
らかな美しさを、心行くまで描くのである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
一の峰を成す、この峰カートリアと呼ばれ、これが下にはたゞ
禮拜
(
らいはい
)
の爲に用ゐる習なりし一の
庵
(
いほり
)
聖
(
きよ
)
めらる。 一〇九—一一一
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
しかし彼は、自分たちの周囲に
微笑
(
ほほえ
)
んでいる
聖
(
きよ
)
い光を見、彼女の失明した眼をながめ、そしてしみじみと
憐
(
あわ
)
れを覚えた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
遊女の心にでも
聖
(
きよ
)
さはあります。純な恋をすることはできます。どのような人かわかりもしないのに、初めから悪いものと疑うのはいけないと思います。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
学者をして無心ならしめよ、無学者をして無心ならしめよ、心の
聖
(
きよ
)
きものは福なり、其人は天国を見ることを得べければなり、
斯
(
かく
)
の如くして始めて真正の実行生ず。
実行的道徳
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
ラファエロの描いた天使のように
聖
(
きよ
)
らかな顔。実物よりも十倍位の大きさの一つの神秘的な顔。
聖家族
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
若
(
も
)
し
如何
(
どう
)
しても菅原様へ
嫁
(
ゆ
)
くことが出来ないならば、私は
一旦
(
いつたん
)
菅原様へ献げた此の
聖
(
きよ
)
き
生命
(
いのち
)
の愛情を、少しも
破毀
(
やぶ
)
らるゝことなしに
抱
(
いだ
)
いた
儘
(
まゝ
)
、深山幽谷へ行つて
終
(
しま
)
ふ
心算
(
つもり
)
だつて——
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
あなたの抱いてゐる同情は、法に合つてもゐないし、
聖
(
きよ
)
らかでもない。そんなものは、もう
疾
(
とつ
)
くに潰してしまつてゐるべきだつたのです。今そのことを引き出すのを
恥
(
は
)
づべきですよ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
渠
(
かれ
)
は青年の言葉から火のような
聖
(
きよ
)
い矢が自分の魂に向かって放たれるのを感じた。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
来たるべき神の国の宴を前にしてこれを
聖
(
きよ
)
むるためのキッドシュでありました。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
引裂
(
ひきさ
)
かれた旗は床の上に落ちていました。三色旗は銃剣の先にはためいていました。そして玉座の上には、青ざめて
聖
(
きよ
)
らかな顔をした貧しい男の子が、眼を天へ向けて横たわっていました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そして
其
(
その
)
結果は
如何
(
いかん
)
? 麗わしき神の
御業
(
みわざ
)
は、無残にも脚下に
蹂躙
(
じゅうりん
)
せられ、人間が額に汗して築き上げたる平和の結晶は、一朝にして見る影もなく掃滅せられ、夫婦骨肉の
聖
(
きよ
)
き
羈
(
きずな
)
は断たれ
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
聖
(
きよ
)
き扉に手を寄せて
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
二人の
聖
(
きよ
)
い魂から去らないで、ある童貞女らの修道院において「常住礼拝」をしなければ
贖
(
あがな
)
われるものではないように思われた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
“聖”の意味
《名詞》
(ひじり)徳の高い僧侶に対する敬称。
(ひじり)ある技能に極めて長けている人。
(ひじり)布教、勧進又は仏具販売のために諸国を遊行する下級の僧侶。
(出典:Wiktionary)
“聖”の解説
聖(ひじり)とは、日本において諸国を回遊した仏教僧をいう。その語源は仏教伝来以前の民間信仰の司祭者とされ、特にこれを指して民俗学上では「ヒジリ」とも表記される。
(出典:Wikipedia)
聖
常用漢字
小6
部首:⽿
13画
“聖”を含む語句
聖像
神聖
聖母
聖天
聖人
聖徒
聖経
聖者
聖代
聖霊
聖僧
聖歌
川路聖謨
小聖堂
聖書
聖護院
聖天町
聖堂
転輪聖王
聖林
...