暗い海の上には、ゆっくりと流している漁舟の篝火が右に左に動いて、しばらくぶりに見る空は秋の夜のように星がかがやいている。
と、この時縁を越した、そうして幔幕を張り廻した、そうして篝火を焚きつらねた、中庭の明るい光の中へ、老婆と山伏とが現われた。
“篝火”の解説
「篝火」(かがりび)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第27帖。玉鬘十帖の第6帖。巻名は光源氏と玉鬘が交わした贈答歌「篝火にたちそふ恋の煙こそ世には絶えせぬほのほなりけれ」および「行く方なき空に消ちてよ篝火のたよりにたぐふ煙とならば」に因む。
(出典:Wikipedia)
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